「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」が今日開催した集会に絡めて、八ッ場ダムと茨城県の問題についての詳しい記事が昨日、茨城県の地元紙に掲載されました。

◆2016年11月25日 常陽新聞
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ー水道料や治水課題に  八ツ場ダム住民訴訟茨城の会が26日総会ー

 八ツ場ダム(群馬県)をめぐって、11年間にわたり住民訴訟に取り組んできた県内の市民団体「八ツ場ダムをストップさせる茨城の会」(浜田篤信、船津寛代表)が26日、取手市内で第12回総会を開く。今後は、裁判で住民側が明らかにしてきた水余りや治水の問題などをもとに、水道料金の値下げや、常総市の水害被害者支援に取り組みたいと神原禮二事務局長は話す。

11年間の裁判生かし
 2009年の民主党政権誕生で注目された八ツ場ダム。いっとき無駄な公共事業として注目されたが、政権交代と共にいつの間にか世間の話題に上らなくなった。

 無駄な公共事業か否かは、04年から11年間にわたって、事業費を負担する関東1都5県の住民らにより裁判で争われた。住民側は水需要の減少と水余り、治水効果の虚構などを指摘したが、判決は「裁量権の範囲を逸脱乱用した違法なものといえない」などとして昨年9月、最高裁で住民敗訴が確定した。

 裁判終了後の今年8月、国交省は、同ダムの事業費4600億円を5320億円に増額する第5回基本計画変更案を関係都県に示した。

 本県の負担は269億円から311億円に膨らむ。同茨城の会は、県議会9月定例会に、計画変更に同意しないよう求める請願を出したが不採択となり、県は10月6日付で同意した。

年間30億円過払い
 11年間の裁判で明らかになったことは何か。神原事務局長は「市町村や広域企業団などの水道事業者は県企業局に、使わない水を年間30億円過払いしている」と指摘する。

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 さらに「八ツ場ダム、霞ケ浦導水事業が完成する20年ごろには『責任引取水』が実施され、すでに水が余っているところに、さらに膨大な水量を引き取ることになる」と話す。

 今後は、特に市町村議会などに働き掛け、八ツ場ダムと霞ケ浦導水の2事業からの速やかな撤退と、高過ぎる水道料金の引き下げを引き続き求めていきたいとする。

 「情報はすでに出されているが、市民が関心をもたなければ分からない。自分が住んでいる市町村の契約水量と自前の保有水源、責任引取水量がどれくらいか、自分たちで作ってもらえればびっくりすると思う」という。

棄却通知日に水害
 一方、昨年9月に発生した常総水害は、住民訴訟の中で、八ツ場ダム問題と併せて、住民側が指摘した湯西川ダム(鬼怒川上流、12年完成)の問題でもあった。

 特に栃木県の裁判で住民側は「鬼怒川下流部は必要な流下能力を大幅に下回っている区間が多く、河道整備が非常に遅れている。巨額な河川予算(1840億円)が投じられる湯西川ダムを中止し、その予算で鬼怒川下流部の河道整備を速やかに進めるべき」などと主張していた。

 神原事務局長は「鬼怒川が決壊した昨年9月10日に、奇しくも最高裁の上告棄却決定通知が送られてきた」と振り返る。12月に常総市の水害被害者から支援の依頼があり、同茨城の会は、被害者団体の国、県との交渉を支援することを決めた。

 一方、この間、土木研究所が1984年に開発した耐越水堤防(アーマーレビー=フロンティア堤防)が、98年にいったん国の河川整備の重要施設となっていたのに、川辺川ダム反対運動が起こり、耐越水堤防の普及が立ち消えになった問題なども判明し、新たに耐越水堤防の普及に向けた働き掛けなどが始まっているという。
(鈴木宏子)

◆第12回総会は26日午後1時30分から、取手市東の市福祉会館2階小ホールで開催。水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之さんが「八ツ場ダム問題の現状と今後~河川行政の変革を求める私たちの闘い」と題して講演するほか、常総水害被害者の会共同代表世話人の染谷修司さんが「常総水害と被害者の会の活動」について報告する。入場無料。問い合わせは電話090・4527・7768(同事務局・神原さん)まで。