八ッ場ダム事業をはじめとする全国のダム事業の問題点を指摘してきた「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は、長崎県の石木ダム計画に関連して、今年8月、佐世保市へ公開討論の申し入れを行いました。
 これにたいして、佐世保市は三カ月以上たった11月20日、「申し入れには対応しない」との回答を送ってきました。
 回答文書を以下に掲載します。(画像をクリックすると、お読みいただけます。)

 キャプチャ2 

 石木ダム建設の根拠とされる佐世保市の水需給計画の問題をめぐって、科学者の会と長崎県との間で行われてきたこれまでのやりとりについては、こちらに掲載しています。
 http://yamba-net.org/?p=5290 

 今回の回答にも見られるように、ダム行政には説明責任という言葉は無縁のようです。公開討論会に対応しないという佐世保市の「対応」は、佐世保市の水需給計画が科学的な批判に耐えられないものであることを如実に物語っています。
 
 11月20日付の佐世保市の回答に対して、「科学者の会」では、11月28日、以下の抗議文を送付したとのことです。

2013年11月29日
佐世保市上下水道事業経営検討委員会
委員長  後藤 惠之輔 様
委員   各位

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
呼びかけ人
今本博健(京都大学名誉教授)(代表)
川村晃生(慶応大学名誉教授)(代表)
宇沢弘文(東京大学名誉教授)
牛山積(早稲田大学名誉教授)
大熊孝(新潟大学名誉教授)
奥西一夫(京都大学名誉教授)
関良基(拓殖大学准教授)(事務局)
冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)
西薗大実(群馬大学教授)
原科幸彦(東京工業大学名誉教授)
湯浅欽史(元都立大学教授)
賛同者 125人

 佐世保市水道の新水需給計画に関する公開討論会の拒否回答への抗

 私たち「科学者の会」は去る8月1日に貴委員会の各委員に対して「佐世保市水道の新水需給計画に関する公開討論会」の開催を申し入れました。
この申し入れに対して、11月20日付けの回答がようやく、委員会事務局から届きました。申し入れをしてから、4カ月近くが経過しており、きわめて不誠実な対応に怒りを禁じ得ません。

 しかも、その回答は、全面的な拒否回答です。その理由として述べられているのは、「佐世保市上下水道事業経営検討委員会は水道局の諮問機関で、局からの求めに基づき『水道事業及び下水道事業の経営のあり方や施策策定に関して総合的に調査検討を行うこと』を目的として存在する機関であり、佐世保市水道局以外の個人、団体等からの意見等に対して応ずる機関ではない。」というもので、対外的に何ら説明責任を負わないという内容です。
このような無責任な話があるでしょうか。貴委員会がお墨付きを与えた、全く非科学的な佐世保市水道の水需給計画によってどのような問題が起きつつあるのか、各委員は考えたことがあるのでしょうか。

 この計画に基づき、佐世保市は本来は不要な新規水源を石木ダムに求め、そのことによって、ダム水没予定地13世帯60人の住民の生活が壊され、さらには、佐世保市民は石木ダムとその関連事業のために1世帯当たり20万円を超える多額の経済負担を強いられるようとしているのです。
各委員はどのような理由で、市の水需給計画にお墨付きを与えたのか、佐世保市民等に対してきちんと説明する責任を負っています。対外的に説明責任を負わないという、無責任な話が通用するはずがありません。

 各委員は委員会としてお墨付きを与えたことが市民等にどのような結果をもたらそうとしているのか、しっかり考え、その重大な責任を自覚すべきです。
私たちは科学者の責務として、佐世保市民等に代わって、貴委員会の各委員と、市の水需給計画の是非について科学的かつ冷静な議論を行うことを求めました。
私たち「科学者の会」は、今回の回答に対して心底からの怒りをもって抗議するとともに、各委員が自らの良心に立ち返って、公開討論会の開催に応ずることを引き続き求めます。

                                      以上