八ッ場ダム同様、民主党政権で建設が中止される可能性がありながら、建設継続が決定した北海道のサンルダム事業で8月7日、定礎式が行われたとのことです。
 サンルダムの事業者は国土交通省北海道開発局です。定礎式はダム本体工事の本格化を前に、清められた礎石をダム本体に納め、ダムの永久堅固と安泰を祈願する行事とされます。

◆2016年8月8日 朝日新聞北海道版
 http://digital.asahi.com/articles/CMTW1608080100008.html?rm=150
ーサンルダム定礎式、本体工事が本格化ー

 ■曲折経て18年度完成予定

 天塩川上流域にあるサンル川のサンルダム建設現場(下川町)で7日、工事の安全と堅固なダム建設を願う定礎式が行われた。昨年9月に始まった本体工事がこれから本格化する。

 天塩川流域自治体の首長や地元関係者ら約220人が出席し、礎石が埋め込まれた。谷一之・下川町長は「多くログイン前の続きの苦難を乗り越え、ついにこの日を迎えることができた。流域の産業振興や住民の安心安全、生活環境の向上などのため、一日も早い完成を期待している」と話した。

 サンルダムは1993年に建設事業が始まったが、2009年に民主党政権の「脱ダム」方針によって凍結。再検証の結果、12年に継続が決まるなど曲折を経た。完成は基本計画より1年遅い18年度となる予定で、事業費も528億円から559億円に増える見込み。完成すれば国内最北の多目的ダムとなる。

 サンル川はサクラマスの産卵地で、生息環境を保護するため、ダム湖の横にサクラマスが通れる約7キロの魚道も整備する。一方、ダム建設に反対してきた環境保護団体などは「魚道の効果が確かめられるまでダム建設を中断するべきだ」と訴えている。

—転載終わり—

 サンルダムの本体工事は八ッ場ダムと同様、2014年8月に本体工事業者が決定し、同月から本体工事が開始されました。サンルダムの堤体建設工事の工期末は2018年3月の予定です。

 サンルダムで最も問題視されているのは、なんといっても環境破壊です。手塩川水系のサンル川は、わが国の他の川では殆ど失われてしまった貴重な水辺の環境が残されてきた場所で、サクラマスの遡上、産卵が知られていますが、不要なダム建設により危機に瀕しています。

 以下の関連記事も参考になります。
 
 ◆2016年7月4日 日本経済新聞
  http://www.nikkei.com/article/DGXMZO04414640U6A700C1000000/
ー7キロの魚道設けるサンルダム、水害で完成延期へ ー

 国土交通省北海道開発局は、国内最長の魚道を備えるサンルダム(北海道下川町)の完成時期を、これまでの予定より約1年遅れの2018年度内に延期する方針を固めた。14年に現場で発生した水害の影響で、工事に大幅な遅れが生じているからだ。魚類の生息環境への悪影響を抑えるため、延長7kmの魚道を付設する。

 ■民主党政権下で中断も

 サンルダムは、北海道開発局が天塩川水系サンル川に計画している堤体高約46m、堤体長約350m、総貯水量5720m3(立方メートル)の台形CSGダムだ。設計者はドーコン、施工者は大成建設・熊谷組・岩倉建設JV(共同事業体)。

 1993年に事業に着手し、民主党政権下の中断を経て13年7月に工事に着手した。事業費は現時点で約528億円。

 14年8月、ダムサイト付近でサンル川切り替えのための仮排水路(延長187m)を施工中だった現場が、豪雨によるサンル川の氾濫で大きな被害を受け、工事の手戻りを余儀なくされた。担当部署の旭川開発建設部治水課は工期延長のほか、事業費を約31億円増額することを検討している。

 ■延長7kmの魚道を計画

 サンル川はサクラマスが大量に遡上するなど魚類の豊富な河川として知られ、地域の住民などから環境保全を求める声が上がっている。旭川開発建設部ではダム整備の一環として魚道を設けることにした。魚道の研究者である日本大学理工学部の安田陽一教授などの有識者が計画に参加している。

 ダム付近の階段式魚道とダム湖に並行する延長約7kmの水路(バイパス魚道)で構成する計画だ。バイパス魚道は国内最長となる。安田教授は、「サクラマスのほか、遊泳力が弱いウグイやカジカなども遡上できる魚道として、ダム整備の影響の最小化を目指す」と意気込んでいる。(日経コンストラクション 安藤剛)

◆2016年6月3日 日刊スパ!
 http://nikkan-spa.jp/1115265
 -北海道の「サンルダム建設」で絶滅危惧種が危機に。そのダム、本当に必要ですか?ー

 公共事業予算が増え、全国各地で費用対効果の怪しい事業が進行している。そんな「アベノミクス」のもとで進む、環境破壊をリポートした! 安倍さん、それって必要ですか?

牛乳パック19本分の水のために絶滅危惧種が危機に

 ’17年完成予定のサンルダムは、北海道北部を流れる天塩川の支流の支流、サンル川に計画。堤防すらない自然河川で、サクラマスの産卵密度が濃い川として知られている。

 本州では滅多に見られない絶滅危惧II類の「カワシンジュガイ」も生息。幼生は遡上するサクラマスのエラやヒレに寄生している。

 事業者である国土交通省北海道開発局は、「カワシンジュガイを移植、サクラマスの魚道で保全する」としているが、その有効性は専門家や環境保護団体に疑問視されてきた。民主党政権時に国土交通省が意見を聴取した北海道大学の前川光司名誉教授は、ダムを造る前に魚道の「効果を確かめるべき」だと指摘。しかし、国土交通省はダム建設を同時並行で進めている。

 その魚道とは、ダムサイトから湖尻まで7.4kmにわたって並走する長大魚道。行ってみると、砂利を盛り上げただけの細い水路だ。素人目にも、魚が遡上や降下するのに必要な水流や水温が確保できるとはとても思えない。

 長年サンル川で自然観察会を行ってきた北海道自然保護協会の宮田修さんは、「サクラマスの産卵床は、ダムで水没する所は全滅する。サクラマスが遡上・降下できなければ、カワシンジュガイの幼生も絶え、50~100年したら全滅するのではないか」と懸念する。

 サンルダムの目的もまた、治水、利水と発電。下川町で一日最大130立方メートル、名寄市で一日1510立方メートルの水道水が新たに必要というのだが、1秒に換算すれば牛乳パック19本分。’70年代に1万人以上だった下川町の人口は3423人、4万人以上だった名寄市は2万8000人に減少、この先新たな水需要があるわけでもない。

 今年3月、安倍内閣は第8期「北海道総合開発計画」を閣議決定。国土強靱化基本法を成立させ、公共事業予算を3年連続で増大させてきた安倍政権が、「北海道開発」の名のもと環境破壊を続けている。

― アベノミクスの[環境破壊]が止まらない! ―

—転載終わり—

 ☆サンルダムの建設に反対する市民運動のサイト
  サンル川を守る会
  流域の自然を考えるネットワーク
  サクラマスまもり隊!