昨日、江戸川区スーパー堤防裁判(第三次)の判決が東京地裁でありました。残念ながら、住民側の敗訴でした。
 八ッ場ダムの住民訴訟もそうでしたが、 国交省の河川行政を対象とした裁判は、司法が住民側の意見を門前払いと決めているかのようです。

 関連記事を掲載します。

◆2017年1月25日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000054-jij-soci
ースーパー堤防事業、賠償認めず=転居住民が請求―東京地裁ー

 国が整備を進める「スーパー堤防」事業で転居や仮住まいを強いられたとして、東京都江戸川区の住民4人が、国と区に1人100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、訴えを退けた。
 
 問題となった事業では、国が江戸川右岸の一部1.8ヘクタールを盛り土でかさ上げ。その後、区が区画整理を行い、立ち退いた住民を元に戻す計画になっている。

 岸裁判長は「通常の区画整理でも生じる影響で、限度を超える権利侵害とは言えない」と指摘。盛り土は一定の安全性が確保されており、事業には必要性があると述べた。

 住民側は「一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げない。盛り土の崩落など不安を抱え続ける生活を余儀なくされる」と主張。事業の差し止めも求めたが、却下された。

 スーパー堤防は、旧民主党政権時代の事業仕分けでいったん「廃止」判定を受けたが、規模を縮小して整備が続けられることになった。

◆2017年1月25日 東京新聞(共同通信配信)
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017012501001052.html
ースーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川ー

 河川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する東京都江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、請求を棄却した。
 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当として賠償を請求。工事の差し止めも求めていたが、盛り土工事は昨年3月、既に完了しており、この部分の訴えは却下された。

 訴状によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画した。(共同)

◆2017年1月26日 毎日新聞東京版
http://mainichi.jp/articles/20170126/ddl/k13/040/144000c
ースーパー堤防訴訟 住民敗訴 地裁、賠償認めずー

 川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する江戸川区の住民ら4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当と主張したが、岸日出夫裁判長は「現場では川の水があふれる恐れを否定できず、事業には必要性、公益性がある。住民の受忍限度を超えたとも言えない」と退けた。

 住民側は盛り土工事の差し止めも求めたが、判決は「工事は昨年3月に完了し、訴えの利益が失われた」と却下した。

 判決によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画。

 民主党政権時代の2010年に事業仕分けで「廃止」と判定されたが、自民党が政権復帰した後の13年5月、江戸川沿いの120メートルの区間について事業を再開した。

◆2017年1月26日 朝日新聞東京版
http://www.asahi.com/articles/CMTW1701261300001.html
東京)スーパー堤防の差し止め、住民敗訴

 江戸川区北小岩1丁目の住民4人が国と区を相手取り、高規格堤防(スーパー堤防)の建設事業の差し止めと損害賠償を求めた行政訴訟の判決が25日、東京地裁であった。岸日出夫裁判長は損害賠償請求を棄却し、事業差し止めについては盛り土工事が昨年3月に終了していることから却下した。原告弁護団は控訴する方針。

 スーパー堤防は、高さの約30倍の幅にわたって盛り土をし、洪水で水が乗り越えても壊れないように強化した堤防。北小岩では江戸川沿いの延長約120メートルが事業対象で、現在は盛り土された更地になり、区が区画整理事業を進めている。

 住民側は「国には住民が所有権を持つ土地に盛り土をする法的権限がない」「事業によって移転や長期間の仮住まいを強いるのは重大な権利侵害」などと訴えていた。判決は「事業には必要性及び公益性が存在する」「移転など住民への影響は区画整理事業計画にそもそも織り込まれており、受忍限度を超える侵害が発生したとは言えない」などとして訴えを退けた。

 原告団長の会社員高橋新一さん(58)は記者会見で「細切れに造られ、完成に何百年かかるか分からないスーパー堤防は税金の無駄遣い。水害対策なら北小岩地区よりも優先すべき箇所がある」と憤った。高橋さんと母の喜子さん(87)は事業開始ぎりぎりまで予定地のほぼ中央部に住んでいたが、周囲はほぼ更地となり、2014年に嫌々ながら立ち退きに応じた。移転を余儀なくされた住民の中にはストレスから精神的・肉体的に健康を害する人も出たという。

 国土交通省関東地方整備局は「国の主張が認められた。今後とも事業を適切に行っていく」とコメント。江戸川区の柿沢佳昭・区画整理課長は「今後も安全・安心のまちづくりを丁寧かつ力強く推進していく」という。区内では江戸川下流の篠崎公園地区でも、スーパー堤防事業に合わせた土地区画整理事業が計画されており、地元への説明が行われている。(有吉由香)

◆2017年1月27日 都政新報
キャプチャ

★ジャーナリストのまさのあつこさんによるこちらの記事もご参考になさってください。
 「スーパー堤防訴訟判決、本質に踏み込まず「侵害があっても受忍限度」
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20170127-00067044/