全国ダムの堆砂データ最新版(平成24年度)を国土交通省が開示しました。情報公開請求を行った市民団体・水源開発問題全国連絡会が開示資料を整理した表を公開しています。
 http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2012/08/bcad392d0c4e774a9ef77a459f757c20.pdf  

キャプチャ

 ダム事業で示される総貯水容量は、堆砂容量、利水容量、洪水調節容量などの合計です。このうち堆砂容量は、100年間にダム湖に上流から流れ込んで堆積すると予想される土砂量です。ダム事業では、100年分の堆砂容量を見込んでいるので、少なくとも100年はダムがもつことになっています。

 けれども、国交省による堆砂データを見ると、100年よりはるかに短期間にダムの堆砂容量に達しそうなダムや、すでに堆砂量を越えてしまっているダムが全国にあることがわかります。 北海道では、平成10年に完成した二風谷ダムが総貯水量3150万㎥に対し、当初、計画堆砂量を550万㎥としてダム計画が立てられました。ところが、この計画堆砂量550万㎥はわずか7年目で突破し、2007年、計画堆砂量を1430万㎥(総量比45%)に引き上げました。しかし、すでに実際の堆砂量はその容量も超えています。

 昭和37年に完成した大夕張ダムは、すでに堆砂容量の三倍近くの土砂がたまっており、このダムの直下に新たに巨大な夕張シューパロダムを造って、大夕張ダムを新しいダム湖に沈めることになりました。

 http://www.sp.hkd.mlit.go.jp/kasen/08isiken/02genba/33yubari/
夕張シューパロダム(国土交通省 北海道開発局) 

http://mtriverw.exblog.jp/22514967
夕張シューパロダム予定地の写真が載っています。

 首都圏で見てみると、相模湖で知られる相模ダム(昭和22年完成)がすでに堆積容量の5倍近くの土砂がたまっています。昭和36年完成の荒川上流の二瀬ダム(埼玉県)も、堆積容量に近づいています。同じく荒川上流の合角ダムは、完成から10年で堆積容量の半分に達しています。

 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f8018/p104515.html
 相模ダム(相模川河水統制事業)、神奈川県
  現在では、湛水開始から長い年月が経過しているため、ダムの宿命とも言える堆砂が進み、これを取り除くための事業(相模貯水池大規模建設改良事業)を継続的におこなっています。

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/ootaki-kanko/futasedam-chichibulake.html
 二瀬ダム(秩父湖) 埼玉県

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/k-dam/
 合角ダム(西秩父桃湖) 埼玉県

 利根川水系では、八ッ場ダムと同時期に計画された下久保ダム(昭和43年)が堆砂容量に近づいています。
 http://www.water.go.jp/kanto/simokubo/
 水資源機構 下久保ダム(神流湖)

 国交省にとっては想定外ということなのでしょうが、実際には堆砂容量の見込みが甘かったことを示しています。堆砂容量を超えると、浚渫、土捨て場などでダムの新たな維持管理費が発生します。

 利根川水系で最も堆砂問題が深刻なのは品木ダム(昭和40年)です。酸性河川に八ッ場ダムを建設するために、中和事業の一環として造られたこのダムは、堆砂容量の4倍近い土砂をためこんでいる上、土砂にヒ素など有毒物質が含まれています。浚渫土砂を埋める場所がなくなれば、八ッ場ダムが第二の品木ダムになるといわれています。

 http://www.ktr.mlit.go.jp/sinaki/ 国土交通省関東地方整備局 品木ダム水質管理所

http://yamba-net.org/problem/meisou/agatsuma/agatsuma5/ 
 吾妻川のヒ素問題

八ッ場ダムの堆砂容量が過小に見積もられていることについては、こちらに掲載しています。
 http://yamba-net.org/old/modules/news/index.php?page=article&storyid=1482

【参考ブログ】八ッ場ダムの計画堆砂量について。総論と各論
 http://blogs.yahoo.co.jp/kajiken76xyz/62671453.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kajiken76xyz/62671839.html