掘削完了の図八ッ場ダム本体工事の第一段階である基礎岩盤の掘削工事が9月に終了しました。
 基礎掘削工事は2015年1月に開始されました。当初、国交省八ッ場ダム工事事務所は、今年(2016年)4月には掘削を終了する見込みと説明していましたが、ダムサイト周辺の掘削工事は9月まで続けられました。工事が長引いたのは、基礎岩盤が想定より悪かったためです。

 8月に国交省が発表した八ッ場ダムの5度目の計画変更案によれば、この工事の増加による費用増約44億円が総事業費720億円の増額に含まれていますが、八ッ場ダムの事業費の6割を負担する6都県議会では、増額同意案をすんなりと可決しましたので、何も問題がなかったかのように工事は進められています。
 八ッ場ダムの本体掘削量は、この計画変更により60万立法メートルから84万立法メートルに増加しました。しかし、国交省がこのことを明らかにしたのは、基礎岩盤の掘削が終了した9月末になってからで、「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の質問への千葉県の回答という形によってでした。

 本体工事を請け負っている清水建設JVは、ダムサイトに最も近い川原湯地区と川原畑地区の住民を対象に、基礎岩盤を披露する見学会を催して接待し、夜間の騒音などにもかかわらず住民が工事に協力してくれていることに感謝の意を表しました。

 国交省関東地方整備局は本体工事の展望台に、基礎掘削が完了したことを示す図を掲げ(写真上)、毎月発行している八ッ場ダムニュースで、基礎岩盤の清掃・検査を行っていることを伝えています(写真下)。
 八ッ場ダムニュース8月号より http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000656905.pdf
キャプチャ

写真下=国の名勝・吾妻渓谷の小蓬莱(見晴らし台)より2016年10月20日撮影
ダムサイト周辺 (2)

写真下=ダム本体工事現場の脇を通る付替え国道は、2011年度に暫定供用されましたが、その後、酸性熱水変質帯により変形。地すべり調査を実施し、群馬県が対策工事を行うことになった。草津温泉や嬬恋村へと繋がる主要幹線で交通量も多いため、県は通行止めにせずに工事を行うという。酸性熱水変質帯はダムサイト周辺にも広がっている。写真左手=対策工事 右手奥=八ッ場ダム本体作業ヤード 10/20撮影
地すべり対策工事 (2)

写真下=水没予定地の川原湯地区。旧国道と旧吾妻線の間の細長い場所で、東宮遺跡の発掘調査が続けられている。手前の茶色い管は、ダム本体の骨材を運ぶために線路跡に設置されたベルトコンベヤー。旧国道と竹林の向こうには吾妻川が流れている。10/20撮影
東宮遺跡