国交省関東地方整備局が昨日11月20日、「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」の変更手続が完了したことを発表しました。
 八ッ場ダムの基本計画は1986年の中曽根政権下で告示されました。この最初の基本計画における八ッ場ダム事業の工期は1967年度~2000年度、事業費は2110億円でした。

 しかしその後、2001年に工期が2010円度に変更され(第一回変更)、2004年に事業費が4600億円に増額されました。この二度目の計画変更により、八ッ場ダは全国一高額なダム事業であることが明らかとなり、八ッ場ダムの名が次第に知られるようになっていきました。
 2008年に2015年度に延長された工期は、今回四度目の計画変更により、2019年度に延長されることになりました。1967年度に始まった八ッ場ダム事業は、完成に少なくとも52年を要することとなり、八ッ場ダム事業は工期においても不名誉な全国トップとなりました。
 八ッ場ダム事業の構想が初めて公表された1952年から数えると、実に67年となります。

 今回の工期延長について、国交省関東地方整備局は民主党政権による工事凍結が原因と説明していますが、工期延長の真の理由は関連事業の遅延です。八ッ場ダム計画が抱える矛盾は政権交代によって解消するものではありません。2019年度の完成も不確かなものです。

◆国交省関東地方整備局による記者発表(2013年11月20日)
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000110.html
 「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」の変更手続完了について

関東地方整備局 河川部
 国土交通省関東地方整備局では、洪水被害の軽減や都市用水の確保等ために、八ッ場ダム建設事業を進めております。
 八ッ場ダム建設事業については、平成25年8月6日から特定多目的ダム法第4条の基本計画を変更する手続を進めていましたが、本日、手続が完了し、基本計画を変更しましたのでお知らせ致します。
 (本日、特定多目的ダム法第4条第5項の規定に基づき、官報に公示しています。)

(参考)
 ○工期:平成27年度 → 平成31年度
 ○事業費:約4,600億円 → 変更なし
 ○八ッ場ダムの検証における洪水調節方式の見直しを反映。

~~~
 関連記事を転載します。

◆2013年11月21日 上毛新聞
 http://www.jomo-news.co.jp/ns/2013849936069442/news.html

ー基本計画変更公示 「19年度完成」確定 八ツ場ダムで国交省ー

 国土交通省は20日、八ツ場ダム(長野原町)の工期を2015年度から19年度へと延長する基本計画の変更を官報に公示し、変更手続きが完了したと発表した。同省が今後長期間にわたるダム本体建設の予算計上や工事発注をする上で、基本計画との矛盾がなくなり、業務を円滑に進められるようになる。

 大沢正明知事は20日の定例会見で「本体工事着工への支障がなくなり、一日も早い着手に期待する」と歓迎するとともに、「国は工程表を厳守し、太田昭宏国交相は現地に来て地元住民を安心させてほしい」と要望した。

 八ツ場ダムは15年度末までの完成予定だったが、2009年8月の衆院選で無駄な公共事業の中止を公約に掲げた民主党政権が誕生したことで工事が中断、ダム事業の再検証などで遅れが生じていた。

 昨年12月の衆院選で自民、公明両党が政権に復帰すると、同省はことし5月に利根川・江戸川河川整備計画を策定し、八ツ場ダムの必要性を明記。同月中に本体関連工事の入札を公告し、工事用道路の新設や作業場の用地造成に取り掛かっている。

◆2013年11月21日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20131121100580001.html

ー基本計画の変更完了・県や町、具体化要求ー

 国土交通省は20日、八ツ場ダム(長野原町)の工期を4年間延長の2019年度までとする基本計画の変更手続きが完了したと発表した。

 8月6日の手続き開始公表から3カ月余り。県や町は国交相の現地視察や来年度予算への反映など具体的な動きを国に求めた。

 計画変更の内容は完成を15年度から19年度とする工期延長▽4600億円の事業費維持▽検証を受けた洪水調整方式の見直しなど。20日、特定多目的ダム法に基づき官報に公示した。

 大沢正明知事は20日の記者会見で「これで本体着工への支障はなくなった」と歓迎。工期や事業費の厳守に加え、「地元の皆さんが安心できるように」と国交相の現地視察を改めて求めた。これまで国の手続きの遅さにいらだち、8日の全国都道府県知事会議でも唯一の直接要望に充てた。

 長野原町の高山欣也町長は「当然のこと」と冷静で、これまで国政に振り回されてきただけに「来年10月の本体着工など今後の工程に遅れがないよう、来年度予算に反映されるまでは安心できない」と話した。

 八ツ場ダムの基本計画変更は4回目。民主党政権下の再検証で必要とされた安全対策費は加味されなかった。ダム見直し派の有識者らには「事業費増額で更なる計画変更は必至」との見方もある。(小林誠一)

◆2013年11月21日 読売新聞群馬版
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20131120-OYT8T01370.htm

 ー八ッ場「19年度完成」確定ー

八ッ場ダム建設予定地で工事が進む「湖面1号橋」(仮称)
 国土交通省関東地方整備局は20日、八ッ場ダム(長野原町)の工期を4年間延長する基本計画の変更手続きが完了したと発表した。約4600億円の総事業費に変更はない。2019年度とする完成時期が確定したことで、県や地元関係者には安堵(あんど)の声が広がった。

 計画変更は工期のほか洪水調節方式を見直す内容で、同局が8月に発表。事業費の一部を負担する群馬など1都5県の知事や利水者、関係行政機関の意見を聴取していた。

 県は10月8日に県議会の議決を得た上で、「更なる工期延長は行わない」「安全確保に万全を期した上で、総事業費の圧縮に最大限努力する」などの付帯意見を添えて同局に計画変更への同意を伝えていた。

 同省は既に14年度予算の概算要求に本体工事費など99億円を盛り込んでいる。14年度半ば頃に本体工事が着工する見通しだ。

 手続き完了を受け、県内関係者からは歓迎の声が上がった。大沢知事は20日の定例記者会見で、「本体工事着工に何ら支障がなくなった。一日も早い本体工事の着工を期待する」と述べた。今後は地域振興事業の早期実現を図るとともに、太田国交相の現地視察を国に求める方針だ。

 長野原町の高山欣也町長は「ひと安心した。国の新年度予算に本体工事費用が盛り込まれると思う。本体工事では、作業効率を上げてもらいたい」と語った。

 八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長は「これまでも工期は延期されているので、一日も早く完成させてほしい。4年と言わず、工期を短縮する努力をしてほしい」と注文した。

 八ッ場ダムは当初2000年度に完成予定だった。計画変更は今回で4回目で、工期の延長は3回目。