八ッ場ダムの本体準備工事は相変わらず遅れていますが、国交省と群馬県は先月、ダム予定地住民に対して、吾妻川沿いの国道約3.6キロ区間を本体工事専用ルートとするための工事を始めるという理由で、11月18日正午より通行止めとすると告知しました。
 通行止めを了承できないとする水没予定地住民が11月4日、国道を管理する群馬県の道路管理課、八ッ場ダム事業を担当する特定ダム対策課の担当者と面談し、強く抗議しました。詳細は、こちらをご覧ください。
 http://yamba-net.org/?p=9416

 それまで群馬県は、国道の封鎖を公表していませんでしたが、同日、公式ホームページに通行止めの情報を掲載しました。
 http://www.pref.gunma.jp/06/h2800043.html

 また、11月4日付の県報でも国道の一部区間の供用廃止を告示しています。
 http://www.pref.gunma.jp/contents/000305252.pdf 
 群馬県報(2014年11月4日付)2ページ目

 翌5日、関連記事が掲載されました。

◆2014年11月5日 朝日新聞群馬版
ー住民、迂回路安全確保求める 八ッ場ダム工事、国道通行止めでー

 八ッ場ダムの本体工事に向けた国道145号(旧道)の水没予定地の一部通行止めについて、通行止めの区間に住む住民が4日、道路を管理する県に説明を求めた。県は工事に必要な措置という立場を示し、18日正午からの通行止め実施を正式に発表した。

 県道路管理課によると、通行止めになるのはダム本体の建設予定地の手前の長野原町林から川原畑までの3.6㌔。18日正午に通行止めにして廃道とする。その後は、国土交通省が本体建設工事の専用道路として使う。拡幅し、掘った土などを運ぶ大型ダンプが行き来することが想定されているという。

 4日は、廃止区間の国道を日常的に利用している住民が県の担当者と面会し、「個別の説明を得られなかった」「迂回路は降雪や凍結時は危険ではないか」とただした。県側は迂回路の安全確保については改めて確認するとした一方、「不利益もやむを得ないという判断で手続きに入った」と説明した。(井上怜)

◆2014年11月5日 毎日新聞群馬版

http://mainichi.jp/area/gunma/news/20141105ddlk10040162000c.html

ー国道145号:3.6キロ、18日に供用廃止 八ッ場ダム工事で /群馬ー

 八ッ場ダム本体工事に伴い、国道145号は長野原町林久森?川原畑八ッ場間の約3・6キロが18日正午で供用廃止となる。
 廃止後は土砂を運ぶ大型ダンプが主に使用する工事専用道路となり、ダム完成後は水没する。
 一般車両は国道北側の「145号八ッ場バイパス」を通行することになる。県が4日発表した。【吉田勝】

———–転載終わり———-

 この日は大沢群馬県知事の定例記者会見も行われました。会見要旨から、関連個所を転載します。
 http://www.pref.gunma.jp/chiji/z9000116.html
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 ○国道145号線の通行止めについて

(記者)
 八ッ場ダムの関連ですが、国道の145号を18日に通行止めにすることが決まっていると思いますが、国道145号沿いに住んでいる方がいらっしゃって、通行止めにするならちゃんと説明をして欲しいとか、迂回路があまりにも急で冬になったら上るのが難しいにもかかわらず、そのようなことについて全く説明がないのに、いきなり止めますというチラシだけが配られていたことに不満をおっしゃっていましたが、県としてあらためて、現に住んでいる方がまだいらっしゃるので、そちらの方に説明に伺う予定はありますか。

(知事)
 県としては、国交省と一緒に説明はしていると思います。工事を進める上でいろいろ考えて、迂回路もしっかりと説明されていると聞いています。今日の新聞で今言われたような記事が書かれているのを読みました。雪の時に非常に不便をきたすという状況について書かれていましたので、住んでおられる方に支障が出ないよう、県と国交省でしっかり対応したいと思います。

———転載終わり———–
 
 大沢知事は、「国交省と一緒に(群馬県は)説明はしている」と語っています。確かに国交省と共に地元の会議に出席し、通り一遍の説明はしているのですが、それだけで住民が納得するわけがありません。8月には住民有志らが群馬県知事あてに要望書を提出しましたが、3カ月たつ今も回答しないままです。

 この会見では、八ッ場ダムの本体工事の起工式のことも取り上げられています。

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 ○八ッ場ダムの着工式について

(記者)
 前回のこの場でも、八ッ場ダムの着工式を求めていくというご発言があったかと思うのですが、その辺の国交省の反応はいかがでしょうか。

(知事)
 いろいろと調整をしていると思うのですが、まだ日程的なものは伺っていません。

(記者)
 やっていく方向で折り合いそうな感じなのでしょうか。

(知事)
 そう期待しています。いずれにせよしなくてはならないのですが、工事の現場が広いだけに、どの時点でどういうかたちにするか、いろいろ検討していると思います。
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 水没予定地住民をないがしろにして、八ッ場ダムの着工式の早期実施をひたすら国交省に求め続ける群馬県は、メンツや形式を最も重んじているようです。八ッ場ダムに関して、地すべりや鉄鋼スラグなど深刻な問題が次々と明るみに出ている状況を考えると、群馬県の姿勢は現実から逃避し、問題を先送りにしているようにしか見えません。

◆2014年11月6日 上毛新聞一面
ー国道145号の一部 全面通行止め 18日から 八ッ場ダム本体工事でー

 八ッ場ダム(長野原町)の本体工事に関連し、県は5日までに、同町の国道145号の一部区間(3.6㌔)を18日正午から全面通行止めにすると発表した。一般車両が対象で、廃道にする。通行止め後は、本体工事の土砂の運搬などをする工事車両の専用道路として整備する。

 県道路管理課によると、通行止めの区間はダム本体建設地(川原畑)から上湯原橋(林)付近まで。町もこの区間に接続する町道の一部を通行止めにする。通行止めをめぐっては、反対する地元住民が4日、県に対し通行止めにする理由などを尋ねていた。

 これに対し大沢正明知事は5日の定例会見で、「住んでいる方に支障が出ないように国としっかり対応するようにしたい」と述べた。また、県が国に求めている着工式については「(式は)いずれにしろやらなければならない」と強調した。国は10月中旬、ダムの建設地で起工測量を取り掛かっており、実質的な本体工事が始まっている。

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 下写真=吾妻渓谷の本体工事予定地下流に掲げてある工事看板によれば、本体工事の準備工事、仮締切工事は、工期が再度延長され、来年1月16までの工事となりました。

工期1月16日に延期看板shuku