国土交通省が2014年度の概算要求を発表し、八ッ場ダムの事業費として100億円近くの予算を要求したことが報じられています。
 記事では国交省の説明通り、「完成は19年度を目指す」、「総事業費については「コスト削減などで吸収できる」(治水課)とみており、約4600億円に据え置く。」(事業費を増額しない)、などと書かれていますが、見通しが甘いことが早晩明らかになるでしょう。

 八ッ場ダム事業では「生活再建」を名目とした「関連事業」が膨れ上がり、本体工事予算が圧縮されています。実際に本体工事を始めれば、今の予算でおさめるのは難しいと考えられます。また、地すべり対策、水没予定地住民の移転代替地の安全対策はこれから現地で詳細調査を行うことになっており、どのような対策工事が行われるかは未定です。ダム湖湛水による災害誘発を防ぐためには万全の対策が求められますが、そのためには相応の費用がかかります。また、国交省が今月提示した計画変更案では工期を4年延長することになっており、これも増額要因となります。

 日経新聞では、民主党政権が事業継続へと政策変更を行った理由として、地元住民の反発をあげていますが、実際には国交省と共に八ッ場ダム事業を推進してきた関係都県の反発が大きな要因でした。事業遅延の理由を民主党政権の本体工事凍結としていますが、実際は本体工事予定地を通るJR吾妻線の付け替えなど関連事業の遅れが根本的な原因です。
 代替地の造成、安全対策工事、遺跡の発掘調査など、まだ残された関連事業は多く、工期を四年延長しても完成の見通しはたちそうもありません。

◆2013年8月27日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130827-OYT1T00452.htm

ー八ッ場ダム、本体工事費など99億要求…国交省

 国土交通省は八ッ場ダム(群馬県長野原町)について、来年度予算の概算要求に本体工事費など99億円を盛り込んだ。
 民主党政権が2009年に建設中止を表明して以降、建設の最終段階となる本体工事に着手できていなかったが、同省は「早期完成に向け取り組みを進める」として、来年度に本体工事を始める。完成は19年度を目指す。

 同ダムを巡っては、今年度予算で工事用道路などの本体関連工事に18億円が計上され、今年5月に関連工事の手続きが始まった。今月6日には15年度に完成予定とした従来の基本計画の見直しが発表され、完成が19年度にずれ込むとしていた。

 同ダムは当初、00年度に完成予定だった。(2013年8月27日14時01分 読売新聞)

◆2013年8月27日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO58992740X20C13A8L60000/

ー八ツ場ダムの本体工事費、5年ぶり計上 国交省概算要求ー

 国土交通省は27日発表した2014年度予算の概算要求で、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の本体工事費を5年ぶりに盛り込んだ。道路の付け替えなど本体以外の整備費用を含め総額99億3100万円を計上した。事業費の具体的な内訳は、14年度予算の成立後に策定する実施計画の中で示す方針だ。

 八ツ場ダムの工事はダム本体と周辺住民の生活再建に分かれる。生活再建事業については12年度末までに移転用地の確保や駅舎の建て替え、道の駅の整備など事業全体の約9割を実施済み。

 ダム本体の建設を巡っては09年度予算に本体工事費が計上され、工事の発注手続きに入った。ところが直後に発足した民主党政権が事業中止を表明。その後、地元の要請を受けて事業継続に転換した経緯がある。

 昨年末の政権交代を受け、13年度予算は本体工事費を計上するかどうかに注目が集まったが見送られた。代わりに13年度予算では、12年度に計上されながら執行されなかった、本体工事に必要な作業用道路の整備費用など「本体関連事業費」18億円が盛り込まれた。

 本体工事着工の遅れにより国交省は今月初め、八ツ場ダムの完成時期を当初計画の15年度から4年遅らせ19年度に延期した。ただ、総事業費については「コスト削減などで吸収できる」(治水課)とみており、約4600億円に据え置く。

◆2013年8月28日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/4213776157558547/news.html

ー八ツ場ダム本体工事費計上 概算要求50億円  国交省ー

 国土交通省は27日、2014年度予算の概算要求を発表した。八ツ場ダム(長野原町)の本体工事費を含む事業費として、国費ベースで50億円を計上した。地方自治体の負担を含めた事業費の総額は99億円で、要求が認められれば14年度から本体工事が始まる。同省は工期を15年度から19年度へ延長する基本計画の変更手続きも進めており、予算と計画両面でダム本体工事着手の条件が整うことになる。

 事業費には、付け替え道路の整備費や用地補償費といった生活再建事業の費用も含まれており、内訳は今後詰める。同省水管理・国土保全局は「『早期完成に向けて取り組みを進める』との基本方針に沿って本体工事の予算を要求する」としている。

 本体工事予算が概算要求に盛り込まれたことについて、大沢正明知事は「いよいよ本体工事がスタートする。工期短縮に最大限努力し、生活再建事業の早期完成に全力で取り組んでほしい」とコメント。長野原町の高山欣也町長は「(工期の遅れで)順調とは言えないが、着実に進んだ印象。ダム完成の方向に向かい、ほっとしている」と歓迎した。

 八ッ場ダムの事業費は基本計画で4600億円と規定されている。ダム本体工事だけでなく、道路や鉄道の付け替え、代替地整備、公共と民有の財産の移転などの費用も含んでおり、ことし3月末までに83%に当たる3824億円円(見込み額)がすでに執行されている。
 基本計画には工期も示されており、同省は今月上旬、工期を19年度に延長する方針を示した。現在は流域1都5県や関係利水者から意見を聞く手続きに入っており、返答を基に計画変更を最終決定する。
 同省は2009年1月にも本体工事の入札を官報に公告したが、同年9月にダム中止を公約に掲げた民主党政権が誕生したため、入札は中止となった。11年12月には建設再開へ方針転換したが、利根川水系の河川整備計画策定を条件としたため、ダム建設に関連する予算は計上されたが、執行されなかった。
 昨年12月の衆院選で自民党が政権に復帰。ことし5月に利根川・江戸川河川整備計画が策定されると、ダム本体工事の前段階である本体関連工事の入札手続きが始まった。現在は工事現場の伐採作業が行われている。

◆2013年8月28日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130827-OYT8T01508.htm

ー八ッ場ダムに本体工事費ー

 国土交通省が27日に発表した2014年度予算概算要求に、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事費などとして99億3100万円が盛り込まれた。民主党政権が09年に建設中止を表明して以降、建設の最終段階である本体工事のめどは立っていなかったが、同省は「早期完成に向け取り組みを進める」として、来年度に本体工事に入る方針を決めた。地元からは「ようやくゴールへの道筋が見える」「1日も早い着工を」など歓迎の声が上がった。

 概算要求に本体工事費が計上されるのは、09年度予算以来5年ぶり。当時、ダム建設に伴う道路の付け替え工事や用地補償などの生活再建事業費を含めて満額の225億円が認められたが、直後の政権交代で本体工費費は執行されなかった。

 同省治水課によると、予算成立後、現在手続きを進めている工事用道路整備など本体関連工事の進捗(しんちょく)状況をみて、本体工事に入る時期を判断するという。

 今後、基本計画に盛り込まれた15年度までの工期を4年間延長し、19年度中のダム完成を目指す。総事業費約4600億円に現時点で変更はないという。

 今回、概算要求に盛り込まれた約99億円は本体工事費と生活再建事業費などの合算で、同課は「予算成立後に策定する実施計画の中で内訳を決める」としている。

 待ちに待った本体工事費の要求に、県や地元の関係者は喜びに沸いた。

 大沢知事は「いよいよ本体工事がスタートすることであり、歓迎する。地元住民がこれ以上、将来の不安や不便な生活に苦しむことがないよう一刻も早く着手し、最大限工期短縮に努力してほしい」などとコメント。長野原町の高山欣也町長は「心配していたが、ほっとした。(民主党政権による)中断があったが、地道に進み始めた感じがする」と喜びをかみしめた。

 ダム予定地のそばに4月にオープンした「道の駅 八ッ場ふるさと館」社長で、林地区ダム対策委員長の篠原茂さん(62)は「本体工事が始まれば、ゴールまでの道筋が見える気がする。今後、国交相が地元を訪れ、もっと具体的なスケジュールを示してほしい」と期待。八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員長の萩原昭朗さん(81)は「不安だったが、うれしいニュース。1日も早い着工と完成を願う」と話した。

◆2013年8月28日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20130828100580001.html

ー知事「いよいよスタート」ー

国土交通省が2014年度予算の概算要求に八ツ場ダムの本体工事費を盛り込んだことについて、大沢正明知事は27日、「いよいよ本体工事がスタートすることであり、歓迎する」とのコメントを発表した。「地元住民がこれ以上、将来の不安や不便な生活に苦しむことがないよう最大限工期短縮に努力して早期にダムを完成させ、ダム湖を前提として進められている生活再建事業の早期完成に全力で取り組んで頂きたい」と改めて国に注文もつけた。

 国交省は八ツ場ダムについて「早期完成に向けて取り組みを進めるとの基本的な方針に沿って、本体工事の予算を要求する」との考えだ。

◆2013年8月28日 しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-28/2013082802_01_1.html

ー八ツ場ダム 99億円計上 概算要求 本体工事費は5年ぶりー

 国土交通省は27日発表の2014年度予算概算要求で、八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の本体工事費を5年ぶりに盛り込みました。ダム建設に伴う道路の付け替え工事や用地補償などの生活再建事業費と合わせる形で計99億3100万円を計上。本体工事費、生活再建事業費などの具体的な内訳は、14年度予算成立後に策定する実施計画の中で明示します。

 八ツ場ダムの本体工事費は09年度予算に計上されましたが、民主党政権が事業の凍結を決定。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権は、その象徴として八ツ場ダム事業をあげていました。
 ところが、11年末に民主党政権は路線を転換。新幹線や外環道など大型開発復活路線に舵を切り、八ツ場ダム建設も継続することを決定しました。

 自民党は「国土強靭(きょうじん)化」を掲げ、10年間に200兆円というばく大な公共投資を行うとして、不要不急の新規事業を推進する構えです。
 国土交通省は、凍結による八ツ場ダム事業の遅れを理由に、完成時期を15年度から19年度に延期。総事業費は約4600億円としています。

◆2013年8月29日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130829/k10014119811000.html

ー「八ッ場ダム」工事再開費用を要求ー

 工事がストップしていた群馬県の「八ッ場ダム」について、国土交通省は、本体工事を再開する費用を平成26年度予算案の概算要求に5年ぶりに盛り込みました。

 八ッ場ダムを巡っては、4年前に当時の民主党政権の前原国土交通大臣が建設中止を表明し、本体工事が止まっていました。
 しかし、おととし建設を継続することが決まり、来年度からは本体工事が再開される予定です。
 これに向けて国土交通省は、来年度予算案の概算要求に、本体工事も含めた八ッ場ダムの全体の事業費として99億3100万円を盛り込みました。
 今年度予算では、工事用道路の建設などにかかる「関連事業費」は計上されていましたが、ダム本体の工事費用が盛り込まれたのは5年ぶりです。
 国土交通省は、要求が認められれば、事業費の具体的な内訳を決めたうえで、本体工事を再開する方針です。
 八ッ場ダムは総事業費およそ4600億円のうち、これまでに3800億円余りが投じられており、工事が再開されれば、当初の予定より4年遅れて平成31年度に完成する予定です。