12月4日の群馬県議会本会議において、南波和憲県議(自民)が八ッ場ダムの進捗状況について質問しました。
 南波県議は八ッ場ダム予定地を抱える吾妻郡選出であり、親族が経営する南波建設は八ッ場ダムの関連工事を受注していることから、八ッ場ダム推進派議員として知られています。この日の県議会における群馬県とのやり取りも、八ッ場ダム事業が順調に進んでいることをアピールする群馬県を持ち上げることに終始しました。

 答弁に使われた八ッ場ダムの進捗状況は、群馬県の公式ホームページに掲載されています。
 http://www.pref.gunma.jp/06/h5210024.html

 上毛新聞ではこの質疑に関連して、一面記事として「桜1万本計画」をタイトルに掲げています。この計画はすでに半年前に明らかにされているもので、目新しいニュースではありません。水没予定地の住民が移転しつつある代替地は人工造成地であり、山懐に暮らしてきた住民にとって、大きな樹木が生えていないことが苦痛の種になっています。地元ではかねてよりダム事業費で植樹をしてほしいという要望が出ていましたが、これまで取り上げて貰えませんでした。
 この春、「桜1万本の計画」が公表されましたが、”水と桜の里をめざす”という漠然としたダム湖のイメージが提示されただけで、植樹の時期など具体的な話はありませんでした。今回の上毛新聞の記事を見ると、試験植樹をするということですが、沢に土を盛って造っている代替地では、地すべり等の災害を防ぐための安全対策が最重要課題です。
 ダム本体工事予定地の吾妻渓谷は自然林で覆われており、春には山桜が萌黄色の新緑に映えます。記事にあるトロッコ列車が水没予定地に運行されるようになれば、ダム湖に桜というありきたりの景観よりはるかに多くの観光客を集めるでしょう。

◆2013年12月5日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20131205100580001.html

 -水没予定地、用地取得91%移転96%完了ー

 八ツ場ダム(長野原町)問題で、県は4日、用地取得91%、移転完了96%などとする国から示された8月末現在の水没予定地の現状を明らかにした。県議会一般質問で、福田和明県土整備部長が南波和憲議員(自民)に答えた。
 答弁や特定ダム対策課によると、水没予定地ではダム建設で必要な用地456ヘクタールのうち414ヘクタールを取得し、移転が必要な470世帯のうち452世帯が完了したという。
 福田部長は「交渉が難航している未買収地も残るが、国からは『本体工事に影響ない』と聞いている」と答弁した。
 JR吾妻線の川原湯温泉駅は来年2月に駅舎が完成すると報告を受けたとし、駅正面に未買収地が残り、暫定的な開業になる可能性があるとした。
 また、10・4キロの付け替え工事も9割の軌道が設置済みで、残りは現在の軌道と取り付ける部分という。ただ、新線への切り替え時期は国やJRから示されていない。
 福田部長は、地元住民が要望した「桜1万本植樹運動」も国や町と検討を始め、植樹場所を探していると報告した。

◆2013年12月5日 産経新聞群馬版
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/131205/gnm13120502120001-n1.htm

 -八ツ場ダム用地 91%を取得完了 8月末時点 群馬ー 

 来年10月に本体工事着工が予定されている八ツ場ダム(長野原町)について、国の用地買収が今年8月末時点で、約91%完了したことが4日、明らかになった。
 県議会で南波和憲議員(自民)の一般質問に対し、福田和明県土整備部長が答弁した。家屋の移転については、必要世帯の約96%で終了しているという。
 県特定ダム対策課によると、用地買収は約456ヘクタールのうち約414ヘクタール、家屋の移転は470世帯のうち452世帯で完了しているという。
 未買収用地については、交渉が難航しているケースもあるが、福田部長は答弁で「本体工事に影響のある用地ではなく、工事の着手に支障はないと国から聞いている」と説明した。

◆2013年12月5日 上毛新聞
 -八ッ場ダム 桜1万本の名所に 予定地周囲に試験植樹ー

 長野原町の八ッ場ダム予定地周辺を桜1万本が咲く観光名所とするため、国と県、同町が試験植樹を行うことが4日分かった。ダム湖予定地の周囲など数箇所に複数の品種を植え、生育状況を調べる。将来的には多くの観光客が訪れる”水と桜の里”を目指す。
 県議会一般質問で、南波和憲氏(自民)の質問に、福田和明県土整備部長が答えた。
 国土交通省は、地元住民から桜の名所とする提案を受けて「やんば1万本桜構想」を策定し、八ッ場ダム工事事務所内に担当者を配置している。他県の先進事例の情報を収集しつつ、植樹の時期や場所について地元住民と調整しており、合意を得た上で植樹を進める。
 国や流域都県が費用負担している「水源地域整備計画事業」と「利根川・荒川水源地域対策基金事業」の生活再建策の中に入っていないことから、活用できる助成制度など予算確保について検討する。
 
 一般質問では福田部長がダム建設の進捗状況について、ダム予定地456㌶のうち91%に当たる414㌶を取得し、家屋移転が必要な470世帯のうち96%に当たる452世帯の移転が完了したと説明。「交渉が難航しているケースもあるが、本体工事着手に支障はない」とした。
 JR吾妻線の付け替え工事は、新しい路線の90%の軌道が設置済み。川原湯温泉駅の駅舎は来年2月に完成予定。付け替え後の旧線の敷地について、福田部長はトロッコ列車の運行などさまざまな手段を地元の長野原、東吾妻両町とともに考える方針を明らかにした。