8月7日に受注業者が決定した八ッ場ダム本体工事の入札について、落札した清水建設JVが514日の短縮提案を行っていたことが明らかになりました。
 関連記事を転載します。
 
◆2014年8月29日 建設通信新聞
 http://www.kensetsunews.com/?p=37255
 -514日の短縮提案/八ッ場ダム本体工事/落札の清水JVー

 “高速施工”を目標に、「施工日数の短縮」を唯一の技術提案(VE提案)に設定した八ッ場ダム本体工事の総合評価一般競争入札で、参加3JVの提案日数が明らかになった。落札者の清水建設・鉄建・IHIインフラシステムJVは、参加者で最大の514日(評価点=70)の短縮を提案した。前田建設工業・株木建設・丸島アクアシステムJVは511日(69.591)、大成建設・安藤ハザマ・佐藤鉄工JVは455日(61.965)の短縮を提案した。
 今回の総合評価では、標準点100点、施工体制評価点30点、加算点70点を配点。加算点は「施工日数の短縮」の技術提案(VE提案)のみで評価した。97日以上の短縮が加点対象で、参加者のうち短縮日数が最大かつ365日以上の企業に最高点70点を与える。
 評価では、施工体制評価点は3JVが満点を取得。入札価格は清水建設JVと大成建設JVが342億5000万円(税別)で並び、工期短縮日数が入札を決定付けた。
 また、予定価格は375億9027万円(同)、調査基準価格は335億5684万円だった。また、予定価格に含める法定福利費概算額は14億2811万7696万円。
 概要は、型式が重力式ダム、堤高116m。工期は2018年10月1日まで。工事場所は、群馬県長野原町大字川原畑字八ッ場ほか。

—転載終わり—

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所は、吾妻川に沿って走る国道145号線を廃道化し、本体工事専用道路とする方針です。これも、本体工事を急ぐ国交省の姿勢の表れです。
 この間、八ッ場ダム工事事務所は国道を生活道路として利用している水没予定地の住民に対して、国道の廃道化に同意するよう説得してきました。国交省職員による説得は、代替地への移転を促すこととセットで行われており、住民らはこの間、圧力を感じ続けているということです。
 3けた国道は群馬県の管理であり、国道廃道化の手続きを行うのは群馬県ですが、廃道化についてこれまで個々の住民に説明してきたのは国交省職員です。実際、群馬県と長野原町は、この件に関しても国交省の言いなりであるようです。
 
 八ッ場ダムの本体工事は今年1月8日に入札契約手続きが開始されました。当初から、鹿島建設JVが本命とされていましたが、3月1日に同社と大林組による東京湾トンネルの工事現場で死亡事故が発生したことから、両社は八ッ場ダム本体工事の入札参加資格を失いました。
 しかし国交省関東地方整備局は、工事を急ぐ八ッ場ダム本体工事に鹿島建設の技術を必要とすることから、鹿島建設と大林組をあえて入札手続きの重要な節目である「技術提案」(5月2日)に参加させました。
 官製談合が行われた八ッ場ダム本体工事の入札は、清水建設は新たに鉄建建設などとJVを組んで落札しましたが、鹿島建設の技術が使われるといわれます。
 現在の八ッ場ダム事業のスケジュールでは、2019年9月に本体工事が完了し、それから半年間、湛水試験を行って2020年3月に八ッ場ダムを完成させる予定ですが、湛水試験はもっと日数がかかるとされ、本体工事は工期短縮が最大の課題とされています。

 八ッ場ダム本体工事の入札不正については、以下のページをご参照ください。

 ●http://yamba-net.org/?p=8398
 ー八ッ場ダム本体工事、清水JVが落札ー

 ●http://yamba-net.org/?p=8348
 -八ッ場ダム本体工事の入札不正疑惑ー

 ●http://yamba-net.org/?p=8376
 -八ッ場ダム本体工事入札中止の申し入れー

 関連記事を転載します。

◆週刊現代 2014年8月30日号
 コラム 事情通

 中止を表明しながら継続を決め、民主党政権のだらしなさの象徴と化していた八ッ場ダム。その本体建設工事の入札が8月6日に行われ、清水建設JVが342億5000万円で落札した。
 またもや談合である。それも発注した国土交通省関東地方整備局が指導力を発揮したうえでの官製談合。しかもそうなることを『赤旗』の日曜版(7月27日号)にスッパ抜かれながら、路線を変えなかった。
 経緯を振り返りたい。
 1月8日、本体建設工事の公告があり、当初入札を予定していたのは、鹿島JV、大成建設JV、大林組JVだった。だが、誤算が起きる。国交省発注のトンネル工事で死亡事故が発生。国交省は、施工業者の鹿島と大林を指名停止処分とした。
 急きょ、JV編成が組み直され、鹿島JVでサブだった清水建設がトップとなり、大成JVはそのままで、新たに前田建設工業JVが加わった。
 これだけ大きな工事では価格より技術提案が重要で、国交省は本命を鹿島と定め、その提案に高い評価をつけ、落札させるつもりだった。だが、鹿島は外れた。本来は準備を整えている大成となるところを、国交省は清水とし、鹿島には「裏協力」を期待した。震災以降、恒常化した官製談合が、4600億円が投じられる八ッ場ダムでも行われた。呆れるしかない。

週刊現代キャプチャ