国交省関東地方整備局が八ッ場ダム本体工事の入札を官報に公告しました。
 八ッ場ダム本体工事の入札公告はこれが二度目になります。一度目の入札公告は2009年1月9日に行われましたが、その年の夏の総選挙の結果、八ッ場ダムの中止を掲げる民主党政権が誕生し、入札は中止されました。
 http://kir588479.kir.jp/old/modules/news/index.php?page=article&storyid=515

 (第一回目の入札公告のニュースなど)

 関東地方整備局のホームページに昨日掲載された記者発表は以下の通りです。
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000113.html
 
平成26年 01月07日
八ッ場ダム 本体建設工事の入札契約手続きを開始します。
関東地方整備局河川部
 八ッ場ダム建設事業について、明日から、本体建設工事の入札手続きを開始します。

工事の概要は以下のとおりです。
 ダム本体建設
  概要:ダム本体(基礎掘削、骨材採取、堤体工、機械設備等)
  場所:群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑地先
      群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯地先
  規模:50億円以上
  工期:約50ヶ月
  なお、入札参加者から受ける技術提案は「施工日数の短縮」とし、内容によっては工程の短縮の可能性があります。
  ※本入札に係る落札及び契約締結は、当該工事に係る平成26年度本予算が成立し、予算示達がなされることを条件とするものです。

~~~転載終わり~~~

 八ッ場ダム事業は昨年11月20日、工期を四年延長する四度目の計画変更を行いました。本体工事の入札に関する上記の記者発表から、本体工事も「工期の短縮」が課題となっていることがわかります。
 記者発表では工期を「約50ヵ月」としており、素直に読めば50か月で八ッ場ダムの本体工事が終了するように受け取れます。
 しかし、実際の本体工事の完了予定は2019年度です。これは、複数年に及ぶ工事の契約は「国庫債務負担行為」となり、その上限が5年と決められている為に、本体工事について2014年度から2019年度までという本来の工期の契約をできないという事情によるものです。
 関東地方整備局の説明によれば、本体工事は国庫債務負担行為の上限5年以降も行われることになっており、その後の工事は随意契約で結ぶとのことです。昨日の報道では、関東地方整備局の記者発表をそのまま受け取って、これまで完了が2019年度とされた本体工事が2018年度に前倒しされると伝えた記事もありました。記事が伝える関東地方整備局の説明では「工期の短縮」が強調され、「国庫債務負担行為」の事情は出てきません。

 八ッ場ダム事業では、関連事業費が膨らんだため、残された本体工事費が圧縮されています。関東地方整備局は、当初の想定よりダムサイト予定地の地質がよかったため、本体の規模を縮小することが可能となったと説明していますが、地質の専門家の中には関東地方整備局の判断は甘すぎると指摘する声が少なからずあります。
 八ッ場ダム事業は遅れに遅れており、事業費を負担する関係都県や事業の犠牲になってきた地元から不満が絶えませんから、関東地方整備局が事業を急ぐのはわかりますが、安全がないがしろにされれば、取り返しのつかない災害を誘発する危険性があります。
 今回の入札公告について、地元の群馬県知事、長野原町長からダムの早期完成を期待する歓迎のコメントが寄せられていますが、入札公告の内容はすでに公表されている工程表どおりに本体工事の着手をめざすための手続きであり、完成が早くなることを意味するものではありません。関東地方整備局によるその場しのぎの甘い予測に依拠する限り、地元は翻弄され続けることになってしまいます。

◆2014年1月9日 上毛新聞
ー八ッ場本体工事 入札 8月4日までー

 国土交通省関東地方整備局は8日、八ッ場ダム本体工事の入札を官報に公告した。8月4日に入札を締め切り、6日に開札、7日に落札者を決定する。
 公告によると、入札は価格と工期短縮の技術提案、施工体制を総合評価する。技術提案は、97日以上短縮できる会社が対象となり、短縮日数が最大の社に加算点70点、それ以外の社には日数に応じて案分した点数を与える。
 技術提案の点数に標準点(100点満点)、施工体制評価点(30点満点)を加えた合計を、入札価格で割った数値が最も高い社が落札となる。公告された工期は2018年10月1日まで。この後に関連工事や試験湛水が行われる。ダム建設の基本計画では、完成は19年度の予定。

◆2014年1月9日 東京新聞群馬版
ー八ッ場ダム 8月にも契約締結ー

 国土交通省関東地方整備局は8日、八ッ場ダムの本体建設工事の入札契約手続きを開始した。工事概要は、ダム本体の建設や地盤の掘削などで、規模は50億円以上となる。
 入札締め切りは8月4日。同6日に開札し、翌7日に落札業者が決まる予定。整備局は通常、締め切りから2週間ほどで業者と契約を交わす。今回は8月中旬~下旬にも契約が締結され、その後、着工となる見込み。
 工期は約50カ月。整備局はさらに工期を短くする提案を入札参加業者から募り、入札額と合わせた総合評価で落札業者を決める。
 契約上の工期は公共工事の契約限度の5年度内に収めている。ただ、実際にはこの工期では終わらないといい、残る部分は今回の落札業者と随意契約を結ぶ予定。完成予定は2019年度。大沢正明知事は「最大限、工期短縮に努力していただきたい」とコメントした。 (伊藤弘喜)

◆2014年1月8日 日本経済新聞政治面
 http://p.tl/IuSV
ー八ツ場ダム、本体工事開始へ 8日入札手続きー

 国土交通省は7日、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設事業で、ダム本体の入札契約手続きを8日に開始すると発表した。夏ごろに入札を実施して請負業者を決め、今秋をめどに着工する見通しだ。本体工事は入札手続き中だった2009年、民主党政権の発足に伴い凍結されていた。自民党の政権復帰を受けて約5年ぶりに手続きを再開する。
 本体工事の内容はダム設置予定地の土砂の掘削、材料となる岩の採取、ダム本体の造成、放流ゲートの設置などだ。工期は約50カ月で、19年度の完成を見込んでいる。
 国交省は14年度予算案で、13年度当初予算に比べ1.8%増の99億3100万円を関連事業費として計上した。ダム本体の工事費と、水没予定地の住民の生活再建事業の2種類に分かれる。付け替え道路や用地取得などは生活再建事業として、民主党政権下でも継続していた。

◆2014年1月8日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20140108100580001.html
ー本体工事の入札きょう公告ー

 国土交通省関東地方整備局は、八ツ場ダム(長野原町)の本体建設工事の入札契約手続きを8日から始めると発表した。工期は約50カ月、規模は50億円以上としたものの、「入札参加者から『施工日数の短縮』について技術提案を受ける。内容によっては工期短縮の可能性がある」という。来年度政府予算は案の段階だが、成立を見越して動いた。
 整備局によると、手続きを始めるのは基礎掘削や骨材(建設のための石や砂)採取、堤体工、機械設備などのダム本体分。8日に入札公告する。落札や契約締結は、来年度予算が成立した場合を条件とする。
 昨年末に閣議決定された政府予算案には、群馬など関係都県分も含む八ツ場ダム建設事業費として99億3100万円、うち国費で50億5100万円が盛り込まれた。手続き開始について整備局の担当者は「関係都県や地元住民などからの要望も踏まえ、早期完成に取り組む」と話した。
 八ツ場ダム計画では、誕生したばかりの民主党政権が2009年10月2日、公告済みだった本体工事の入札手続きを中止。再検証を経て11年12月に建設再開を決めた後も、関連工事費や生活再建事業費だけを予算化・執行してきた。今回の入札手続き再開で、国はダム本体建設に具体的に踏み出すことになる。
 大沢正明知事は「政府予算案内示後、速やかに本体工事の入札手続きが開始されたことは大変喜ばしく歓迎したい」とする談話を発表。工期を短縮し、ダムと地元住民の生活再建事業を早期完成させるよう改めて国に注文をつけた。
 長野原町の高山欣也町長は「待ちに待った本体工事。こんなに早く(入札契約手続きが)始まるとは思わなかった。入札が動き出すということは、ダム完成のゴールが見えたということだ」と歓迎した。(小林誠一、土屋弘)

◆2014年1月8日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20140107-OYT8T01533.htm
ー八ッ場本体、入札手続き開始 国交省ー

 国土交通省関東地方整備局は7日、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事の入札契約手続きを8日から開始すると発表した。政府の2014年度予算案には本体工事費など約99億円が計上されており、今月下旬にも召集される通常国会で審議されるが、同局は「予算成立を前提に前倒しで手続きを行うことで、早期完成につなげたい」としている。
 8日に官報公告し、夏頃に入札を実施。一般競争の「総合評価落札方式」で行い、応札金額に、入札参加者が行う「施工日数の短縮」に関する技術提案を加味して落札者を決定する。一般的には入札から2週間程度で落札者が決まるという。
 同局は工事規模を50億円以上、工期は契約締結から約50か月としたが、「提案内容によっては工程が短縮できる可能性がある」(同局河川部)という。
 国交省が昨年11月に基本計画を見直し、工期を2019年度まで4年延長した際、群馬県など利根川流域自治体から同意の条件として早期完成を求める声が相次いだことを踏まえた措置という。
 入札契約手続きの開始に、地元からは歓迎の声が上がった。長野原町の高山欣也町長は「待ちに待った話。本体工事が始まれば、ゴール(完成)が見える。工期を少しでも短縮してほしい」と話した。ダム完成後に水没する川原畑地区の野口貞夫さん(70)は「新年度予算の成立を待たずに、入札契約手続きに入ってもらえるのはありがたい。一日も早くダムを造るためにいいことだ」と喜んだ。
 大沢知事は「速やかに入札契約手続きが開始されたことは大変喜ばしく、歓迎する。最大限工期短縮に努力して1日も早くダムを完成させていただきたい」などとコメントした。

◆2014年1月8日 上毛新聞 (ネット記事では後半が省略されています。)
http://www.jomo-news.co.jp/ns/3113891395991185/news.html
ー八ツ場ダムの入札きょう公告  18年にも堤体完成ー

 長野原町に建設中の八ツ場ダムについて、国土交通省関東地方整備局は7日、ダム本体の建設工事の入札を8日付の官報で公告すると発表した。手続きが順調に進めば、工期はことし秋から約50カ月間となり、2018年中には高さ116メートルの堤体が完成する。同局は入札する建設各社から施工日数を短縮する技術提案を募り、金額と合わせた総合評価で落札者を決める。堤体完成後も関連工事は続くが、建設業社の提案によっては、ダム建設の基本計画で19年度としている完成時期が早まる可能性もある。
 八ツ場ダムの建設費を盛り込んだ14年度予算案を審議する通常国会は24日召集の予定だが、同局はダムの早期完成のため入札手続きを先行させる。
 工事概要はダム予定地の土砂を取り除き岩盤を露出させる「基礎掘削」、コンクリートの材料となる石や砂を近くの山から集める「骨材採取」、コンクリートを作り、ダム堤体として積み上げる「堤体工」、ダムの放流設備を据え付ける「機械設備等」の4項目。規模は50億円以上となる。
 官報で公告後、入札を希望する建設各社から施工日数短縮の技術提案を受け、ことし夏ごろに入札を行う。一般的には入札後2週間程度で契約し、着工となるため、八ツ場ダム本体工事はことし9~10月ごろまでに始まる見通し。工期を約50カ月としており、ことし9月に始まれば18年11月ごろまでに堤体が出来上がる。その後、関連工事やダムに水をためる「試験湛水」を行い、完成となる。

 大沢正明知事は「14年度政府予算案内示後、速やかに入札手続きが開始されることは大変喜ばしい。最大限工期を短縮し、ダム湖前提の生活再建事業にも全力で取り組んでいただきたい」とコメントした。
 長野原町の高山欣也町長は「こんなに早く(公告が)出るとは思わなかった。これで確実にダム工事が動き、ゴールが見える」と歓迎した。
 本体工事は09年1月9日の官報でも公告されたが、同年8月の衆院選に勝利して誕生した民主党政権がダム建設の中止を表明したため、入札は行われなかった。今回が2回目の公告となる。

◆2014年1月8日 建設通信新聞 関東面
http://www.kensetsunews.com/?p=24119
ー土木、機械を一括発注/WTO八ッ場ダム本体/関東整備局ー

 関東地方整備局は8日、WTO(世界貿易機関)対象となる八ッ場ダム本体建設工事の総合評価一般競争入札(技術提案評価AIII型)を公告する。主要な一般土木と機械設備の一括発注となる。
 申請書は2月10日まで電子入札で受け付け、8月6日に開札する。技術提案(VE提案)には「施工日数の短縮」を設定し、365日以上の短縮を提案した企業には加算点の満点となる70点を加算する。 =1面参照
 参加形態は、単体企業か一般土木工事と機械設備工事の異工種JV。参加資格は、一般土木工事と機械設備工事の資格があり、一般土木の経営事項評価点数が1200点以上。
 同種工事の実績は、1998年度以降に、▽RCD工法か拡張レア工法による堤高70m以上の重力式コンクリートダム本体工事▽ダム用水門設備のラジアルゲートか設計水深25m以上のローラーゲートで、ゲート設備全体のシステム設計を行い、主要機器を自社工場で製作し、設備全体を施工した実績▽ダム用水門設備の選択取水設備でゲート設備全体のシステム設計を行い、主要機器を自社工場で製作し、設備全体を施工した実績--の3項目。
 総合評価は、標準点100点、施工体制評価点30点、加算点70点。このうち加算点は、「施工日数の短縮」の技術提案(VE提案)で評価。97日以上の短縮を可能とする提案から加点し、参加者のうち最大の短縮日数を提案し、なおかつ365日以上を可能とする企業に70点を与える。
 概要は、型式が重力式ダム。堤高116m。一般土木工事は、ダム土工が約60万m3、原石山土工が約110万m3、堤体工が約90万m3、基礎処理工が約2万3000m、法面工一式、仮設工一式。
 機械設備工事は、ダム用水門設備製作、据付が各一式となる。主な資機材は、セメント約14万7000t、鉄筋約1300t、鋼材約4000t。工期は18年10月1日まで。
 工事場所は、左岸が群馬県長野原町大字川原畑字八ッ場、左岸と原石山が同町大字川原湯字金花山。