国交省八ッ場ダム工事事務所は昨年11月17日、下記のように「本体掘削50%達成」との記者発表を行いました。
 本体工事の基礎岩盤の掘削の総量60万立方メートルのうち、11月19日には掘削量が30万立方メートルに達するという趣旨でした。
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000636098.pdf

 最初の八ッ場ダムの基本計画(1986年)では、基礎岩盤の掘削量は149万立方メートルでしたが、2008年の計画変更により、八ッ場ダムの堤体規模は大幅に縮小され、基礎掘削量は68万立方メートルに減らされました。その後、掘削量をさらに減らすことにしたという発表はありませんでした。
 このため、当会はホームページで基礎掘削量が60万立方メートルになっていることについて疑問を投げかけ、基礎掘削量がどのような経緯で60万立方メートルに減らされたのかを知るために情報公開請求手続きを行いました。

 1月6日、情報公開請求に関して国交省関東地方整備局河川工事課の荒井氏より電話で以下の説明がありました。

 「68万立方メートルは概略設計の段階の数字であって、本体工事の入札公告の時に設計値、約60万立方メートルにした。したがって、68万立方メートルを60万立方メートルに変えた資料はない。」

 国交省の説明によれば、149万立方メートルから半分以下の68万立方メートルに縮小させたのは、予想以上に岩盤が頑丈であったから、とのことですが、岩盤が実際に頑丈であるかどうかは不明です。基礎岩盤の掘削量を減らすことによって、本体工事で使用するコンクリート量が減少し、本体工事費は当初計画より大幅に安くなりますが、それだけ安全性が問題となります。
 68万立方メートルから60万立方メートルへ、基礎掘削量の更なる減少によって、ダム本体の安全性は確保できるのでしょうか?

 JETROのサイトで60万立方メートルという数字が示された八ッ場ダム本体工事の入札公告の資料を見ることができます。
(60万立方メートルの数字の部分がわかるように、便宜的に太字にして転載しました。)

JETRO 政府公共調達データベースより転載
https://www.jetro.go.jp/cgi-bin/gov/govj010e.cgi
入札公告(建設工事) 2014年1月8日(官報掲載日)

次のとおり一般競争入札に付します。                 
 なお、本入札に係る落札及び契約締結は、当該工事に係る平成26年度本予算が成立し、予算示達がなされることを条件とするものです。       
 
平成26年1月8日                       
支出負担行為担当官 関東地方整備局長 深澤 淳志              
◎調達機関番号 020 ◎所在地番号 11
              
1 工事概要                             
 (1) 品目分類番号 41 
                    
 (2) 工事名 八ッ場ダム本体建設工事(電子入札対象案件)  
   
 (3) 工事場所                          
  左岸:群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑字八ッ場地先         
  右岸:群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯字金花山地先         
  原石山:群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯字金花山地先  
      
 (4) 工事内容                          
   型式 重力式ダム                        
   堤高 H=116m                       
  1)一般土木工事                         
    ダム土工 約600,000立方m               
    原石山土工 約1,100,000立方m            
    堤体工 約900,000立方m                
    基礎処理工 約23,000m                 
    法面工 1式                         
    仮設工 1式                         
  2)機械設備工事                         
    ダム用水門設備製作 1式                   
    ダム用水門設備据付 1式  
                 
 (5) 工期 契約締結の翌日から平成30年10月1日まで。
     
 (6) 使用する主要な資機材                    
   セメント 約147,000t、鉄筋 約1,300t、鋼材 約4,000t (以下略)

—転載終わり—

 基礎掘削でえぐられた吾妻渓谷左岸。土砂の崩落を防ぐためか、掘削面の上部をコンクリートで覆っている。八ッ場ダム本体工事の作業ヤードには、コンクリート製造機と骨材ビンが設置され、6月から始まる予定の本体工事のコンクリート打設の準備が進められている。(写真=2016年1月4日撮影)
左岸の岸壁にコンクリート (2)