2013年5月17日

 今朝の地元紙、上毛新聞が一面トップに「八ッ場 来年度にも着工」という大見出しを打って、八ッ場ダム本体の関連工事入札のニュースを伝えています。
 民主党政権の発足により、一旦はダム計画の見直しが行われることになりましたが、河川官僚の抵抗により他の全国のダム同様、八ッ場ダム事業は推進されてきました。ダム本体工事は着手されていませんが、すでに八ッ場ダム事業には4千億円以上の税金が投入されています。

 国交省関東地方整備局のサイトには、入札公告に関する記者発表資料が掲載されています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000078561.pdf

 上記2ページ目に本日、入札公告のあった本体関連の工事位置図が載っています。位置図によれば、名勝・吾妻渓谷上流部の左岸側が作業ヤードをつくるために約15カ月をかけて掘削されることになります。また、ダム本体の骨材をとるために、川原湯地区の背後の山の反対側に位置する東吾妻町大柏木地区で骨材プラントヤードと工事用道路がつくられることになっています。

 上毛新聞では社会面でダム予定地を抱える長野原町の有力者らがダム事業の遅れを取り戻してほしいと、ダムの早期完成を望む声を伝えています。
 2009年に発足した民主党政権は、八ッ場ダム本体工事の中止を宣言しましたが、関連工事は止めませんでした。従って、この4年間、関連工事は政治の影響をほとんど受けることなく進められてきました。
 工事の遅れは、政治による遅れではなく、ダム事業そのものが抱える地形や地質、計画のずさんさなどの問題による遅れです。
 しかし、こうした問題や矛盾は先送りにされたまま、何事もないかのように事業は進められています。

◆2013年5月17日 読売新聞社会面
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130517-OYT1T00271.htm?from=ylist

 -八ッ場ダム、本体工事向け契約手続き開始へー

 本体工事の見通しが立っていない八ッ場ダム(群馬県長野原町)について、国土交通省関東地方整備局は、本体工事の実施に必要な関連工事の契約手続きを17日に開始すると発表した。

 手続きが始まるのは、資材搬入などに使う工事用車両専用の道路整備と、作業スペースの造成、工事用プラントを設置する場所の造成の3工事で、それぞれ2億~3億円規模。17日に入札に参加する業者を募集する入札公告を行う。

◆2013年5月17日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW1305171000001.html

 -八ツ場ダム 本体関連工事ー

 国土交通省関東地方整備局は16日、八ツ場ダム(長野原町)の本体関連工事の契約手続きを17日から始めると発表した。2009年に民主党への政権交代で工事が止まって4年近く。予算成立と河川整備計画策定の翌日、政府はダム建設に向けて素早く動いた。

 整備局によると、契約手続きを始めるダム本体関連工事は、大柏木地区の工事用道路の改良(工期約6カ月、2~3億円未満)、同地区の骨材プラントヤード造成(工期約9カ月、2~3億円未満)、川原畑地区の作業ヤード造成(工期約15カ月、2~3億円未満)の3種類。

 17日に入札公告するが、工事が始まるのは今夏ごろの見込みだ。

 15日成立した今年度の政府予算には、八ツ場ダムの本体関連工事費として約18億円が盛り込まれた。国交省は、「八ツ場ダムを建設」と明記した利根川・江戸川河川整備計画も同日策定したことから、環境が整ったと判断した。

 八ツ場ダムは、2009年1月にダム本体工事の入札が公告されたが、民主党政権の誕生で同年10月に中止を公告。道路や代替地整備などは生活再建事業として続いたが、ダム本体は関連工事も含めて4年近く止まっている。

 長野原町の高山欣也町長は16日、朝日新聞の取材に「ほっとしてはいるが、4年前に戻っただけ。国は、関連工事と並行してダム本体工事の準備を進め、遅れを取り戻してもらいたい」と話した。

 大沢正明知事も同日の談話で、「大変喜ばしく歓迎したい」とした一方、「地元住民が将来の目標に向かって生活設計が進められるよう、ダム本体完成までの工程を明らかにし、生活再建事業の早期完成に全力で取り組んでいただきたい」と国への注文も忘れなかった。(小林誠一)


 16日夜、八ツ場ダムの水没5地区の住民代表による連合対策委員会が現地の国交省の施設であり、国、県、町から今年度の事業予定などの説明を受けた。

 終了後、対策委の萩原昭朗委員長はダム本体関連工事の契約手続き開始について、「当然、昔から造ると言っていた話で、遅れただけだから」と取材に話すにとどまった。

 この日、国の担当者は住民が提案したダム周辺に1万本の桜を植樹する計画の進め方や、追加で代替地の分譲を希望する場合のルールづくりなどを提案した。

◆2013年5月17日 上毛新聞
 http://www.jomo-news.co.jp/ns/7613687159224353/news.html

 ー八ッ場 来年度にも着工ー

 国土交通省は16日、2014年度にも長野原町の八ツ場ダムの本体工事に着手する方針を固めた。17日には前段となる本体関連工事の入札を公告し、民主党政権下で止まっていた契約手続きを2009年9月以来、3年8カ月ぶりに再開する。本年度の政府当初予算には関連工事が計18億円計上されており、今後も順次執行し、各工事の進み具合を見ながら本体着工時期を詰める。

 公告する関連工事は、山から切り出した岩を使ってコンクリートの材料となる石を造る「骨材プラント」の用地造成、コンクリートを練る「作業ヤード」の用地造成、工事用道路新設の3工事で、いずれもダム本体の堤体を造るための準備工事に当たる。予算額はそれぞれ2~3億円。17日に同局のホームページなどに公告する。一般的には入札などを経て、2~3カ月後に受注業者が決まり、その後9~15カ月で完成する見込み。

 本年度予算の八ッ場ダム建設事業費97億5千万円のうち18億円が本体関連工事で、堤体工事を行うために川の流れを迂回用トンネルへ切り替える工事なども予定している。生活再建事業には湖面1号橋など付け替え道路の整備、JR吾妻線の付け替え推進、代替地の造成、移転補償費など69億5千万円を計上している。

 国は関連工事や本体工事の入札を進めてきたが、09年9月に政権交代を果たした民主党がマニフェスト(政権公約)に従って建設中止を表明。10,11年度は本体関連工事を予算化せず、12年度は18億円を予算化したが執行しなかった。

 大沢正明知事は「予算成立後、速やかに本体関連工事がスタートし、大変喜ばしい。地元住民が生活設計を進められるよう、完成までの工程を明らかにし、生活再建事業の早期完成に全力で取り組んでほしい」とコメントした。
 
 ダム建設見直しを求めている八ッ場あしたの会の渡辺洋子事務局長は「地元住民の生活や景観に悪影響を与え、地滑りの危険性を高めるダムは、将来への負の遺産になる」と話した。

◆2013年5月17日 上毛新聞社会面

 -早期完成へ期待 「最終ゴール見えた」/「一日も早く進めて」 八ッ場 来年度にも着工ー

 国土交通省が2014年度にも八ッ場ダム(長野原町)の本体工事に着手する方針を固めた16日、地元の長野原町では、ダム工事が大きく進展する見通しとなり、「これで最終ゴールが見える」と歓迎の声が上がった。一方、「ダムは造って当然。遅れているだけ」とする冷やかな意見も。夜には水没予定地区住民らでつくる八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会(萩原明朗委員長)の会合も開かれ、生活再建事業の新たな方針が示された。

 「政権が変わり、やっと前進だ。一日も早く本体工事を進めてもらいたい」。水没関係5地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長は、関連工事の開始を評価した。

 ただ、政治に翻弄されてきた水没地区には厳しい意見も多い。連合対策委の萩原委員長は、「当然造るべきものが遅れているだけの話」と淡々と話した。川原畑地区八ッ場ダム対策委員会の野口貞夫委員長も「ダム工事が)進んだというより、やっと動き出したという感じ。本体に早く着手してほしい」と注文した。

 高山欣也町長は「本体着工となれば、生活再建のスケジュールも立てられる。ただ、がっかりさせられることにも慣れているので、ぬか喜びはしない」と厳しい表情を崩さなかった。その上で、「着工までの時間を早めてもらうよう働き掛けていきたい。止まっていた4年間を取り戻してほしい」と要望した。

 また、この日の連合対策委の会合では、国と県、町の担当者が、ダム関連工事の実施状況や今後の予定について説明した。
 県八ッ場ダム水源地域対策事務所は、川原湯、川原畑両地区の代替地を結ぶ湖面1号橋について「進捗状況は3月末現在で約70%と報告。利用開始は来年秋の予定。橋桁が併合する8月ごろに記念式典を計画していることや、橋の名称を両地区住民から募集することを説明した。
 国交省八ッ場ダム工事事務所は、ダム湖畔にさくら1万本を植える構想について説明し、今後の内容を協議するプロジェクト準備室の発足が承認された。

◆2013年5月17日 産経新聞群馬版
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130517/gnm13051702080004-n1.htm

 -八ツ場ダム着工 きょう入札公告 長野原町長「遅れ戻して」 ー

 平成25年度予算の成立を受けて、17日から関連工事の業者選定が始まることで、民主党政権で迷走を続けた八ツ場ダム(長野原町)がようやく、本体工事に向けて動き始める。

 本体関連工事は今夏、実に4年ぶりに着手できる見込みで、地元の推進派から歓迎の声が聞かれた。

 長野原町の高山欣也町長は16日、「4年間頓挫していた事業が再開したことは喜ばしいこと。遅れを取り戻すべく努力してほしい」と話した。

 大沢正明知事も歓迎のコメントを出し、「必要なことはダムの早期完成だ」と国に積極的な取り組みを求めた。

 知事は「本体関連工事を行っている間に、本体着工に向けた準備を進め、そのために必要な基本計画変更の手続きに着手すべきだ」と強調。関連工事の完了後に、間断なく本体着工に移るよう求めた。

 国土交通省の関東地方整備局は本体関連工事について、「一般的には2~3カ月で契約を結ぶ。夏ごろには工事に着手できるのでは」と見込んでいる。