今朝の上毛新聞に、国交省当局が八ッ場ダムの完成が遅れることを明らかにしたとの記事が掲載されました。
 八ッ場ダムの完成が2020年度以降にずれ込むことは、すでに国交省関東地方整備局による八ッ場ダム事業の検証過程における公表資料や前田武志元国交大臣による国会答弁で明らかになっていることですが、東京都などの関係都県はいまだに工期の延長を認めていません。国交省関東地方整備局は事業費の増額の試算も出しており、ダム事業を続けるのであれば、関係都県の了承を得て八ッ場ダムの基本計画の変更をする必要があります。

 記事によれば、国交省の局長は民主党政権のダム検証のせいで事業が遅れていると釈明していますが、これはダム計画の失敗を隠すための稚拙なウソというべきでしょう。
 2009年の政権交代以前、国交省は八ッ場ダムの本体工事に着手しておらず、政権交代後も関連事業は自公政権と同様に行われてきたからです。事業費の9割以上を占める膨大な関連事業は、自民党を支持する土建業者に税金を配分する役割を果たしているものの、今も完了のメドが立っていません。ダム予定地を走るJR吾妻線の付け替えもまだ完了していません。八ッ場ダム事業の遅延は、国交省による無理なダム計画そのものにあります。

 
 この記事の上に掲載されている今日の一面トップ記事は、昨日の国研究所による人口推計に関するもので、「2040年推計 県人口162万人に 減少率関東最高 3町村1000人割れ」という見出しです。
 以下のネット記事は一部のみの掲載で、新聞記事では群馬県内各市町村の人口推計と高齢化率も掲載されています。それによれば、八ッ場ダム予定地を抱える長野原町の2040年の推計人口は3,547人、高齢化率は現在の28.7%から46.7%に上昇するとされています。
 http://www.jomo-news.co.jp/ns/3213643969138234/news.html

 人口増大時代を想定した八ッ場ダム事業は、今後地元にとっても下流都県にとっても、ますます重荷になってくることは確実です。

 記事を転載します。

◆2013年3月28日 上毛新聞一面より転載

 -八ッ場ダムで国交省局長 15年度完成困難ー

 八ッ場ダム建設について、国土交通省は27日、基本計画で示された2015年度の完成が困難との見通しを示した。国会内で開かれた自民党の八ッ場ダム推進国会議員連盟の会合で同省水管理・国土保全局の足立敏之局長が明らかにした。

 足立局長は「ダムの検証などで4年を費やした。その分、計画が遅れざるを得ない」と説明。今後については「標準工程で八十数カ月かかるが、コスト縮減や工期短縮を含め、よく工程を精査し、できるだけ早い時期の完成を目指したい」と話した。

 同議連は佐田玄一郎氏が会長、小渕優子氏が事務局長を務める。佐田氏は「地元の方々は3年半の間、不安に満ちた生活を送ってきた。一日も早く完成させ、1都5県の治水利水を確固たるものにしなければならない」と述べた。

 八ッ場ダムをめぐっていは、太田昭宏国交相が昨年12月の就任会見で「建設推進」を表明。民主党政権時に官房長官裁定でダム本体工事の予算執行条件となった利根川水系の河川整備計画の策定を含め、作業を急ぐ考えを示している。新年度政府予算案には本体関連工事に18億円、生活再建事業に八十億円を計上している。