昨日、八ッ場ダム事業を進める国交省関東地方整備局は、土地収用法にもとづく用地取得を視野に入れた事業認定の手続きを開始することを発表しました。
 この事業認定手続きは、当初は事業地内に残る共有地を国が取得する為に行うという説明がなされていました。ダム予定地には、かつて地区で役員らの名前で共有した土地が少なからず残されています。川原湯地区では、新しいJR川原湯温泉駅前や、JR川原湯温泉駅と打越代替地を結ぶ新たな町道のルートに共有地があるとされています。
 しかし、今回の発表では、交渉を重ねている一部の土地の用地取得が困難であることが土地収用法の申請手続きを始める理由であると説明されています。
 これまで国も関係都県も、地元住民がダムの早期完成を願っていることをダム推進の錦の御旗にしてきましたが、実際には多くの住民が苦渋の決断を迫られてダム予定地域からやむなく転出しています。
 水没予定地に今も暮らし続けている住民らに対して、国は代替地への移転を強く求めてきましたが、国が造成中の代替地は、地すべりの発生、有害スラグ問題の発覚など、多くの問題を抱えています。移るに移れない住民らに対して、国はダムの「公共性」を理由に立ち退きを迫っています。

 関東地方整備局のホームページより
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/yanba_00000043.html
 記者発表資料
 平成27年 01月14日
 「一級河川利根川水系八ッ場ダム建設工事の事業認定申請に向けた説明会を開催します。」   
 八ッ場ダム工事事務所
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 一級河川利根川水系八ッ場ダム建設工事については、これまで多くの地権者のご協力を得て、平成26年12月末現在で約92パーセントの用地を取得し、順次工事を実施しているところです。
 残る用地については、地権者の方々との交渉を重ねているところですが、一部の土地において、現時点では任意取得が困難な状況となっています。このため、任意での交渉だけではなく、土地収用法に基づく用地取得も視野に入れ、所要の手続きに着手することとしました。
 つきましては、事業認定申請に向け、土地収用法第15条の14に基づき、当該事業の目的及び内容に関する説明会を下記のとおり開催することとしましたのでお知らせします。

 開催日時:1月24日(土) 14時~15時30分(受付開始:13時30分)
 会場:長野原町総合運動場 若人の館
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 関連記事を転載します。

◆2015年1月15日 朝日新聞群馬版
 http://digital.asahi.com/articles/ASH1G5GYLH1GUHNB00N.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH1G5GYLH1GUHNB00N
ー群馬)八ツ場ダム未取得地 国が土地収用法の申請に着手ー

 国土交通省は、八ツ場ダム(長野原町)の水没予定地にある未取得用地の強制収用を可能にするため、土地収用法に基づく事業認定の申請手続きに着手することを決めた。同省八ツ場ダム工事事務所が14日、申請の前提となる説明会を24日に開くと発表した。

 国交省によると、水没予定地のうち、昨年末までに約92%を取得した。ただ、今もなお移転に応じていない住民がいるほか、相続を繰り返したため権利が複雑になり、所有者と連絡が取れていない土地もあるといい、「一部の土地は任意取得が困難な状況」と判断したという。

 同事務所は「ダム本体が完成しても、未取得用地があれば水はためられない。本体工事も進むため、準備する」としている。

 土地収用法は、「高い公共性を有する」と認められた事業について、用地を強制収用する手続きを定め、事業認定を申請する場合は事前に利害関係者に説明することを求めている。

 国交省は説明会を経て、ダムの水没予定地を事業範囲として、国交相に事業認定を申請する。認められれば、県収用委員会に明け渡しの申し立てができるようになる。収用委員会の審査を経て、土地の明け渡しと補償の支払いが行われる。

 説明会は24日午後2時から長野原町与喜屋の長野原町総合運動場の「若人の館」であり、誰でも参加できる。

■事業費119億円盛る、新年度の政府予算案

 14日に閣議決定された2015年度政府予算案に、八ツ場ダムの建設事業費119億2500万円が盛り込まれた。全体では公共事業関係費が14年度当初予算からほぼ横ばいとなる中で、八ツ場ダムの事業費は増加となった。

 決定額は国交省の概算要求通りで、本体工事費や移転のための用地補償費などを計上している。内訳について、財務省や国交省は「実施計画で明らかになる」としている。

 また、国交省は14日、八ツ場ダムの起工式を2月7日午前11時から長野原町の「若人の館」で開くと正式に発表した。長野原町や東吾妻町の関係者、大沢正明知事ら関係都県の知事、国会議員らを招き、くす玉割りやくわ入れ式を行う予定だという。大沢知事は「誠に喜ばしい。今後、一日も早くダムが完成することを国に要求していく」などとした談話を発表した。(井上怜)

◆2015年1月15日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/9514212840173657/news.html
ー八ツ場ダム用地取得を加速 国交省、法的手続き着手 ー

 八ツ場ダム(群馬県長野原町)の本体工事本格化を前に、国土交通省八ツ場ダム工事事務所は14日、水没予定地の用地取得を加速させるため、強制収用を可能とする土地収用法に基づく作業に入ると発表した。国は昨年12月末時点で予定地の約92%を取得したが、地権者が国外にいたり、不明な土地が残っている。作業は、主にダムへの「試験湛水(たんすい)」が始まるまでに用地取得するための措置。
 
 24日に同町内で関係者への説明会を開く。同事務所が国土交通相から事業認定を受け、県収用委員会の採決を経て、用地を取得する流れ。交渉中の地権者に対しては、できる限り話し合いを続けるという。

 一方、同事務所は2月7日に同町内で本体工事の起工式を開くことを明らかにした。本体工事は今月21日から基礎掘削に着手する予定。大沢正明知事は「一日も早いダム完成を引き続き国に求める」とコメントしている。

◆2015年1月15日 毎日新聞群馬版
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150115ddlk10010195000c.html
ー八ッ場ダム:完成へ動き加速 本体工事など、来年度予算案119億円 /群馬ー

 政府が14日に閣議決定した2015年度予算案に、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事と生活再建関連予算として約119億円が盛り込まれた。21日からはダムの基礎掘削工事がスタートし、事実上の本体工事に入る見込み。建設予定地内の未買収用地については、強制収用につながる手続きが始まる。度重なる工期延期や建設中止宣言などの紆余(うよ)曲折を経た八ッ場ダムは今年、完成に向けた動きが加速しそうだ。【角田直哉】

 国土交通省は当初、昨秋の本体工事着工を目指していたが、大雨の影響で吾妻川を迂回(うかい)させる工事に遅れが生じ、年明けにずれ込んだ。ダム完成は予定通り「2019年度中」を見込む。

 国交省八ッ場ダム工事事務所によると、これまでに約92%の用地を取得済み。残る一部の用地については地権者との交渉による任意取得が難しく、土地収用法の適用も視野に入れた手続きを始めるという。

 水没予定地には移転を拒んで住み続けている住民もいる。土地収用法では、国交相から事業認定を受けて正当な補償など所要の条件を満たせば、公共目的で強制収用して住民を立ち退かせることができると定めている。国交省は、事業認定申請に向けた説明会を24日午後2時から長野原町与喜屋の町総合運動場・若人の館で開催する。八ッ場ダム工事事務所は「幅広くダム事業の必要性について理解を求める」という。

 一方、地元から要望が出ていた起工式については、2月7日午前11時から若人の館で開催することが決まった。大沢正明知事は起工式について「大きな節目であり誠に喜ばしい。今後、工事が着実に進み、一日も早くダムが完成することを引き続き国に要求していく」との談話を発表した。

◆2015年1月16日 東京新聞群馬版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150116/CK2015011602000178.html

ー八ッ場ダム 土地収用手続きへ 24日に地元説明会ー

 国土交通省は十四日、長野原町の八ッ場(やんば)ダムで、強制収用を可能とする土地収用法の適用に向けた手続きに着手すると明らかにした。ダム本体の完成までに所在不明の地権者が多数いる共有地の取得を目指すという。

 土地収用法に基づいた事業認定を申請するため、二十四日に地元で地権者や住民らに対し、事業の説明会を開く。

 国交省によると、昨年末までに、ダムに必要な用地のうち約92%を取得している。担当者は「現在連絡の取れる地権者の土地については、あくまで話し合いでの任意取得を目指す」としている。

 八ッ場ダムは二十一日、ダム本体のコンクリート打設に向けた基礎掘削工事を始め、事実上の本体工事に着手する。事業完了は二〇一九年度の見込み。

 八ッ場ダムをめぐっては、〇九年に民主党政権が建設中止を表明し、入札を凍結した。その後、中止方針を撤回し、国は昨年八月、清水建設など三社の共同企業体(JV)と契約した。

    写真=八ッ場ダム水没予定地
八ッ場大橋から上流望むshuku