2013年3月11日

 3月8日に開かれた第10回利根川・江戸川有識者会議の配付資料が国交省関東地方整備局のホームページに掲載されましたので、お知らせします。

http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000218.html

 掲載資料の中で河川整備計画の原案などの資料は、すでに公開されている資料です。
 今回、初めて公表された資料は、6の「事前にいただいたご意見」です。会議に出席できなかった委員らが事前に提出した意見です。このうちマスコミ委員のお二人の意見は、国交省関東地方整備局によるこの間の利根川の河川整備計画の策定を見守っている人々の多くが感じていることを的確に、分かり易くまとめています。
 以下に転載します。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000075844.pdf

◆川上俊也委員(茨城新聞社編集局次長)

 河川整備計画の原案について、その決定に至るまでの経緯と会議の論点にに
ついて意見を述べます。

 [河川整備計画の原案の公表に至る経緯について]  
 河川整備計画の原案については、1月29日に送信されてきた事務局からのメールで「原案を作成し、本日、記者発表する」とする内容が伝えられました。その時点では、それまでの有識者会議での意見集約が終わったのかどうか判然としておらず、さらに、会議での意見がどのように反映されたのかも全く分からないままで、原案の公表は寝耳に水の印象でした。この日以前は、会議を開くためとして委員の日程確認を事務局が何度も繰り返していただけに、原案が固まる前に会議が開かれるものとばかり思っていました。このタイミングでの原案の公表はあまりに唐突で、驚きとともに不信感さえ覚えました。計画原案の公表に至る経緯を説明していただきたいと思います。

 [会議の論点にについて]  
 以前にも述べましたが、この有識者会議には河川の専門家だけでなく流域のさまざまな分野の方が出席されています。会議では、河川の影響や恵み、住民の思いなどについての意見をそれぞれの立場から述べることで、よりよい河川の整備計画ができるのではないでしょうか。今回は、設定された目標流量の是非のみが論点でした。流量の是非のみの意見集約を行うのであれば、この会議ではなく、専門的知見を有した方に絞った「専門家会議」のような場を設けて、その是非を諮問するのが妥当ではないでしょうか。さらに、その会議で何が論点になるのか(今回の場合なら流量の是非)を明確にしてから委員を招集すべきだと考えます。

◆須田 雅彦委員〔上毛新聞社論説副委員長)
 東日本大震災、福島第1原発事故の発生から間もなく2年になります。「未曽有」「想定外」の言葉が飛び交い、何が起こるか分からない、何が起こってもおかしくないのが自然界であることを学びました。多くの尊い人命が失われました。利根川・江戸川河川整備計画も、繰り返される容赦ない自然災害から「人の命を守る」ことを最優先の目標にすべきでしょう。

 原案には堤防の整備・強化や河道掘削など、多岐にわたる対策が盛り込まれています。概ね30年間の計画期間ですが、長い期間ですから当然、経済状況や社会情勢、河川環境の変化等により流動的な面もあると思います。緊急度に応じて優先順位を付け、速やかに実施していくことが安全を守るために肝心だと考えますが、具体的に、早急に手当てすべき策は何なのか、あるいは、例えば予算等の理由で計画を縮小せざるを得ない場合、どの対策がどう変わるのかといった見通しなども知りたいところです。