国交省関東地方整備局は埼玉、東京を流れる荒川の河川整備計画の案を2月15日に公表しました。
 この後、計画案について埼玉県、東京都の意見を聴取して、計画の策定ということになります。

●国交省関東地方整備局のホームページより
 「荒川水系河川整備計画(案)」の公表について 
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000236.html 

 荒川の河川整備計画については、昨年12月に原案についての意見募集、公聴会が行われ、原案の問題点を指摘する意見が出されましたが、他の河川整備計画策定の過程と同様、何も変わりませんでした。
 河川整備計画の策定は、河川法の改革を目指したとされる1997年の河川法改正に基づいて始まった手続きです。

 ★国交省のホームページより 河川の整備計画制度の見直し
  http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/gaiyou/seibi/about.html

 制度見直しの本来の趣旨は、パブリックコメント、公聴会などで出された流域住民の意見を反映させた河川整備計画を策定することにより、住民参加を実現させることだったのですが、その後の河川行政の反動化により、現在では手続きそのものが形骸化しています。

・荒川水系河川整備計画(案)
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000640971.pdf

・「荒川水系河川整備計画(原案)」について学識経験を有する者、関係住民等、関係都県からいただいたご意見に対する関東地方整備局の考え方 

http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000305.html

・「荒川水系河川整備計画(原案)」について関係する住民からいただいたご意見
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000640975.pdf 

・「荒川水系河川整備計画(原案)」について関係住民からいただいたご意見(公聴会結果)
 http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000278.html 

 荒川河川整備計画原案の主要な問題点の一つは、中流部に第二、三、四洪水調節池を造ること、もう一つは荒川下流部で両岸合わせて52キロメートルのスーパー堤防が計画されていることです。
 荒川下流部は東京の都心部を貫流しており、もし堤防の決壊が起きれば、凄まじい被害になります。地下鉄が縦横に走っているので、荒川が氾濫した場合の影響は極めて深刻です。ところが、河川整備計画案では、荒川下流部はスーパー堤防を整備することになっているため、堤防強化対策がありません。
 荒川のスーパー堤防の現在までの進捗状況を見ると、何百年経っても、スーパー堤防の整備が終わることはなく、都心部が堤防決壊で壊滅的な被害を受ける危険性が続くことになります。

 治水対策として効果が出るのに莫大な費用と気の遠くなるような年月を要するこうした事業によって成り立つ荒川の河川整備計画の案は、国交省の河川行政の愚かしさを示す象徴的な事例です。