平瀬ダムは山口県が国の補助金で建設中の県営ダムです。

 山口県公式サイトより
「山口県/河川課/錦川総合開発事務所・平瀬ダム」
 http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a18600/hirase_dam/hirase_dam.html

キャプチャ錦川 錦川の景勝地に建設する平瀬ダムは、自然を大きく破壊することから反対運動がありましたが、山口県は建設を推し進めてきました。これまでに事業費が350億円→ 530億円→ 740億円と二度増額されていますが、さる27日に山口県は三度目の増額を公表しました。
写真右=「平瀬ダム問題を考える」(水源開発問題全国連絡会 嶋津暉之)より、平瀬ダムの水没予定地にある錦川の「猿飛びの石庭」。「美しい錦川を未来へ手渡す会」撮影。
 100億円規模の増額があることは、山口県議会ですでに3月に示されていましたが(参照記事:「平瀬ダム、100億円増額へ 膨らみ続ける事業費タイトル)、今回の発表で事業費が120億円増の860億円に膨らむことが明らかになりました。
 現在のダム基本計画では、平瀬ダムの完成予定は2021年度となっていますが、工期も延長される可能性が高いと思われます。

 関連記事を転載します。

◆2017年6月28日 毎日新聞山口版
https://mainichi.jp/articles/20170628/ddl/k35/010/295000c
ー平瀬ダム 地滑り対策に120億円 事業費増、県が計画見直しへ /山口ー

 県は27日、岩国市錦町で県が建設中の平瀬ダムについて、総事業費が当初想定から120億円増え、860億円に膨らむ見通しを明らかにした。新たに地滑り対策などが必要となったためで、県は事業計画を見直す。

 県議会一般質問で藤山一郎土木建築部長が答弁した。県は当初、地滑り対策は必要ないと判断していたが、2009年に関連する国の技術指針が改定され、再調査を実施した。

 その結果、一部カ所で地滑りの可能性があると分かった。また、基礎地盤に想定以上の亀裂も見つかり、地盤改良工事も必要という。資材価格の上昇もあり、総事業費は740億円から120億円増える見通し。

 県は17年末までに、追加工事の必要性や事業費増加について学識経験者でつくる県公共事業評価委員会の意見を聞く。藤山部長は「厳しい財政状況だが、引き続き事業を着実に推進する」と述べた。

 平瀬ダムは、錦川流域で洪水調節や水道用水確保、発電を担う多目的ダムで、1973年度に実施計画調査に着手した。

 総貯水容量は2950万立方メートルで流域の菅野ダム、生見川ダムと合わせた洪水調節容量は現行の2倍に向上し、放流水を使って最大出力1100キロワットを発電する。【松田栄二郎】

—転載終わり—

 山口県は今になって平瀬ダムについて、「地滑りの可能性がある」、「基礎地盤に想定以上の亀裂も見つかった」ことを明らかにしましたが、基礎地盤の対策工事後に行う筈のダム堤体のコンクリート打設はすでに2016年2月に開始され、今年5月末現在のコンクリート打設の進捗率は39.8%となっています。「基礎地盤に想定以上の亀裂」は、遅くとも基礎岩盤の掘削工事を行っていた2015年にみつかっていたのでしょう。コンクリート打設の前に基礎岩盤を強化する対策工事を行ったものの、今まで伏せていたことになります。

「平瀬ダム問題を考える」(水源開発問題全国連絡会 嶋津暉之)より
キャプチャ

 なお、本体工事を受注しているのは、八ッ場ダムと同様、清水建設JVです。ダム堤の規模は国直轄の八ッ場ダムの方がはるかに大きいので一概に比較はできませんが、コンクリート打設の進捗率は、八ッ場ダム事業では5月末で2割程度、工期は2019年度ですから、平瀬ダムより進捗率がかなり遅れていることになります。(清水建設とJVを組んでいる他社は、八ッ場ダム本体工事業者とは異なります)。

◆清水建設サイトより 「最盛期を迎えた平瀬ダム建設工事」2016.12.16
 http://www.shimz.co.jp/news_release/2016/2016043.html

 国営ダムと県営ダムという違いはありますが、八ッ場ダムと平瀬ダムの建設目的は似通っています。

「平瀬ダム問題を考える」(水源開発問題全国連絡会 嶋津暉之)より
平瀬ダム

 平瀬ダムの問題点をまとめたスライドを以下のページでご覧いただけます。
 (水源開発問題全国連絡会共同代表 嶋津暉之作成)
 http://suigenren.jp/news/2013/12/02/5177/

◆「美しい錦川を未来へ手渡す会」Facebook
 https://www.facebook.com/nisikigawa/