八ッ場ダムと同様、利根川水系で国が進めてきた公共事業として、多くの問題を抱える思川開発事業は、南摩ダム建設を中核とした事業です。
 同事業は民主党政権のダム見直し政策により09年に一旦凍結されたものの、16年に国交省が事業継続を決定。今月、工期を2015年度から2024年度に延長する計画変更手続きを行い、本格的に再開することとなりました。
 
 ◆2017年6月11日 下野新聞
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20170611/2718151
ー思川開発、工期を2024年度まで延長 事業、本格再開へー

 地元紙の下野新聞に6月26日付で特集記事が掲載されました。この記事の中で、「思川開発事業を考える流域の会」の代表である伊藤武晴さんがインタビューに応えて思川開発事業の問題点を次のように語っています。

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「思川開発事業を考える流域の会」 伊藤武晴代表

 水収支破綻の「欠陥ダム」

 「事業は治水、利水、環境面で問題がある。
 まず治水効果が低い。南摩ダムは降った雨を集水できる面積が狭く、小山市乙女にある国の観測所でみた場合、水位で5センチ分の洪水調節機能しか見込めない。

 利水についても人口減で水需要が減る中、ダムの無駄は全国で指摘されている。
特に本県は地下水に恵まれた土地柄。安く良質な地下水を使ってきた栃木、下野、壬生の3市町は南摩ダムの水を水道に使えぱ、高くてまずいダムの水を住民が強いられることになる。

 また南摩川は水浴びも難しいほどの小川。そのため黒川、大芦川からの取水に大きく依存するが、両河川には取水制限基準があり、いつでも取水できるわけではない。事業参画する自治体が予定している利水量を供給すれば、頻繁にダムの水が底を突く。水収支が破綻した「欠陥ダム」だ。

 両河川の渇水時には、ダムの水を補給する計画もある。渇水時期のダムにはアオコでよどんだ水しか残っていない。その水で両河川が汚染されるのは明らかだ。」

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キャプチャその2