昨年来、八ッ場ダム予定地の住民の移転代替地に有害な鉄鋼スラグが使用されていたことが大きな問題となっています。
 国交省八ッ場ダム工事事務所は昨年9月以来、広大な代替地の一部を調査し、さらにその一部について有害スラグを撤去することを昨年12月26日に公表しました。

 昨年12月26日の国交省による記者発表については、こちらのページにまとめています。
 http://yamba-net.org/?p=10113 

 国交省と群馬県の対応についての続報をお伝えします。抜本的な解決には程遠い状況です。

◆群馬県公式ホームページより
 大同特殊鋼(株)への聞き取り調査の結果について(建設企画課)(2015年1月26日)
 https://www.pref.gunma.jp/06/h8000236.html 
 
 上記ページには、問題となっている大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグの使用が確認された25工事のリストが掲載されています。
 このリストのうち、22番と23番は八ッ場ダム事業で建設された八ッ場大橋の橋脚工事です。二本の橋脚は、水没予定地の川原湯温泉街の入り口アーケードの両側に聳えており、有害スラグが露出していることが昨年から市民オンブズマン群馬などに指摘されていました。現在、これらの橋脚周辺は、二本の橋脚の間を通っている水没予定地の国道を本体工事のために利用するという名目で、工事関係者以外が入ることを禁じられています。

湖面1号橋看板shuku 建設中は湖面1号橋と呼ばれた八ッ場大橋。川原湯地区の対岸の川原畑地区では、地質が脆弱なところに橋脚が造られたため、安全性が懸念されている。(2012年11月18日撮影)

 八ッ場大橋は昨年10月に開通しました。2009年に発足した民主党政権は、八ッ場ダム本体工事の中止をめざす中で、八ッ場ダム湖予定地に架かる四本目の湖面橋となる八ッ場大橋の建設を中止しようとしましたが、群馬県が入札を強行しました。群馬県の対応は、受注業者の利益を守ろうとする自民党群馬県連の意向を反映したものといわれ、当時、地元ではこれに逆らえない空気がありました。
 鉄鋼スラグを使用した橋脚工事は、群馬県の発表によれば2009年に行われたとされていますが、むろん当時は鉄鋼スラグが工事に使用されていたことは知られていませんでした。

 当時の八ッ場大橋をめぐる状況については、こちらにまとめています。
 http://yamba-net.org/genjou/genchi/genchi-20091209/

◆2015年1月27日 毎日新聞群馬版 
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150127ddlk10040215000c.html
ー大同スラグ問題:県工事で新たに25カ所使用確認 /群馬

 大同特殊鋼の渋川工場から出た鉄鋼スラグを巡る問題で、県は26日、新たに25カ所の県工事に同社のスラグを含む材料の使用が確認されたと発表した。
 いずれも環境基準に対する品質規格証明書が提出されており、有害物質の含有の有無の調査までは行わない方針。

 県建設企画課によると、大同への聞き取り調査の結果、2009年度以降の県施工43工事についてスラグの出荷記録があった。
 そのうち25工事は設計書などでスラグの使用を確認。残りの18工事は書類では確認できず、今後追跡調査を実施するという。
 25工事のうち、長野原町川原湯での八ッ場ダム湖面橋の橋脚関連2工事で、スラグが地表に露出しており、今後撤去を進めるという。一般の人が立ち入ることはできない区域。他の施工箇所では主に路盤材などとして使用されていた。【角田直哉】

◆2015年1月27日 朝日新聞群馬版
ー鉄鋼スラグ使用、新たに県の25工事で確認ー

 大同特殊鋼渋川工場(渋川市)が排出したスラグに有害物質が含まれていた問題で、県は26日、県が発注した25工事で新たに同社の鉄鋼スラグの使用を確認したと発表した。別の18工事でも出荷記録があり、引き続き調べるという。

 県建設企画課によると、25工事は2008年度以降に契約した道路などの工事で、設計図書などで使用が確認された。八ッ場ダム建設に伴う付け替え県道の「八ッ場大橋」の工事でも作業用道路に使われており、撤去するという。いずれも環境基準を満たすとする品質規格証明書が県に提出されていた。昨年4月には県工事の27カ所で使用を確認したと発表していた。

◆2015年1月29日 毎日新聞群馬版
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150129ddlk10040269000c.html
ー有害物質:鉄鋼スラグ問題 国、土壌分析試験は来月に終了予定 /群馬ー

 大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグを巡る問題で国土交通省関東地方整備局と県、渋川市による連絡会議の第2回会合が28日、県庁であった。

 昨年12月に八ッ場ダム、国道17号上武道路関連の計27工事で環境基準を超える有害物質が検出されたと発表した国交省は現在、基準を超えた場所で土壌を分析中。

 有害物質の含有量などを調べるための土壌汚染対策法に準じた分析試験が2月中に終了する予定と報告した。【角田直哉】

 閉鎖された水没予定地の国道の頭上に架かる八ッ場大橋。(2014年3月22日撮影)
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