今年6月に国土交通省はダム再生ビジョンを策定しました。
 早速、四国の吉野川の早明浦ダムで再生事業が始まろうとしています。
 これは新規のダム事業がわずかになっている水資源機構の延命策であり、ダム建設業界の仕事を維持するという側面があります。

*国交省ホームページ 「平成30年度 水管理・国土保全局関係 予算概算要求概要」26ページより
http://www.mlit.go.jp/common/001199072.pdf

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◆2017年8月31日 建設通信新聞
https://www.kensetsunews.com/archives/99077
ー新規に早明浦ダム再生/放流設備増設などに400億/水資源機構ー

 水資源機構は、高知県内にある早明浦ダムの再生事業に乗り出す。事業費に約400億円を投じ、放流設備の増設などを実施する。
 2018年度の新規事業に採択され、国土交通省の18年度予算の概算要求に盛り込まれた。同機構における初のダム再生事業となる。28年度の完了を予定する。

 ダムの諸元は、形式が重力式コンクリートダム。堤高106m、堤頂長400m、総貯水容量3億1600万m3、有効貯水容量2億8900万m3となっている。1975年に完成した。

 再生事業では、洪水調節容量を9000万m3から1億0700万m3に増大させるとともに、洪水時の放流能力を増強するために放流設備の増設などを実施する。
 国交省が29日に公表したダム事業の新規事業採択時評価結果によると、費用便益比(B/C)は3.8。第3者委員会が予算化を妥当とし、関係する徳島、高知両県は予算化に同意している。

~~~~~転載終わり~~~~~

 早明浦ダムの総貯水容量3億1600万立方メートルは、八ッ場ダムの総貯水容量の約三倍近くになります。
 今回のダム再生ビジョンでは、洪水調節容量を1700万立方メートル増やす計画です。1700万立方メートルは早明浦ダムの堆砂容量(100年で貯まる予定の土砂量)と同じ数値です。しかし、国交省の開示資料によれば、早明浦ダムは2015年度末時点での堆砂量が1764万1千立方メートルに達しており、ダム完成から42年ですでに堆砂容量を超えています。
(参照:「平成27年度の全国のダム堆砂量のデータ」

 今回のダム再生ビジョンでは、洪水調節容量を1700万立方メートル増やすために、利水容量と発電容量を減らすことになっています。渇水の夏には、早明浦ダムの水位が低下した映像がしばしば全国放送で取り上げられますが、利水、発電の水は余っているのでしょうか?

★水資源機構 2017年08月29日 「早明浦ダム再生事業」の新規事業採択時評価結果及び概算要求について ~水資源機構における初のダム再生事業~

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◆国土交通省 社会資本審議会 河川分科会 小委員会 第9回 事業評価小委員会 平成29年8月10日
 早明浦ダム再生事業 ダム事業の新規事業採択時評価 説明資料