川辺川ダム反対運動に取り組んで来られた川漁師、吉村勝徳さんが登場する記事です。

◆2017年9月9日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/feature/its_best_season/article/357340/
ー“清流”日本一に育まれ 熊本・川辺川の天然アユー

 先月、熊本県内の夏祭り会場で、「川辺川天然鮎(アユ)」と書かれたのぼりが目に留まった。のぼりの下では男性が、薄墨色の美しいアユに、手際良くおどり串を打ち、ひれに白く化粧塩を振って次々と炭火に並べている=写真。

 「川漁師直売だけん、大きさも味も保証付き。いっちょ食べてみんですか」。人懐こい笑顔で話しかけるのは、同県人吉市でアユ問屋を営む吉村勝徳さん(69)。4代続く川漁師。夕暮れに船を出し、網を張る。

 川辺川は、五木五家荘に水源を持ち、人吉で本流の球磨川へと合流する。かつてあったダム建設計画は、川漁師や住民の強い反対で休止。流域にダムがないため河川環境が良く、今年も国土交通省調査で11年連続、水質日本一に輝いた。体長30センチを超える尺アユがすむことでも知られる、太公望憧れの川だ。

 焼き上がったアユを受け取り、そのまま豪快にガブリ。淡泊でさっぱりした味で、背脂の甘みもうまい。「今も太くて味のよかとの取れよっとは、やっぱ川辺川の水質のおかげたいね」と吉村さん。晩酌のお供にと、もう2匹注文した。

 回遊魚で、遡上(そじょう)と流下を繰り返すアユ。ほのかにキュウリやスイカの香りがするため香魚とも呼ばれる。青々としたコケを食べて育つかどうかで色や香り、大きさ、味が大きく変わるという。これからの季節、川辺川で育った美しい清流の女王は、名残を惜しむようにゆっくり下流へ向かう。

 ▼川辺川天然アユ 1キロ(約8~9尾)で5500円。10月中旬から取れる子持ちアユは同6500円。全国発送可。あゆや吉村=0966(24)4222。