カフェ入り口 10月1日、国立駅から徒歩15分ほどの所にある居酒屋キノキュッヘ(木乃久兵衛)を会場に、第4回やんばカフェ「たくじさんの宿」上映会を開催しました。

 「たくじさんの宿」は、製作者の川原理子さんが2012年に川原湯温泉にある旅館の日常を撮影したビデオ作品です。代替地に移転する前の川原湯温泉や、ひとりの客のためにも、うどんを打ち、てんぷらを揚げ、料理を配膳する宿の様子が描かれています。撮影者からの問いかけにも訥々と語り、「こんなの撮ってどうするの?」とたくじさん。ナレーションの語り口調とよく合う映画でした。

店内の様子 そのあとは、建設真っ只中の八ッ場ダムの工事現場の動画と、渡辺洋子さんのお話がありました。長らく続いた反対闘争や地域分断のため、疲弊してダムを受け入れることになったこと、現在では旧温泉街はすべて取り壊されてしまっていることなど、国の公共事業に翻弄される地域の状況が話されました。他にも、地質や地滑り、鉄鋼スラグの不法投棄など問題が山積していること、工事に伴って行われている発掘調査では縄文時代の貴重な遺物が発見されているにもかかわらず、ほとんど報道されることもないなどの説明がありました。

川原&新田 会場からは、「どうしてそういう重要なことをマスコミでは取り上げないのか」とか、「八ッ場も沖縄も、福島のことも扉は違うけれど、一歩中に入っていくと同じところに行きつく」といった、質問や感想が寄せられました。

 建物が壊されたり、自然が破壊されたりするのは目に見えるけれど、心が壊されていくのは目に見えないし、現地の人たちは長年そういう状況に置かれて、寡黙になっているという言葉に、そっと目頭を押さえている方もいました。

 やんばカフェには、お店の常連さんや、沖縄の基地問題の活動にかかわる方など40名近くの参加がありました。名前は知っていても、現状について聞くのは初めてという方に、八ッ場ダムの抱える複雑な問題の一端を伝えることができました。(K.R)

当日のスライド「八ッ場ダム予定地の状況」より
キャプチャ八ッ場ダム計画の歴史

地すべり対策

キャプチャ代替地