2013年2月6日

 八ッ場ダム事業において、現在もっとも矛盾が顕著なのは、事業主体の国交省と共同事業者の利根川流域6都県が八ッ場ダムの完成時期と工期というもっとも基本的な点で見解を異にしていることです。
 国交省は八ッ場ダムの完成時期を本体工事の着工から約7年と試算しており、事業費増額の試算も発表していますが、関係都県はこれを認めず、八ッ場ダムを2015年度に完成させ、事業費も現在の基本計画の枠内に収めるよう国交省に求めてきました。
 八ッ場ダムは構想から60年経過した今も本体工事に着工せず、事業費も膨らみ続けているため、関係都県、特に東京、千葉、埼玉、茨城などの下流都県ではムダな公共事業の象徴との批判が年々高まっており、都県は安易に工期の延長を認められないという事情がありますが、現在の基本計画で予定されている完成年度の2015年度は、どうみても不可能です。

 群馬県では昨日、大沢知事が会見で八ッ場ダムの2015年度の完成は現実的ではないとの見解を明らかにしました。ダム予定地を抱える群馬県では、現実からかけ離れた主張をしているばかりでは、地元住民の生活設計にも支障をきたしますし、このままでは野党議員が県議会で矛盾を追及するのは必至です。そうした諸々の状況に備えての知事の今回の見直し発言なのでしょうか。
 いずれにしても、群馬県も下流都県もこのまま八ッ場ダム事業の負担金を支払い続けるかぎり、いずれは工期の三度目の延長と事業費の二度目の増額が必要であるという現実を受け入れざるをえなくなります。

◆2013年2月6日 朝日新聞群馬版

http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20130206100580001.html

 -基本計画の見直し求めるー

 大沢正明知事は2013年度当初予算案を発表した5日の記者会見で、八ツ場ダム(長野原町)本体の完成を15年度としている国の基本計画を、早急に実現可能なものに見直すよう政府に求める考えを示した。

 13年度中にも現実的な工程表に基づいて完成時期を明確化し、予算を重点配分するよう強く求めた。

 国は12年度予算でダムの工事用道路や作業場の建設費として18億円(国費7億円)を盛り込んだが、未執行のまま。政府は13年度当初予算案に同じ事業を繰り越し、ダム本体の工事費は盛り込まなかった。

 知事は国の対応に不満を示し、基本計画の想定から現実の作業が大幅に遅れていることに言及。

 「現実論として、現実的な工程表をすぐに作成し、完成期日を明確に示して、通常よりしっかり予算をかけて短期で完成させる責任が国にはある」と述べたうえで、13年度中に基本計画を見直すことについて、「やるべきだ。すぐにでもやって、完成期日を示すべきだ」と強調した。

 こうした国の動きを反映して、県が13年度当初予算案に盛り込んだ八ツ場ダム関連の事業費も、今年度と同水準の97億4600万円。

 その内訳は、生活再建に向けた取り組みに61億円、付け替え道路など社会基盤整備に23億円、国の直轄事業への負担金が13億円などだ。

 国道、県道の付け替えは約9割がすでに供用済みで、重点は接続する町道5路線の整備などに移る。そのほか、生活再建の一環で整備される川原畑地区の滞在型農園の用地買収などを行う。

◆2013年2月6日 毎日新聞群馬版

http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130206ddlk10010187000c.html

 -知事が八ッ場ダムの基本計画変更を容認 /群馬ー 

 大沢正明知事は5日、長野原町の八ッ場ダムについて「基本計画は変更した方が良い。県にも地元にも(ダムの)完成期日を示すべきだ」と述べた。

 八ッ場ダムの工期は、基本計画で15年度とされているが、政府の方針で工事が中断するなどし、予定通りの完成は困難と判断した。

◆2013年2月6日 東京新聞群馬版

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130206/CK2013020602000154.html

 -消防救急無線、デジタル化を補助 八ッ場ダム、生活再建など97億円ー

 八ッ場(やんば)ダムの本体工事の関連予算に九十七億四千五百八十一万七千円が計上された。うち生活再建に向けた取り組みに六十一億三百九十五万四千円、付け替え道路などの社会基盤整備に二十三億一千六百四十三万五千円を充てた。

 大沢知事は「本体工事を大きく前進させるような予算ならよかった。長野原の人たちが生活設計できるように、しっかりした工程表をつくってほしい」と国に求めた。

◆2013年2月6日 読売新聞群馬版

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130205-OYT8T01662.htm

 -<県新年度予算案>八ッ場 着工備え12年当初並みー

 公共事業費では、八ッ場ダム(長野原町)関連で、建設負担金や関連事業に、前年度当初予算並みの計97億4581万円を計上した。政府が13年度に着工に踏み切る場合に備え、国直轄事業負担金には前年度と同額の9億4800万円を充てた。

 政府は、前年度予算に計上した本体工事の関連事業費18億円を13年度予算案に持ち越し、前年度内の着工は見送った。太田国土交通相は、13年度の早期着工の可能性を示唆している。

 大沢知事は5日の記者会見で、早期着工への期待を表明。ただ、15年度中の完成を明記した国の基本計画については、「現実にできるか」と疑問を呈し、国に対し新年度中に見直すよう注文を付けた。

 ほかに八ッ場ダム関連では、生活再建策の一環として長野原町川原畑に整備する滞在型農園の用地買収・工事費を含む基金事業推進費に14億8567万円を配分した。今夏の完成を目指すJR長野原草津口駅舎の改築費には1億6100万円を計上した。

 八ッ場ダム関連以外では、高速道路につながる幹線道路を張り巡らせる七つの交通軸整備に前年度比12・3%増の263億7485万円を計上。「東毛広域幹線道路」の一部バイパスは新年度に供用を開始する。

◆2013年2月6日 産経新聞群馬版より一部転載

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130206/gnm13020602090002-n1.htm

 -25年度県予算案 前年度補正と一体執行 群馬ー 

 ■八ツ場ダム

 生活再建関連など前年度当初並みの約97億円を計上した八ツ場ダム事業にからみ、大沢正明知事は「国は平成27年の完成を言っているが、現実にできるかどうかの問題がある。

 しっかりした工程表を出して、完成時期を示すべきだ」と述べ、基本計画の見直しの必要性に言及した。

◆2013年2月5日 時事通信

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013020500904&g=eco

 -完成時期の見直しを=八ツ場ダムで、群馬知事ー

 群馬県の大沢正明知事は5日の記者会見で、国の基本計画で2015年度としている八ツ場ダム(同県長野原町)の完成時期を見直すよう求めた。

 八ツ場ダムについては、民主党政権下で建設の是非が議論されたことなどの影響で、本体着工が先延ばしになっている。

 同知事は「現実に完成できるのかという問題もある」と指摘。「(国は完成時期の見直しを)すぐにでもやって、県にも地元の住民にも完成期日を示すべきだ」と述べた。