(10/6追記 この請願は、10月4日の県議会で継続審議となりました。)

 当会では9月13日、八ッ場ダム計画変更案についての請願を群馬県議会へ提出しました。
 八ッ場ダムの事業者である国交省関東地方整備局は、さる8月12日に八ッ場ダム基本計画の第五回変更案を発表しました。関東地方整備局は八ッ場ダムの関係都県に計画変更への同意を求める手続きを進めています。群馬県の大沢正明知事は、これまで「増額に断固反対」と述べてきましたが、13日、県議会議会運営委員会に対し、増額に同意する関連議案を20日開会の県議会に提案することを正式に明らかにしました。同意の理由は、「ダム周辺の住民の生活再建を優先するため」と説明されていますが、今回の計画変更案ではダム周辺の住宅の安全対策として民主党政権下で必要とされた地すべり対策等が「コスト縮減のため」という理由で大幅にカットされており、大沢知事の説明と辻褄が合いません。
 当会では請願で詳細な審議と計画変更案への不同意を求めています。

 請願の全文を転載します。
 

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 2016 年 9 月 13 日
 群馬県議会議長 星野 寛 様

 請願者 八ッ場あしたの会
 紹介議員 黒澤孝行議員
 八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更(第 5 回)についての請願

〈要旨〉
 八ッ場ダム事業は四度の計画変更により、工期2019年度、事業費4,600億円となっています。
 群馬県を含む関係都県は、これ以上の計画変更は認められないと意見表明してきましたが、国土交通省関東地方整備局は去る8月12日、事業費を5,320億円に再増額する五回目の計画変更案を提示しました。
 とりわけ、群馬県は、四回目の変更の際、「現地における安全確保に万全を期した上で、総事業費の圧縮に最大限努力すること」と、事業費の増額はおろか圧縮を求める意見を国に提出した経緯があり、大澤知事も「増額には断固反対する」と発言しています。
 今回、計画変更に同意すれば、これまで群馬県が示してきた姿勢との整合性がはかられないことから、県民への説明責任が厳しく求められると言わざるを得ません。
 また、この計画変更案は、特に以下4点の重大な問題点を抱えており、これらの問題点への対応方針が明らかにならないままで安易に計画変更に同意することは、県民に重大な影響を与えかねないと考えます。

①  地すべり等を防止するための安全対策の対象箇所が5か所も減らされ、安全対策がコスト縮減の対象とされていること。
 
②  八ッ場ダム本体工事の基礎岩盤に除去が必要な弱層部が想定より深かったことが明らかとなり、従来から心配されてきたダムサイト地質の脆弱性が問題になっており、その解明が必要であること。

③  地すべり対策の追加や東京電力㈱水力発電所への減電補償などによって、更なる事業費増額が予想されること。

④  東京電力㈱松谷発電所の水利権更新により、ダム建設の目的の一つ、「吾妻川の流量維持」が喪失し、「吾妻川の流量維持」に関する県の負担分が減額となることが確実であるにもかかわらず、計画変更で取り上げられていないこと。

上記の趣旨により、次の二項目を請願として提出します。

〈請願項目〉
1. 八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更(第5回)について、詳細に審議して下さい。

2. これまで増額反対を表明してきた群馬県の姿勢との整合性、そして上記に示した問題点への対応方針が明確にならない限り、群馬県として、八ッ場ダム基本計画の変更案に同意しないでください。