八ッ場ダム基本計画の四度目の変更に当たり、関係一都五県が国交省による計画変更案の公表前に、水面下で国交省側と合意に向けての意見取りまとめを行っていたことが、このほど開示された都県合同調査報告書で明らかになりました。
 開示された報告書の内容は、以下に掲載しています。
 http://yamba-net.org/?p=6342

 報告書の内容と、報告書がまとめられた経緯を見ると、関係一都五県と国交省は八ッ場ダム事業において一心同体であり、情報が公表されていない実態がよくわかります。

 関連記事を転載します。 

◆2013年11月28日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20131128100580001.html
ー計画変更を公表前に6都県に伝達、現地調査ー

 八ツ場ダム(長野原町)問題で、群馬など関係6都県が、工期を4年延ばす国の基本計画変更の内容を公表1カ月前の7月に国土交通省から伝えられ、現地調査をしていたことが分かった。この経緯を記した6都県の報告書も未公表だったが、伊藤祐司県議(共産)や水問題研究家の嶋津暉之さんが情報公開請求し、開示された。県は「国が正式決定する前に公表はできなかった」としている。

 国交省が4度目となる基本計画変更の案を公表し、6都県の知事に意見照会したのは8月6日。開示された8月15日付の報告書によると、国交省はまず6月7日に「工程を精査中」と6都県に伝えた。7月5日には工期を4年延長して2019年度とし、事業費は4600億円を維持などと具体的に説明した。6都県の担当者は直後の7月10、11日に現地調査を行い、国交省からも聞き取りをした。

 調査結果として、工期延長の原因を「(民主党政権の)検証等に費やした期間4年間が当初計画工程からの遅延の原因となっていることを確認した」と記載。用地取得や文化財調査、JR吾妻線の付け替え工事なども「現段階で工程に及ぼす要素や可能性が極めて少ないことを確認した」としている。

 また、今回の計画変更で国交省が再検証で試算した安全対策費を事業費に加えなかった点も「本年度からの地質調査結果を踏まえ、必要に応じて設計等を行うとしていることから現時点では事業費に含まれていないことを確認した」と記している。さらに14年10月に本体工事が着手されれば、国名勝・吾妻峡に沿う国道145号が使えなくなるとの記載もある。

 県は県議会に計画変更に同意する議案を出し、10月に可決された。他の5都県も同意し、国交省は11月20日に変更手続きを完了した。この間、6都県の現地調査や報告書の存在は、地元住民や県議会にも説明がなかった。

 伊藤県議は県に報告書の提供を求めたが断られ、10月下旬に情報公開請求。約2週間後に開示されたといい、「『国から何の打診もない』と説明し、県民をだました」と批判する。嶋津さんも「6都県が国の基本計画に同意した基礎資料となるべきもので公開されるべき情報だ」と主張する。

 県は「報告書は内部検討用だが、情報公開請求や議会としての求めがあれば出す」としている。工期の延長について担当幹部には「国の責任で地元住民に説明すべきだった」との声もある。(小林誠一)