設楽ダムの「転流工事」の着工式典を明日に控えた本日、「設楽ダムの建設中止を求める会」が国交省中部地方整備局に抗議声明を提出したとのことです。声明文を同会よりお伝えいただきましたので、転載させていただきます。設楽ダムの抱える問題が簡潔に示されています。

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2017 年 6 月 2 日

(声明) 設楽ダム建設事業を進める国土交通省中部地方整備局に抗議する

 設楽ダムの建設中止を求める会
 代表  市野 和夫  

 国土交通省中部地方整備局は 2016年度から転流工関連の予算を計上してきたが、2017年6月3日に設楽町内で設楽ダム転流工着工式を開くという。
 設楽ダムの建設中止を求める会は、以下の理由から設楽ダム建設事業を強行する当局に対して断固抗議し、建設事業の中止を求めるものである。

〔設楽ダム建設事業の中止を求める理由〕
① 特定多目的ダム法上、設楽ダム建設の根拠とされている東三河地域の水道用水は、これまでの水源開発(豊川用水事業、豊川総合用水事業)と豊川用水Ⅱ期事業による 幹線水路の複線化等によって十分に供給態勢が整備されており、設楽ダムの貯流水を水源として設定する必要がないことが明らである。(豊川水系フルプランの目標年 2015 年を過ぎたにもかかわらず、国はフルプランの結果を検証していないが、水道供給実績により新たな水源が不要であることは証明されている。)

② 鬼怒川では上流部に巨大な治水容量を持つダム群が完成していたにもかかわらず 2015 年秋に大水害が発生した。この例にみられるとおり、河川最上流部のダムは下流の治水対策には効果が確実ではない。

③ 豊川下流部の治水上の課題として河川整備計画で掲げられていた当面の河道掘削や樹木伐採などの対策、堤防補強などの主なものはほぼ終えており、現在は不連続堤部分の対策(小堤の築堤など)に移ってきている。出水高が大きかった過去の洪水時と比べて、流域森林はよく成長・発達しており、出水ピークは一般に小さくゆっくり現れるようになっている。設楽ダム建設は治水上の緊急課題とは言えない。

④ 設楽ダムは、以上のように利水上、また治水上の必要がない。巨大なコンクリート建造物を建設することが自己目的化され、その隠れ蓑として「流水の正常な機能の維持」目的が掲げられ、9800 万 m3の総貯留容量のうち 6000 万 m3が充てられている。豊川用水の取水堰大野頭首工の下流の宇連川に水が途切れているのを改善するには、維持流量を堰から流し、その分を下流の牟呂松原頭首工・森岡導水路経由で取水すれば解決する。「流水の正常な機能の維持」のためにダムを造る必要はない。

⑤ ダムサイト周辺の地質地盤調査が不十分で転流工や本体建設の準備は整っていない。

⑥ 三河湾や豊川流域の環境保護・保全を訴える住民、漁業者や研究者の声を聞かず、ダム事業者は三河湾までの環境影響がないものと独断して、豊川下流~三河湾を含めたアセスメントを実施していない。

~~~転載終わり~~~

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