有害物質を含む大同特殊鋼の鉄鋼スラグが八ッ場ダム関連工事などで使われていたことが大きな問題になっています。
 鉄鋼スラグ協会は昨日14日、今回の問題が波及し、鉄鋼スラグ全体への社会的信頼を損なうことのないよう、再発防止のため製品管理に関するガイドラインの改正を発表しました。

●鉄鋼スラグ協会ホームページ 
http://www.slg.jp/

●「鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン」の改正について
http://www.slg.jp/news/150114.html

 ガイドラインの改正により、鉄鋼スラグ協会は八ッ場ダム事業を受注していた建設会社が行っていた「逆有償取引」を行わないことを明記しました。また、八ッ場ダム事業で使われていた大同製のスラグは、取引先の建設会社により他の砕石に混合され出荷されていたことから、改正では「混合前のスラグ単体での検査を義務づけ、この段階で基準値を超えたスラグの混合は認めない」と明記しました。
 八ッ場ダム事業を進める国交省関東地方整備局は、八ッ場ダム事業で使われた鉄鋼スラグの調査結果を昨年12月26日に発表しましたが、天然砕石等とスラグを混合した状態で環境基準値を超えている箇所のみ対策をとることになっています。

 関連記事を転載します。

◆2015年1月14日 毎日新聞社会面
 http://mainichi.jp/select/news/20150115k0000m040098000c.html?inb=ra
ー鉄鋼スラグ:製品管理のガイドライン改正ー

 八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の移転代替地などで有害物質を含む建設資材「鉄鋼スラグ」が使われていた問題で、大手鉄鋼メーカーなどでつくる「鉄鋼スラグ協会」は14日、再発防止のため製品管理に関するガイドラインを改正し公表した。同協会は「会員会社が製造した鉄鋼スラグ製品の品質・販売管理に重大な不備があり、環境基準を上回る化学物質が検出され、鉄鋼スラグへの信頼をゆるがしかねない事案が発生した」と改正理由を説明している。

 今回の問題では大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)が渋川市の建設会社に有害スラグとみられる資材を販売した際、販売額より多い費用を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」と呼ばれる手法を取っていたことが明らかになっている。このため改正ガイドラインでは「販売代金を上回る金品の支払いは逆有償状態であると判断されるおそれがある。販売先に対し、名目を問わず販売代金以上の金品を支払ってはならない」と明記した。

 また「特殊鋼電炉の会員会社については、フッ素と六価クロムの発生源(の化学物質)を多量、頻繁に使用することから、積み付け山(製品を山積みした塊)ごとの検査を義務づけ、検査未了の山からは出荷しないこと」も記載。検査自体も年1回から月1回に改め、有害物質の拡散を防ぐとした。

 さらに、大同製のスラグは取引先の建設会社により天然砕石に混合され出荷されていたことから、改正では「混合前のスラグ単体での検査を義務づけ、この段階で基準値を超えたスラグの混合は認めない」とした。

 同協会は「大幅な改正で鉄鋼スラグへの信頼を積み上げたい」としている。

 スラグは鉄精製時に出る副産物でそのままでは産業廃棄物だが、リサイクル製品としての利用が認められている。廃棄物として処分するには多額の費用が掛かるが、逆有償取引ならより安価で引き取ってもらえることから、「リサイクル偽装」の温床とされてきた。【杉本修作】

—転載終わり—

 関連ページ
☆「八ッ場ダム関連事業で六価クロムなど基準超える有害物質検出」(2014年12月26日に国交省関東地方整備局が発表した調査結果)
http://yamba-net.org/?p=10113

(写真下) 有害スラグの資材置き場であった場所(八ッ場ダム事業による住民の移転代替地、川原畑地区 背後の付け替え国道の法面が地すべりを起こしており、現在調査が行われている。)
有害スラグの資材置き場shuku