地元住民の粘り強い反対運動が続いている長崎県の石木ダムをめぐり、新たに工事差し止めを求める裁判が始まりました。原告は608名に上り、ダム予定地の地権者だけでなく、不要な石木ダムに反対し、地権者を支援する人々も多数参加しています。
 長崎県は強引にこのダム事業を進めようとしていますが、地元住民も納税者も納得させることができないままです。

◆2017年3月6日 NHK長崎放送局
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033329711.html?t=1488802785068
ー石木ダム建設差し止めで提訴ー

 川棚町に建設が計画されている石木ダムについて、反対する地権者など600人あまりが長崎県と佐世保市を相手に建設の差し止めを求める訴えを3月6日、長崎地方裁判所佐世保支部に起こしました。

 訴えを起こしたのは、川棚町の建設予定地に住む人たちや土地の所有者、それに県外の支援者などを含めあわせて608人です。

 訴えによりますと、石木ダムについて、県などが事業の根拠としている生活用水や工場用水などの水需要の見積もりや治水対策の必要性や公共性、それに緊急性には根拠がなく、事業手続きで住民の書面による同意も得られていないなどとしています。

 そのうえで、ダム建設によって自然環境や社会生活が失われ、人格権などが侵害されるとして、ダム本体の建設や建設によって水没する県道に代わる新しい道路の建設工事の差し止めを求めています。

 訴状を提出した弁護団の平山博久弁護士は、「じっくりと腰を据えて石木ダムの工事によって地権者がどのような損害を被るのか訴えていきたい」と話していました。

 地権者らは去年、県と佐世保市を相手に工事をしないよう求める仮処分を申し立て、長崎地裁佐世保支部で却下されて現在、福岡高等裁判所に抗告していますが、今回の提訴に伴って抗告を取り下げることにしています。

◆2017年3月6日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20170306117919/
ー石木ダムで新たに工事差し止め求め提訴ー

 東彼・川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者らが、新たに工事の中止を求め、6日 長崎地裁佐世保支部に提訴しました。

 石木ダム建設工事の差し止めを求めて新たに提訴したのは、建設に反対する地権者など608人で、6日午後、長崎地裁佐世保支部に訴状を提出しました。

 反対地権者らは、工事差し止めの「仮処分」を求めて訴訟を起こしていましたが、去年12月、長崎地裁は「緊急性がない」として、これを却下。

 このため、今回新たに、緊急性を争わない本訴訟として「ダム事業の治水・利水面での必要性や、地権者の身体の安全など人格権の侵害」を争点に、工事の差し止めを求めて提訴しました。

 原告代理人 平山博久弁護士「仮処分の手続きというのは、どうしても緊急性、迅速性が要求されます。きちんと腰を据えて、権利侵害があるのかないのか、公開の法廷でやるべきだろうと、より多くの人達が立ち上がっているんだということを裁判所に見てほしいと、新たに本訴という形で起こしています」

 原告団は、福岡高裁に抗告していた工事差し止めの仮処分請求については、取り下げることにしています。

◆2017年3月7日 読売新聞長崎版
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20170306-OYTNT50038.html
ー工事差し止め求め提訴 石木ダム反対地権者らー 

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対地権者ら608人が6日、県と市を相手取り、工事の差し止めを求める訴訟を長崎地裁佐世保支部に起こした。

 昨年12月には、工事差し止めを求める仮処分の申し立てが却下されたが、新たな訴訟を通じ、権利侵害について県と市の考えを問うとしている。

 訴状によると、「ダムは利水、治水において必要性はなく、県などは必要性に関してでたらめな予測をしている」と指摘。「人格権などを侵害しており、工事は禁止されなくてはいけない」などと主張している。

 地権者側は2016年2月、工事差し止めを求めて同支部に仮処分を申し立て、同12月、「工事を禁止する緊急の必要性があるとは認められない」として却下された。

 仮処分では審尋が非公開で行われたため、今回、公開の法廷で権利侵害を訴えることとし、福岡高裁への仮処分の抗告は取り下げるという。

 県と市の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。

 同事業の関連では、地権者側が15年11月、国を相手に事業認定の取り消しを求めて長崎地裁に提訴し、同12月に事業認定の執行停止を同地裁に申し立てた。県も現在、反対地権者ら19人に対し、県道付け替え工事の妨害行為禁止の仮処分を申し立てている。

◆2017年3月7日 毎日新聞長崎版
http://mainichi.jp/articles/20170307/ddl/k42/010/303000c
ー石木ダム 水没予定地の地権者ら、工事差し止めを提訴 地裁佐世保ー

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業を巡り、水没予定地の地権者らが6日、中村法道知事と朝長則男・同市長を相手取り、工事の差し止めを求める訴えを長崎地裁佐世保支部に起こした。

 原告は地権者や県内外の支援者ら608人。訴状では「ダム事業は治水・利水面共に必要がなく、地権者の故郷が奪われ人格権を侵害する」などと主張している。

 地権者らは昨年2月、同趣旨の仮処分を同支部に申請したが、同年12月、「工事続行を禁止する緊急の必要性はない」などとして却下の決定が出された。地権者側は決定を不服として福岡高裁に抗告していたが、7日に取り下げる予定。地権者側弁護団は「公開の場で議論され、緊急性の判断を要しない本訴訟で改めてダムの必要性を問う」としている。

 また、この日は地権者らの妨害で県道付け替え工事が進まないとして、県が妨害禁止を求めた仮処分申請の第3回審尋が同支部で、地権者らが国を相手にダム事業の認定取り消しを求めた訴訟の弁論が長崎地裁であった。地権者側は審尋で「県が妨害をしていると主張する地権者たちは本人かどうか特定できず、行為も妨害にはあたらない」と主張。弁論でも、事業は不要だとする準備書面を提出した。【浅野孝仁】

◆2017年3月7日 朝日新聞長崎版
キャプチャ朝日