八ッ場ダム予定地では昨日、8年ぶりの町長選が行われ、新人の萩原睦男氏が当選しました。前回の町長選では、対抗馬が立候補せず、高山欣也町長が無投票で再選されました。
 http://p.tl/gvwg  
 上毛新聞 選挙速報
 萩原 睦男 42 元衆院議員秘書 無所属 2,111
 竹内 良太郎 71 元町議会議長 無所属 1,472

 高山前町長は、ダム水没予定地の川原湯温泉の旅館主で、八ッ場ダムを推進する住民組織「八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会」の事務局長を務めるなど、ダム事業において国交省、群馬県と密接な関係を築いてきました。高山町政はこの8年間、国交省、群馬県と連携し、前面に立って「八ッ場ダム中止」を掲げる民主党政権を批判し、政権再交代に協力しました。

 今回落選した竹内良太郎氏は水没予定地(一部水没地区)の横壁の住民で、今回の町長選では高山前町長の後継者を自認していました。2011年12月、八ッ場ダム本体工事の再開を地元に約束した前田武志国交大臣の来町に際しては、万歳三唱を主導したことを議会報告でアピールするなど、ダム推進を議員活動の中心に据えてきたことで知られています。

 長野原町では町の政治・経済基盤がダム事業と不可分の関係にあり、町長がダム事業に協力しないということは現状では考えられません。しかし、ダム事業の見通しが一向に立たない中、”ダム”が進めば町はよくなるとの掛け声のもと、国交省と群馬県に追随するだけの町政は、ダム予定地上流の浅間山麓や若い世代には物足りない思いを抱く人も少なくありませんでした。
 八ッ場ダム事業による2001年の補償基準調印以降、川原湯温泉を中心としたダム予定地域の人口減少は著しく、一方、新町長を担ぎ出した上流側では人口が増加しています。
 今回の町長選に当たっては、長野原町では初の公開討論会が町商工会青年部の主催で開催されました。町民約230人が参加したというこの討論会で、萩原、竹内両候補が八ッ場ダムについて語った動画が以下のブログで紹介されています。
 http://blogs.yahoo.co.jp/kajiken76xyz/archive/2014/04/15
 

 YouTubeを見ると、「現状打破」を掲げる若い萩原氏には勢いがあり、予想外の大差の当選も頷けます。

 とはいえ八ッ場ダムについては、小渕優子衆院議員秘書という前歴をもつ萩原新町長も当然、推進の立場です。無効票が52票ということですが、いずれの候補者にも投票したくないとの意思表示であったでしょうか。

 群馬県では先週の安中市長選で、県内初の女性町長が誕生。現状打破を望む空気は、これまで以上に高まっているのも事実ですが、期待外れなら民主党政権の二の舞です。
 八ッ場ダム事業を前提としつつ、現状打破を目指す萩原新町長は、どのように町の舵取りをしていくのでしょうか。

◆2014年4月21日 上毛新聞社会面

ー長野原町長に萩原氏 町の将来に全力尽くすー

 長野原町長野原の萩原睦男氏の選挙事務所に20日午後8時50分ごろ、当選の一報が伝えられると、集まった支持者から大きな拍手が起こった。
 萩原氏は「厳しい選挙戦だったが、皆さんの絶大なる支援で当選することができた。長野原町の将来のために全力を尽くしたい」と決意を述べた。
【略歴】元衆院議員秘書、元応桑郵便局長、元北軽井沢郵便局長。明治大卒
【公約】①経済活性化と雇用確保 ②福祉充実と子育て支援 ③八ッ場ダム完成に向けた町づくり ④刊行と農業による活性化

解説
 8年ぶりの選挙戦となった長野原町長選で、町民は若狭と行動力を前面に出した萩原睦男氏を新しいリーダーに選んだ。「現状を打破し、町の明るい将来を築きたい」と刷新を強調。行政経験はないが、衆院議員秘書や郵便局長を務めた手腕へ期待感が表れた。
 長年、八ッ場ダム建設事業に翻弄された町は、人口減少が深刻だ。水没地区を中心に転出が進み、4月1日現在で6079人。10年前に比べ、減少率は10%を超えて841人減った。高齢化率は年々上昇し、本年度初めて30%に達した。
 こうした現状を踏まえ、萩原氏は公約の1番目に経済活性化と雇用の確保を掲げる。観光と農業を結び付けて地域ブランドを創出、人脈を生かした積極的なトップセールスを行うとしており、早急に実行に移す必要がある。
 国は今秋、八ッ場ダムの本体工事に着手予定だ。「生活再建の本丸は雇用確保。水没地区だけでなく、町全体のダムという概念で取り組む」と力説する萩原氏。ダムを生かした特色ある町づくりができるか、リーダーシップが問われる。(中之条支局 宮崎秀貴)

◆2014年4月21日 産経新聞群馬版
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/140421/gnm14042102090001-n1.htm
ー長野原町長は萩原氏初当選ー

 長野原町長選は20日、投開票が行われ、元衆院議員秘書の萩原睦男氏(42)が、元町議会議長の竹内良太郎氏(71)を破り、初当選を果たした。投票率は、73・93%(前回無投票、前々回79・99%)だった。

 萩原氏は、現在の長野原町を「瀕死(ひんし)の状態」と表現するなど、これまでの町政に批判的な立場を示してきた。
 選挙戦では「将来に対する閉塞(へいそく)感を打破したい」と町の改革を強く訴え、支持を広げた。
 竹内氏は議長を務めた実績などをアピールしたが、及ばなかった。

◆2014年4月20日 NHK前橋支局
http://www.nhk.or.jp/lnews/maebashi/1063431332.html

ー長野原町長選 萩原氏が初当選ー

 任期満了に伴う、長野原町の町長選挙は20日投票が行われ、無所属で新人の萩原睦男氏が初めての当選を果たしました。
長野原町長選挙は開票が終わっています。

▼萩原睦男、無所属・新。
当選。
2111票。
▼竹内良太郎、無所属・新。
1472票。

  新人の萩原氏が元町議会議長の竹内氏を抑えて初めての当選を果たしました。
 萩原氏は42歳。
 長野原町の郵便局長や衆議院議員の秘書を務めたあと、今回初めて町長選挙に立候補しました。
 萩原氏は「農業による地域活性化を図るとともに八ッ場ダム完成に向けて観光の振興を進めていきたい」と話しています。

—記事転載終わり—

昨日は、長野原町とともに八ッ場ダム事業の地元自治体とされる東吾妻町でも町長選が行われ、コンクリート会社の社長である中澤恒喜町長が再選されました。 
 東吾妻町では道路などによる移転世帯があるものの、長野原町よりははるかに影響の及ぶ地域が限られており、また水没地域もないことから、水源地域対策措置法による事業などダム事業による「恩恵」が長野原町よりはっきりしています。
 http://p.tl/NE6z
 http://www.bando-con.jp