福島県の会津若松から新潟県の小出まで、約135kmを結ぶJR只見線。
 会津若松市のホームページに「景観の美しさから全国にその名を知られるローカル鉄道」と書かれている只見線ですが、2011年7月の新潟・福島豪雨により、鉄橋が崩落するなど甚大な被害を受け、会津川口~只見間では未だに不通が続いています。

発電ダム横断形状(北陸地方整備局) 福島県では同じ2011年3月に原発事故があり、いずれも”電力人災”と言われます。
 只見川(阿賀野川水系)は水力発電ダムが段々畑のように続く”ダム銀座”で、洪水で被害が拡大したのは電源開発および東北電力の水力発電用ダムの堆砂によって、只見川の河床が大きく上昇してきたことが原因であると考えられるからです。
 右図は国交省北陸地方整備局が作成した只見川の「河川縦断図」です。(八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会ブログ「より

 只見線の敷設は、ダム建設と密接なつながりがありました。ダム建設が終わると、地域は人口減少によって衰退し、只見線の利用者数も少ないまま推移してきました。

 地元紙では、JR東日本が只見線復旧工事が資材の高騰などで当初の約85億円から約108億円になる見通しを示したとのニュースが流れています。
 JR東日本の担当者は「(赤字が続いていた)只見線には鉄道としての特性を期待できない」と話したということですが、これまで只見線の復旧のために、福島県と会津地方17市町村は当初試算した復旧費用85億円のうち、21億円を負担する方向で合意しており、ダムの管理方法の見直しによる復旧費の圧縮を求めているということです。

◆2016年9月25日 河北新報
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160925-00000001-khks-soci
 -只見線>復旧費108億円に増加 JR東試算ー

線路の一部が流失したままの第5只見川橋りょう=福島県金山町
 2011年7月の新潟・福島豪雨による被害で不通が続くJR只見線会津川口(福島県金山町)-只見間について、JR東日本は24日、復旧費が資材費高騰などで当初の約85億円から約108億円に膨らむとの見通しを県や地元自治体に示した。地元側は橋の一部工事で大幅に費用を圧縮できる可能性があるとし、JR東と県で再検討することになった。

キャプチャ【地図】不通が続く会津川口―只見間

 JR東は福島市であった只見線復興推進会議検討会で説明するとともに、あくまで代行バスの運行継続を主張。沿線自治体は「只見線は地域振興に不可欠」とし、前回の検討会で提案された線路などを自治体側が所有する「上下分離方式」による鉄路復旧を目指す考えを示した。

 JR東によると、復旧費の内訳は只見川に架かる4カ所の橋が計約85億円、軌道や信号設備などが計約23億円で、工期は約4年を見込む。13年5月の前回試算から3年以上たち、電気設備などの劣化が進んだことも工費拡大の理由という。

 県などは約52億円と試算された1カ所の橋について、上流のダムの管理方法見直しで河川流量が低下すれば、橋の高さを下げられるなどと主張。安全性を含めて再検討することになった。

 非公開の検討会で、沿線自治体は上下分離方式で生じる年間運営費約2億1000万円を負担しても復旧が必要との意向を確認。復旧費の一部負担をJR東に求めた。JR東は「復旧費を地域振興に回せる」と代行バスの利点を説明した。

 終了後、只見町の目黒吉久町長は「復旧こそが奥会津の地方創生に欠かせない」と強調。金山町の長谷川盛雄町長は「(復旧へ)一歩進んだと思っている。地元としても負担と覚悟が必要だ」と述べた。

 JR東の坂井究経営企画部長は「(赤字が続いていた)只見線には鉄道としての特性を期待できない」と話した。

◆2016年9月25日 福島民報 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160925-00000004-fminpo-l07
ー只見線復旧費108億円 当初試算23億円上回るー

JR只見線の復興推進会議検討会は24日、福島市で開かれ、JR東日本は不通が続く会津川口(金山)-只見(只見)駅間の復旧費用について当初試算した85億円を23億円上回る108億円になるとの見通しを示した。資材の高騰や線路など施設の老朽化が要因としている。一方、復旧費用の一部を支払うとしている県と沿線市町村は工事費の削減を要請し、JR側は再検討するとした。

 只見線の復旧費用は流失した橋の架け替え分が大半を占めている。検討会でJR東日本は4カ所の橋について、平成25年5月公表の当初試算と現在の資材相場などに基づく新たな試算結果の比較などを公表した。
 これによると、新たな試算では金山町の第五橋りょうが3億円(25年比1億円増)、同町の第六橋りょうが16億円(同3億円増)、同町の第七橋りょうが14億円(同4億円増)、只見町の第八橋りょうが52億円(同7億円増)かかるとしている。線路脇の斜面などの復旧費用は8億円増え23億円となった。
 東京五輪・パラリンピックを控え資材が高騰し、作業員の人件費も上がっていることが背景にあるという。新潟・福島豪雨から5年がたち、老朽化して交換する必要のある線路や信号が増えているのも費用を押し上げている要因の一つだと説明した。

 一方、県と市町村はJR東日本に復旧費用を極力抑えるよう求めた。JR側が大雨で只見川の水量が増えた場合に備え、橋の高さを最高で5メートル上げる案を示してきた第8橋りょうについて、上流のダムの貯水量が増えた点を挙げ、「想定より規模の小さな工事で済む可能性もある」と指摘した。JR東日本は復旧費用を減らせるかどうか改めて検討し、次回会合で新たな試算結果を明らかにするとした。

 これまで、県と会津地方17市町村は当初試算した復旧費用85億円のうち、21億円を負担する方向で合意している。