八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「吾妻峡の美 残したい宝」(東京新聞投書欄)

2013年5月24日

 今朝の東京新聞投書欄に、八ッ場ダム予定地のことが載っていましたので転載します。

◆2013年5月24日 東京新聞投書欄より転載

 -吾妻峡の美 残したい宝ー 無職 秋草美俊 81(前橋市)

 八ッ場ダム予定地の吾妻峡の国道145号が今も通れると聞き、久しぶりにドライブし新緑の渓谷美を堪能してきた。ここは明治期の地理学者、志賀重昂の「上州吾妻川の渓谷は耶馬渓以上なり」との言を待つまでもなく景勝の地である。
 ことに五月の新緑の景は、言葉に表せないほど美しい。また秋の紅葉、冬には渓谷に幾筋もの氷柱が垂れ下がり、年間を通しての渓谷美は、たぐいまれなもので孫子の代まで残したい国の宝だ。
 ところで、この吾妻峡には天明三年の浅間山大噴火で家屋、磁器などが埋没、県埋蔵文化財調査事業団によって発掘が始められ、茶わん、げた、繭など江戸時代の暮らしを伝える遺物が発見されている。
 関係者は保存状態が良好で価値が高いので、「日本のポンペイ(イタリア)を守れ」と主張している。
 先日、バイパスに道の駅ができ、本体工事を待つばかりと報道されたが、今からでも遅くはない。渓谷美と遺跡保存に舵を切るべきだ。