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ウナギ保全、認識共有を 都内で「未来会議」

 この週末、都内でシンポジウム「うなぎ未来会議2016とは 〜ニホンウナギの絶滅リスク評価〜」が開かれました。
 https://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/eelunit/detail/

 この会議は10月29日の午前と午後、30日の午前に専門家と市民代表による評価会議を開いて、「ニホンウナギの個体群動態」「ニホンウナギが直面する危機」、「現在の対策」の三つのテーマについて議論を行い、30日午後のシンポジウムでその結果を報告するという手順で進められました。市民参加のもとに議論を進めていく手法は見事なものでした。

 関連記事を転載します。

◆2016年10月31日 静岡新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161031-00000003-at_s-l22 
ーウナギ保全、認識共有を 都内で「未来会議」ー

 絶滅危惧種ニホンウナギの保全と持続的な利用を考える「うなぎ未来会議」が28~30日、東京・中央大後楽園キャンパスで開かれ、漁獲量の減少が続くウナギの危機的な状況や資源回復への対策について、専門家が議論した。会議の成果を国際自然保護連合(IUCN)に送り、2018年に予定されている絶滅危惧種指定の再評価に活用してもらう。

 会議には、ウナギの生態や流通に詳しい研究者に加え、IUCNウナギ属魚類専門家グループ座長のマシュー・ゴロック氏らが出席した。専門家がウナギの現状などを議論する評価会議や市民向けのレクチャーを行い、最終日は3日間で出た意見や提供されたデータをまとめて市民向けに報告した。

 報告で専門家はウナギが直面する危機として、過剰な消費、生息域の破壊・減少、他の魚類や鳥類による捕食―などを挙げた。一方でデータ不足からウナギが減った根本的な要因を明確に特定できないと説明。違法取引など稚魚(シラスウナギ)の不透明な流通にも触れ「資源回復には最新の基礎データを集め、漁獲量を適切に管理することが大切」と述べた。

 3日間、会議を傍聴した市民参加者からは「(ウナギの移動を妨げる)ダムなどの河川構造物を改善することが重要」「広く認識を共有すべき」などの声が上がった。パネルディスカッションも行い、ウナギの保全に向けて一般市民の理解を呼び掛けた。