八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム来年度予算案、概算要求通りの346億1100万円

昨日、政府は2017(平成29)年度予算案を閣議決定し、国交省のホームページに直轄ダム・水資源機構ダムの来年度の予算案が掲載されました。

 国土交通省ホームページより 平成29年度 水管理・国土保全局の予算
 http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h29.html

直轄ダム水資源機構ダムの平成29年度予算案キャプチャ

 上記の「国土交通省所管ダム事業一覧【直轄・水資源機構】」には全国34のダム事業の予算額が掲載されています。
 (右の表をクリックすると拡大表示されます。)

 総事業費が全国でとびぬけて大きい八ッ場ダム事業は、例年、最も多額の予算が計上されますが、来年度は8月末に発表された概算要求通りの346億1100万円です。
 これは2007年度の385億円、2006年度の356億8900万円に次ぐ大きさで、昨年度の予算額222億3,200万円の1.5倍以上です。八ッ場ダムの事業費は今月告示された基本計画の5度目の変更により、4600億円から5320億円に増額されており、工期は2019年度と、残された期間が限られていることもあり、大きく膨らんだものと思われます。
 なお、八ッ場ダム事業は2009年の政権交代により本体工事が凍結されましたが、民主党政権時代も事業の大半を占める関連事業が継続されたため、政権発足後最初の予算(2010年度)も154億円が計上されています。

 関東地方では、八ッ場ダム事業のほかに、同じく国交省関東地方整備局が事業者である霞ケ浦導水事業、水資源機構が事業者である思川開発事業がありますが、来年度は霞ケ浦導水事業が12.53億円、思川開発事業が25.44億円です。

〈参考ページ〉
・「八ッ場ダム事業、来年度予算案154億円」(2009年12月26日)
https://yamba-net.org/wp/old/modules/news/index.php?page=article&storyid=784

・「予算財務省原案 八ッ場ダムに385億円(読売新聞)」(2006年12月21日)
https://yamba-net.org/wp/old/modules/news/index.php?page=article&storyid=259

・「06年度財務省予算原案(讀賣新聞群馬版)」(2005年12月21日)
https://yamba-net.org/wp/old/modules/news/index.php?page=article&storyid=141

 NHKのニュース記事を転載します。

◆2016年12月22日17時41分 NHK前橋放送局
 http://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/1065515721.html?t=1482490088995
ー八ッ場ダム予算案要求通り計上ー

 来年度・平成29年度の国の予算案について、群馬県関連では八ッ場ダムの事業費として346億円余りが要求通り盛り込まれました。

 政府が22日閣議決定した来年度の国の予算案のうち群馬県関連では、平成31年度の完成に向け長野原町で工事が進められている八ッ場ダムの事業費として、要求通り346億1100万円が盛り込まれました。
 これは今年度の当初予算額よりも123億7900万円多く、およそ1.5倍の規模となっています。
 国土交通省関東地方整備局によりますと、八ッ場ダムではことし9月からダムの堤の工事が始まっていて、来年度はさらにこの工事を進めるとともに住民の生活再建に必要な事業に取り組むということです。
 八ッ場ダムの事業費をめぐっては、国はことし8月、人件費の高騰などを理由に720億円増額する案を示し、事業費の一部を負担する群馬県など1都5県が増額に同意したことで、総額は5320億円となっています。