八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

吾妻川の景観、カヤックから動画撮影

 八ッ場ダムの本体準備工事が始まろうとしている国の名勝・吾妻渓谷で川下りをするカヤッカーのことが新聞で取り上げられました。

2014年1月10日 朝日新聞群馬版より転載
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20140110100580001.html

八ツ場ダム(長野原町)ができれば失われる吾妻川の景観を映した動画が、ダム見直し派市民団体メンバーらの間で話題になっている。高崎市の会社員坂本昭一さん(40)がカヤック上で撮影。建設の是非が社会問題になるまで行ったことがなかったという坂本さんは「貴重な自然が危機にあることを多くの人に知ってほしい」と訴える。

 動画は約10分。付け替え工事が進むJR吾妻線川原湯温泉駅付近から、東吾妻町の「天狗(てん・ぐ)の湯」付近までの吾妻川の景観を映し出す。なかでも上毛かるたで「耶馬渓しのぐ吾妻峡」とうたわれる国名勝・吾妻渓谷の岩肌は圧巻だ。動画は同時に、仮排水トンネルなどダム関連工事でできた構造物もとらえている。

 坂本さんによると、動画はカヤック仲間2人と現地に行った昨年10月30日に撮影した。約3時間の映像から編集したという。現地でカヤックを浮かべるのは同年7月、9月に続く3回目だった。

 「岩が生きている迫力がすごかった」。カヤック歴約15年で、休みのたびに各地の川に行く坂本さんは振り返る。吾妻川は最近、愛好者の間で人気で、海外から訪れる人もいるという。

 吾妻渓谷の保存を求める声を受け、国はダムサイト予定地を当初予定から約600メートル上流に移し、「景観は保たれる」と強調する。それでも、渓谷の4分の1は失われる。坂本さんは「ダム下流の川はコケが生えるなど様変わりし、自然の息吹が感じられなくなるだろう」と懐疑的だ。

 八ツ場ダム見直し派の人たちは現地に頻繁に通う人が多いが、水面からとらえた動画や写真は貴重だ。「八ツ場あしたの会」は、高崎市で開いた集会で上映。大きな反響があり、事務局長の渡辺洋子さん(前橋市)が会のHP(http://yamba-net.org)で紹介している。

 「カヤック上の川の景色は新緑のころが最も美しい」と坂本さん。「何とか残せないか」との思いを胸に、今春、再び撮影するつもりだ。

~~~転載終わり~~~

新聞で取り上げられたカヤッカーのビデオはこちらのページでご覧になれます。
https://yamba-net.org/wp/?p=6266