八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム工期前倒し幅縮小 

 八ッ場ダムの本体工事が遅れることを示唆する国交省による公開質問の回答について、昨日、群馬県庁記者クラブで会見を行いました。

 国交省の回答と当会のコメントは、以下のページにアップしています。
 https://yamba-net.org/wp/?p=10726 

 関連記事を転載します。

◆2015年3月6日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20150306100580001.html
ー工期前倒し幅縮小ー

 八ツ場ダム(長野原町)の本体工事で、入札時に業者が514日間(約17カ月)と提案した工期短縮が関連工事の遅れなどで約7カ月の短縮にとどまる見込みになっていたことが分かった。国土交通省はこの遅れを加味しても2019年度中に完成するとしている。

 計画見直しを求める市民団体「八ツ場あしたの会」が5日、国交省に出した公開質問の回答を公表した。回答や同省八ツ場ダム工事事務所によると、本体工事を受注した清水建設などの共同企業体(JV)は入札時に同省の標準案より「工期を514日短縮する」と提案。入札額で他のJVと同額だったが、大幅な工期短縮が評価されて落札した。

 しかし、本体工事の前提の「仮締め切り」工事の遅れや契約になかった掘削工事の追加により、昨年11月ごろを予定していた吾妻川右岸の基礎掘削工事の開始は今年8月ごろにずれ込む見込みという。左岸の掘削には今年1月に着手した。

 JVは昨年11月、遅れを織り込んだ施工計画書を提出した。基礎掘削の後のコンクリートを流し込む工事の完了は18年5月ごろを見込んでいる。この完了時期は国交省の標準案では18年12月ごろとされていた。 (井上怜)

—転載終わり—

 当会では、記事で取り上げられている八ッ場ダム本体工事の施工計画書について、昨年11月20日に国土交通省関東地方整備局へ情報公開請求手続きをとりました。しかし、施工計画書の情報開示は、本体工事を行うゼネコンの許可が必要という理由で通常より一カ月遅れた上、2月に開示された資料には、別途提出の重要資料が含まれていませんでした。
 関東地方整備局の担当者の説明によれば、昨年11月20日の請求段階で別途提出になっていた資料は、情報公開請求当時はなかった「別紙」として別途提出されたため、開示の対象にはならなかったということです。
 このため、当会では改めてこれら別途提出資料の情報公開請求を行いました。

(写真下=名勝・吾妻渓谷の八ッ場ダム本体工事予定地。正面の岩山の手前に、ダムの壁ができることになっている。ダム堤は、岩山の頂上より30メートルほど高くなるという。3/6撮影)
吾妻渓谷本体工事予定地付近s

(写真下=吾妻渓谷左岸。発破作業が行われてきた工事現場の下の急斜面では、木々が伐採され、作業する人たちの姿が見える。左側のコンクリート構造物は、八ッ場沢の流路工 3/6撮影)
本体左岸トリミングs