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霞ケ浦導水事業の4度目の計画変更(工期さらに8年延長)

 国交省関東地方整備局はさる3月31日、霞ケ浦導水事業の四度目の計画変更を発表しました。この計画変更により、工期が8年間延長され、同事業の完成予定は2023年度となりました。当初の工期は平成5(1993)年度でしたから、当初より完成予定が30年遅れることになります。

 主な変更内容
 ① 工期を平成27年度から平成35年度に8年間延長
   現時点で工程を精査した結果、事業完成の予定時期が平成35年度となったため。

 ② 特別水利使用者の最大取水量が9.2m3/sから9.026m3/sに変更
   東総広域水道企業団(水道0.114m3/s)、千葉市(水道0.06m3/s)の2者が撤退するため。

 那珂川水系の全漁協が霞ケ浦導水事業・那珂導水路の差し止めを求める裁判の審理が東京高裁で行われています。第2回の控訴審が4月19日(火)午後2時から、東京高裁812号法廷で開かれます。那珂川等の漁業に大きなダメージを与える霞ケ浦導水事業を中止させるべく、漁協とともに弁護士さんと専門家が頑張っています。

◆国交省関東地方整備局のホームページより
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000246.html
 霞ヶ浦導水事業計画の一部変更について 関東地方整備局河川部
  
 平成28年3月31日付けで、特別水利使用者の撤退等を反映する河川法の手続きを完了し、事業計画を変更しました

 記者発表資料より転載

霞ヶ浦導水事業に関する事業計画(第4回変更)について

1.事業概要
場 所:茨城県水戸市~稲敷市(那珂川、霞ヶ浦、利根川)
目 的:那珂川下流部、霞ヶ浦及び利根川下流部を連絡する流況調整河川を建設
 (1)河川湖沼の水質浄化
 (2)流水の正常な機能の維持と増進
 (3)都市用水の供給の確保

2.経 過
昭和51年度 実施計画調査着手
昭和59年度 建設事業着手
昭和60年度 事業計画策定(事業費:約1,600億円 工期:H 5年度)
平成 5年度 第1回変更 (事業費:約1,900億円 工期:H12年度)
平成13年度 第2回変更 (事業費:約1,900億円 工期:H22年度)
平成14年度 第3回変更 (事業費:約1,900億円 工期:H22年度)
平成19年度 記者発表 (事業費:約1,900億円 工期:H27年度)
平成21年度 「検証対象ダム」に選定
平成26年度 ダム検証について対応方針「継続」決定
平成27年度 第4回変更 (事業費:約1,900億円 工期:H35年度)

3.進捗状況 (平成28年3月31日現在)
用 地:用地取得100%
区分地上権 那珂導水路(石岡トンネル97%、土浦トンネル0%)
      利根導水路 100%
工 事:那珂導水路(水戸トンネル100%(約6.8km)、石岡トンネル30%(約7.4km/24.7km)、土浦トンネル0%(約11.6km))
利根導水路100%(約2.6km)
導水路立坑92%(11基/12基)
機場(2機場完、1機場陸上部のみ完、1機場未)

4.主な変更内容
①.工期を平成 22 年度※から平成 35 年度に 13 年間延長
現時点で工程を精査した結果、事業完成の予定時期が平成 35 年度となったため。
※第 3 回変更の工期は H22 年度であるが、平成 19 年 12 月 13 日に工期を 5 年延長し、平成27 年度に変更することを記者発表している。(以降、事業再評価において平成 27 年度を工期としている。)

②.特別水利使用者の最大取水量が 9.2m3/s から 9.026m3/s に変更
  東総広域水道企業団(水道 0.114m3/s)、千葉市(水道 0.06m3/s)の2者が撤退するため。