八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「樹齢700年ご神木、高台へ ダム水没予定地から移動」

 福岡県が建設中の五ケ山ダムの水没予定地にある樹齢700年の巨木「小川内(おがわち)の杉」(佐賀県天然記念物)を高台に移植する作業が行われています。

 福岡県の公式ホームページに移植作業状況が載っています。
 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/isyoku5.html
ー五ケ山ダムの建設に伴う「小川内の杉」(佐賀県天然記念物)の移植について 移設作業状況(その5)ー

キャプチャキャプチャ2

 

八ッ場ダム事業用地にも樹齢600年のご神木、長野原町指定天然記念物の大ケヤキがありました。
 http://www.hitozato-kyoboku.com/yokokabe.htm
 -横壁諏訪神社の大けやきー

 しかし、このご神木は、八ッ場ダム関連事業により2009年に伐採されています。 写真左=2005年5月27日  右=2009年4月5日
キャプチャ

 大ケヤキの生えていた横壁諏訪神社もすでに高台に移転しています。
 横壁諏訪神社については、八ッ場ダム対策委員会委員長を務めていた地元有力者(故人)により、神社が所有する土地が他の氏子たちに諮ることなく、国交省八ッ場ダム工事事務所に売買された問題が2007年に発覚しています。当時、当会では公開質問書を八ッ場ダム工事事務所に複数回提出しましたが、ダム推進派の地元有力者と国交省現地事務所の癒着という、八ッ場ダム事業の闇を正すには至りませんでした。
 https://yamba-net.org/wp/genjou/genchi/genchi-20071226/
ー横壁諏訪神社土地売買問題(2007年12月26日)ー

 八ッ場ダム水没予定地には多くの樹木があり、伐採作業が進められています。
 福岡県では、地元の要望があってご神木の移植作業が行われているようですが、巨木の移植は困難であり、将来的にどうなるかはわかりません。

 ◆2016年4月9日 朝日新聞福岡版
  http://www.asahi.com/articles/ASJ495GRYJ49TIPE00X.html
ー樹齢700年ご神木、高台へ ダム水没予定地から移動ー

 福岡県那珂川町と佐賀県吉野ケ里町で建設が進む五ケ山ダムの水没予定地にある巨木「小川内(おがわち)の杉」(吉野ケ里町)を約40メートル上の高台に移す作業が9日、行われた。地元神社のご神木を水没から守る移植作業の一環。立ったままの杉(鉄製の箱を含め総重量560トン)をジャッキで引き上げた。

 小川内の杉は樹齢約700~800年とされ、近くの山祇(やまづみ)神社のご神木。1956年に県の天然記念物に指定された。

 移植作業は今年2月下旬に始まった。元の場所から約220メートル南で、約40メートル高い場所にある山祇神社の横まで動かす計画。この日は、山の斜面に盛り土をして敷設した約170メートルのレール上を、杉を入れた鉄製の箱(縦12メートル、横10・5メートル、高さ13・5メートル)ごと引っ張り上げた。

 今後、神社のそばに杉を移動させ、5月ごろに作業を完了する予定。移植にかかる費用約7億8千万円は、ダム建設の主体となる福岡県が負担する。(磯部佳孝)