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滋賀県、流域治水推進条例に基づく「浸水警戒区域」初指定

 滋賀県では嘉田由紀子・前知事が水害の危険性が高い地域に建築規制などを義務づける「流域治水推進条例」を2014年3月に制定しました。
 水害危険地域の建築規制を行うのは、今まで例がなく、画期的な条例です。この条例に基づく最初の「浸水警戒区域」指定手続きが始まったことが報道されています。

◆2017年2月24日 朝日新聞滋賀版
http://digital.asahi.com/articles/ASK2R547GK2RPTJB00L.html
ー「浸水警戒区域」に初指定へ 米原市村居田地区ー

 県の流域治水推進条例に基づき、水害の危険性が高い地域に建築規制などを義務づける「浸水警戒区域」に、米原市村居田地区の約13ヘクタールを指定する手続きが始まる。同区域は、ダムだけに頼らない治水を目指す県条例の核心で、指定されれば初めてになる。

 条例は2014年3月に施行された。浸水警戒区域は、200年に1度の大雨で3メートル以上の浸水が予測される区域が対象。住宅を新築、増改築する際に敷地をかさ上げするなどして、想定される水位より高い位置に居室を設けるよう義務づけている。県は上限400万円を助成する。

 県流域治水政策室によると、指定に向けた重点区域は県内に約50カ所あり、米原市村居田地区はモデル地区の一つ。姉川中流の左岸に位置し、支流の出川が地区内に流れ、約90世帯が暮らす。

 地区では10年から水害に強い地域づくりに向けた取り組みを続けてきた。県は、水害リスクのある二十数世帯について家屋の調査を実施。昨秋に住民に対して個別の説明会を開いたり、地権者に資料を送ったりし、住民が今年1月、地区の総会で指定を受け入れることを決めた。指定されるのは出川下流の約13ヘクタールで、対象区域には22世帯がある。

 28日に県湖北合同庁舎(長浜市)で湖北圏域水害・土砂災害に強い地域づくり協議会が開かれ、同地区の合意について報告される。今後、審議会などを経て、6月ごろに指定が決まる見通しだ。

 県流域治水政策室は「地先の安全度マップという予測に基づいて、土地の使い方や家の建て方などを定めた制度は例がない。国も水害リスクの軽減に向けて検討しており、そうした先行事例となる」としている。

 村居田地区の塚本良典自治会長(64)は「将来子や孫が住むかもしれない地区が安全になればとの思いからだ。県でも地区の治水計画を考えてほしい」と話した。(新井正之、上野満男)