八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

2015年大寒 川原湯温泉の湯かけ祭り

 大寒の本日早朝、八ッ場ダム予定地の川原湯温泉では湯かけ祭りが行われました。
 今年の湯かけ祭りは、水没予定地から代替地へ移転して初めての開催でした。

 先代当主が湯かけ音頭を作詞したやまた旅館のホームページに、湯かけ祭りについての詳しい解説が載っています。
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~yamata/page014.html
 湯かけ祭り考

◆2015年1月19日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/6914215940908539/news.html
ー継承に感謝 あす川原湯で代替地初の湯かけ祭りー

 川原湯温泉(長野原町)の「湯かけ祭り」が大寒の20日早朝、打越代替地に新設された共同浴場「王湯」前で行われる。
 代替地で営業を再開した旅館がある一方、今だ移転できていない旅館もあるが、「これまで通り開催できることに感謝したい」と地元住民は一丸となって準備を進めている。
 18日は約40人が舞台装置を飾り付けしたり、祭りに参加する選手が持つたいまつを作った…

◆2015年1月20日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150120k0000e040198000c.html
ー湯かけ祭り:400年の伝統守り 群馬・川原湯温泉街ー

 大寒の20日早朝、群馬県長野原町の八ッ場(やんば)ダム建設に伴い移転した川原湯温泉街で、無病息災を祈って湯をかけ合う伝統の「湯かけ祭り」があった。

 祭りは約400年前、一時枯れた温泉が湧出(ゆうしゅつ)し、「お湯湧いた」と喜んだのが「お祝いだ」と転じたのが始まり。この日は午前5時半過ぎ、赤と白の下帯姿の男性約60人がかけ声とともに勢いよく湯をかけ合うと、辺りは湯けむりに包まれた。総大将を務めた同町の建築業、豊田和男さん(44)は「ダム建設で子どものころの風景とは変わってしまったが、受け継がれてきた伝統は自分たちが守っていきたい」と語った。

 八ッ場ダムは21日から本体工事に入る予定。完成は2019年度中を見込む。【角田直哉】

◆2015年1月20日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015012001001442.html
ー群馬・川原湯で「湯かけ祭り」 粉雪舞う中、「お祝いだ!」ー

 群馬県長野原町の川原湯温泉の共同浴場「王湯」で20日、「湯かけ祭り」があり、紅白に分かれた下帯姿の男たちが無病息災を祈願して、威勢良く湯をかけ合った。八ツ場ダム完成後に水没する王湯を高台に移してからは初めての開催。
 気温が氷点下3度まで冷えた午前5時45分ごろ、粉雪が舞う中、約60人の男たちが「お祝いだ!」と叫びながら、勢いよく湯をかけ合うと、あちこちで水しぶきや湯気が上がった。
 同協会によると、約400年前、突然湯が出なくなった源泉に当時の村人がニワトリをささげると再び湧き出し「お湯湧いた」(お祝いだ)と喜びながら湯をかけ合ったのが起源とされる。

◆2015年1月20日 産経新聞
http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/150120/lif15012011130009-n1.html
ー「王湯」高台に移し初の「湯かけ祭り」川原湯温泉 八ツ場ダム建設の影響でー

 群馬県長野原町の川原湯温泉の共同浴場「王湯」で20日、「湯かけ祭り」があり、紅白に分かれた下帯姿の男たちが無病息災を祈願して、威勢良く湯をかけ合った。八ツ場ダム完成後に水没する王湯を高台に移してからは初めての開催。

 気温が氷点下3度まで冷えた午前5時45分ごろ、粉雪が舞う中、約60人の男たちが「お祝いだ!」と叫びながら、勢いよく湯をかけ合うと、あちこちで水しぶきや湯気が上がった。

 川原湯温泉観光協会の樋田省三会長(50)は「移転まで大変だったけど、祭りを続けられて良かった」と笑顔で話した。

 同協会によると、約400年前、突然湯が出なくなった源泉に当時の村人がニワトリをささげると再び湧き出し「お湯湧いた」(お祝いだ)と喜びながら湯をかけ合ったのが起源とされる。

◆2015年1月20日 NHK首都圏ニュース
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/1004666171.html
ー川原湯温泉で「湯かけ祭り」ー

群馬県長野原町にある温泉街の伝統行事「湯かけ祭り」が、八ッ場ダムの建設に伴って移転した新しい共同浴場で初めて行われ、会場は熱気に包まれました。

長野原町にある川原湯温泉の「湯かけ祭り」は、およそ400年前に温泉が枯れ、神社にニワトリを納めたところ再びお湯が沸いたことから、お湯をかけ合い喜びを分かち合ったのが始まりとされています。
これまでの祭りの会場は、工事が進みつつある八ッ場ダムが完成すれば水没するため、ことしは高台に去年移転した共同浴場で初めて行われました。
会場には朝5時から、下帯姿の住民などおよそ50人が集まりました。
雪がぱらつく寒空のもと、神事を終えた住民たちは、寒さで体を震わせながらも「お祝いだ」と叫びながら、浴槽からすくったお湯をおけで互いに掛け合い、中には見物客にまでお湯が飛ぶ場面もありました。
最後に高さ4メートルほどにつるされたくす玉をめがけてお湯をかけ、中から飛び出した4羽のニワトリをつかまえて祭壇に奉納しました。
ことしで10回目の参加になるという30代の男性は「場所が変わっても祭りの楽しさは変わりません。これからも参加し続けて地元を盛り上げていきたいです」と話していました。

◆2015年1月21日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20150121100580001.html
ー移転代替地で初の湯かけまつりー

 新天地でも、白い湯気の中に男たちの「お祝いだ」の声が響いた。大寒の20日早朝、長野原町の川原湯温泉で伝統の「湯かけまつり」が開かれた。昨年までの旧「王湯」前から、舞台を初めて移転代替地に移した。ダム本体の着工を目前に控え、400年以上続く祭りを守ってきた住民たちは「この先の400年も」と継承を誓った。

 粉雪が舞う午前4時45分。代替地の共同浴場「王湯会館」前で、湯かけ太鼓が打ち鳴らされた。神事の後、総大将の豊田和男さん(44)が「感謝の気持ちを持ってやるぞ!」と声を張り上げると、紅白に分かれ、手ぬぐいにふんどし姿の男たちが「お祝いだ」と叫んで湯をぶつけ合った。

 湯をかけ合う「合戦」は1時間近く続き、最後は紅白のくす玉を湯で割り、中のニワトリを取り合った。観客と会場が間近で、観光客も時折、湯を浴びながら見入っていた。

 昨年までは水没予定地の温泉街にあった王湯前で開かれ、王湯の源泉からくんだ湯を使った。周辺工事が進み、王湯は昨年6月に閉館。それを引き継ぐ王湯会館が新たな会場となり、住民が準備してきた。

 川原湯温泉協会会長の樋田省三さん(50)は「当日まで変更があった」と振り返った。源泉まで階段を上り下りした昨年までと比べ、王湯会館の内湯から湯をくむため往復の距離が短く、お湯が予想以上に早くなくなった。「最初だから失敗していいとみんなに言っていた。問題点を挙げてもらい、改善していく」という。「一年休むことなく続けてできたのは良かった。若い人が元気にやってくれれば、この先の400年も見えてくるのかな」

 総大将の豊田さんは「初めての会場で不安もあったが、盛大にできた。温泉のありがたさに感謝したい」と話した。赤組大将4年目の竹渕剛史さん(34)は「出場者と観客がごっちゃになった方が盛り上がる。みんなの意見を聞いて、来年、再来年ともっといい祭りにしたい」。白組大将3年目の篠原健さん(38)は「旧王湯の最後と、新しいところの最初に大将ができて誇りに思う」と語った。

 昨年、同町に誕生した宿泊施設付き農園「クラインガルテンやんば」の滞在者で川崎市の今野昭男さん(69)は妻と訪れ、「東京の下町生まれなので祭りが大好きだが、裸で湯をかけ合う祭りは初めて」と熱心に見入っていた。

 八ツ場ダム本体予定地では21日から、堤を造る部分の地盤を掘る「基礎掘削」の作業が始まり、本体工事が着工となる。重機で削れない固い岩盤を爆薬で壊す準備が21日午前から進められ、22日に発破が予定されている。(井上怜、土屋弘)