参院選を控え、埼玉選挙区の主な候補者に対して実施した八ッ場ダムに関する公開アンケートの回答結果をお伝えします。
 (候補者のお名前は敬称略とさせていただきます。)

 ☆八ッ場ダムに関する公開アンケートをお送りした埼玉選挙区の候補者
・伊藤 岳(共産)    
・大野 もとひろ(民進)
・西田 まこと(公明)
・関口 まさかず(自民) 
・沢田 良(おおさか維新)

 これまでに伊藤岳候補(共産)から回答が届いています。他の候補からの回答は未着です。

 公開アンケートの各質問に対する伊藤候補の回答を以下に太字で掲載します。
 (質問2、3、4の質問の回答は、複数選択可となっていました。選択回答以外の記述は、回答の末尾に掲載しました。)

1. 八ッ場ダムは64年前に構想が発表されたのち、さまざまな問題により事業が長期化してきましたが、国交省関東地方整備局は2015年1月、ようやく本体工事に着手しました。国の名勝・吾妻渓谷では、さる6月14日、減勢工のコンクリート打設が開始されたと報道されています。
 八ッ場ダムの本体工事をこのまま進めるべきだと思われますか?

ア 進めるべき  
イ 進めるべきでないー 伊藤岳 
ウ その他

2. 今年は渇水年とされます。利根川水系ダムの水位低下を受け、国交省関東地方整備局は6月16日より利根川の10%取水制限を実施していますが、ダムから盛んに放流した時に利根川河口堰から河川維持用水を大幅に上回る流量が海へ流出しており、ダムの過剰放流の問題が指摘されています。
 八ッ場ダム計画では、利水(都市用水の開発)が八ッ場ダムの主目的の一つとされます。ただし、八ッ場ダムの夏期利水容量は2,500万立方メートルですから、八ッ場ダムができても既設の利根川水系ダムの夏期利水容量34,349万立方メートルが7%しか増えません。
 一方、利根川流域の都市用水の需要は、1990年代から減少の一途を辿っており、1992年度から2013年度までの21年間に232万立方メートル/日も減りました。この減少量は八ッ場ダムの開発水量143万立方メートル/日(通年換算)の1.6倍にもなります。さらに国立社会保障・人口問題研究所は、利根川流域一都五県でも八ッ場ダムが完成する2020年代には人口減少が顕著になると推計しており、利根川流域の都市用水の需要はますます縮小していくとされています。
 八ッ場ダム事業に参画している東京都、群馬県などでは、ダム完成後、水道水源として利用してきた地下水を切り捨て、利根川からの取水量を増やすことになります。
 「渇水」に対して、どのような備えが必要とお考えになりますか?

(複数選択可)
ア 八ッ場ダムの早期完成を目指す。
イ 利根川水系ダムからの過剰放流を見直す。ー伊藤岳
ウ 利根川流域の水需要の縮小傾向を踏まえた水行政を進める。ー伊藤岳 
エ 水質のよい地下水を自己水源として使用し続ける。ー伊藤岳
オ その他

3. 八ッ場ダムの主目的は「利水」とともに「治水」(利根川の洪水調節)です。
 昨年9月の東北・関東豪雨では、利根川支流の鬼怒川が氾濫し、流域に甚大な被害をもたらしました。鬼怒川上流には2012年度に竣工したばかりの湯西川ダムを含む四基の巨大ダムがありますが、洪水時の雨の降り方は様々であり、上流ダムで洪水調節をしても、ダム上流域以外の流域での雨量が急増すれば、中下流は氾濫の危険にさらされます。今回の鬼怒川堤防決壊はその典型例でした
 利根川の治水のために、どのような対策が必要とお考えになりますか?

(複数選択可)
ア 八ッ場ダムの早期完成を目指す。
イ 上流ダムの建設を優先するこれまでの河川行政を見直し、河川改修に力を注ぐ。-伊藤岳
ウ 国交省内ですでに実証されているがお蔵入りとなっている堤防強化工法(耐越水堤防工法)を導入して、破堤を防止する。ー伊藤岳
エ その他

4. 八ッ場ダム事業では水没住民の生活再建策として「現地再建ずり上がり方式」を採用したことにより、ダム湖は多くの住宅に取り囲まれることになります。住民の移転代替地は20~50メートルの高盛土による人工造成地です。しかし、八ッ場ダム予定地は地質が脆弱であり、八ッ場ダム完成後、湛水による水位の上下が地すべりを誘発する可能性が懸念されています。八ッ場ダム湖の湛水について、どのようにお考えになりますか?

(複数選択可)
ア ダム本体完成後、予定通り試験湛水を行う。
イ 湛水後の地すべり発生の危険性について徹底した調査を行う。
ウ 湛水を行うべきではない。
エ その他ー伊藤岳
伊藤岳ー「八ッ場ダムの本体工事そのものに反対しており、工事完成を前提にした設問にはお答えできません。」

5. 2009年までの自公政権下では、ダム事業費に組み込まれていた地すべり対策費は6億円弱でしたが、民主党政権下の2011年、国交省は追加の地すべり対策と代替地の安全対策に約150億円必要と試算しました。
 その後、国交省は八ッ場ダム湖の湛水に備え、地すべり対策と代替地の安全対策のためのボーリング調査を実施してきましたが、調査結果は公表しておらず、増額の可能性も明らかにしていません。
 地すべり対策と代替地の安全対策の費用について、どのように思われますか?

ア 現事業費に組み込まれている約6億円弱の対策費用で問題ない。 
イ 国交省が追加の地すべり対策と代替地の安全対策を実施すべきと判断した場合は、八ッ場ダム事業費の再増
  額はやむをえない。
ウ 事業費の大幅増額が避けられない八ッ場ダム事業は中止すべきである。ー伊藤岳
エ その他