毎年8月末、新聞の群馬版では八ッ場ダムの来年度の概算要求額が報じられます。
 今朝の上毛新聞が、国交省の来年度予算の概算要求で八ッ場ダム事業は今年度当初予算比26%増の435億円が盛り込まれた、と報じました。

ダムサイト 国交省の概算要求の総額は6兆6944億円で、こちらも前年度比16%増とのことです。
 八ッ場ダム事業は「利根川の洪水被害の軽減」を主目的としていますので、「防災対策」に含まれるわけですが、実際には殆ど「防災」の役に立たないという問題を抱えたまま、本体工事が進められています。
写真右=ダムサイトのある国の名勝・吾妻峡。ダムサイトの手前(上流側)に廃線になったJR吾妻線の鉄橋が見える。2017年8月25日撮影。

 八ッ場ダム建設事業費は、当初計画では2110億円でしたが、2004年に4600億円へ増額、そして昨年5320億円へ再度増額されました。今年度の予算額を昨年度までの実施済み事業費に加えた額は、昨年の増額前の4600億円に限りなく近い4582億円でした。これに来年度の概算要求額を加えると5017億円となります。
 八ッ場ダムの完成予定は2019年度ですが、地すべり対策などが嵩み、三度目の増額が行われる可能性があります。八ッ場ダム事業では、事業費の大半がダム本体工事以外の「生活再建関連事業」に費やされています。

◆2017年8月31日 上毛新聞
ー八ッ場に435億円 国交省概算要求ー

 国土交通省は2018年度予算の概算要求をまとめ、長野原町で建設が進む八ッ場ダムについて、本体工事などの事業費として、17年度当初予算比26%増の435億円を盛り込んだことが30日、分かった。

 19年度の完成に向けてダム本体工事が本格化していることから要求額を増額した。国交省は「完成に向けて必要な経費を計上した」と説明した。事業費には地方自治体の負担分も含まれている。

 県特定ダム対策課は「引き続き、1日も早いダムと生活再建事業の完成を要望したい」とした。

 国交省の概算要求総額は、17年度当初予算比16%増の総額6兆6944億円。うち公共事業関連費は16%増の6兆238億円。空港や港湾、道路などのインフラ整備を進めるほか、豪雨などに備えた防災対策、訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備に力を入れる。

 八ッ場ダムは、昨年6月に始まった本体のコンクリート打設工事は7月末段階で打設高が3割となり、放水ゲートの「常用洪水吐」を本体に取り付ける作業が近く行われる見通し。

~~~転載終わり~~~

 国土交通省ホームページより
 八ッ場ダム事業などの河川事業を管轄する水管理・国土保全局関係の「平成30年度予算概算要求概要」
 http://www.mlit.go.jp/common/001199072.pdf

 1ページ
 一般公共事業費 9,285 億円
 治水事業等関係費 9,222 億円
 うち河川関係 7,818 億円、砂防関係 1,243 億円、海岸関係 162 億円

 5ページ
キャプチャ 2-1 治水事業等関係費
 (1) 防災意識社会への転換の加速化 【5,914億円】
 1) 水害の頻発・激甚化に対応する治水対策 【4,955億円】
  気候変動等に伴う水害の頻発・激甚化を踏まえて、治水対策を計画的に実施するとともに、激甚な水害が発生した地域等において、再度災害防止対策等を集中的に実施する。また、施設では防ぎきれない大洪水が発生することを前提として、社会全体で常にこれに備える「水防災意識社会」を再構築するため、ハード・ソフト対策を一体的・計画的に推進する。

 ○治水安全度の向上に大きく寄与する抜本的な治水対策
 想定される被害状況等を踏まえ、治水安全度の抜本的な向上を早期に図るため、放水路やダム等の整備を重点的に実施する。

写真=手前より水没線より下にある上湯原橋、道の駅が左岸側にある不動大橋(湖面橋)、ダムサイトに最も近い八ッ場大橋(湖面橋)。2017年8月20日撮影。
八ッ場ダム事業ではダム湖を跨ぐ湖面橋が4本建設され、その他にも周辺の道路事業と合わせて多くの橋が建設されている。一方、吾妻川に架かっている従来の橋は、ダムに水没する予定だが、上湯原橋、下田橋など、地すべり対策のために撤去される橋もある。
これら橋や道路の建設費、地すべり対策費などは八ッ場ダム建設事業費に含まれる。
不動大橋と上湯原橋と八ッ場大橋