八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

科学者と文化人、八ッ場ダム予定地の遺跡保存を訴える

2013年3月1日

 昨日、八ッ場ダム予定地の遺跡保存を訴える科学者と文化関係者が文化庁長官、国土交通大臣に申し入れを行いました。
 この申し入れに関する記事を転載します。

◆2013年3月1日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20130301100580001.html
 -科学者の会と文化人、遺跡群保存訴えるー 

 八ツ場ダム計画(長野原町)をめぐり、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」と作家の森まゆみさんら建設に反対する文化人が28日、本体工事は中止し、予定地から出土した遺跡群を保存するよう求める要望書を国土交通省と文化庁に提出した。

 これまでの発掘作業で、縄文時代から江戸時代までの遺跡が見つかっている。科学者の会などは、特に1783(天明3)年の浅間山噴火の際に泥流にのまれた集落跡は保存状態が良好で、価値が高いと主張。

 森さんは記者会見で「『日本のポンペイ』といってもいい遺跡。写真や記録を残すだけの保存でいいのか。想像力を喚起する遺跡で、天災の経験の継承にもなる」と保存の意義を訴えた。

 科学者の会は今本博健・京大名誉教授と川村晃生・慶大名誉教授が共同代表を務め、呼びかけ人9人、賛同者128人の全国の学者が名を連ねる。

 文化人は森さんや歌手の加藤登紀子さんら11人が呼びかけ、347人が賛同人になった。

◆2013年3月1日 上毛新聞

 -「ダム周辺に遺跡 八ッ場建設中止を」 反対派研究者ら訴えー

 八ッ場ダム(長野原町)の建設に反対する研究者でつくる「ダム検証のあり方を問う科学者の会」と作家の森まゆみさんらは28日、文部科学省で記者会見し、建設予定地には貴重な遺跡があるとして本体工事に着手しないよう訴えた。国土交通省と文化庁には、ダム中止と発掘調査の予算確保を求める要望書を提出した。

 同会によると、予定地の吾妻川流域には縄文時代などの遺跡が点在。1783年の浅間山噴火による堆積物で埋もれた東宮遺跡からは民家や酒蔵のほか、大量の繭や蚕のさなぎ、かめに入ったままの梅干しなど、当時の生活を示す出土品が見つかっている。「江戸時代の人々の暮らしがトータルで分かる遺跡」(県教委文化財保護課)だ。
 森さんは、古代ローマの都市が火山灰に埋もれて残っていたイタリアのポンペイ遺跡を引き合いに、建設予定地の遺跡は「日本のポンペイと言っていい」と保存の必要性を訴えた。
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 「科学者の会」が提出した要望書と文化関係者のアピールは、呼びかけ人、賛同人のお名前と共に以下に掲載しています。

 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」による要望書
 https://yamba-net.org/wp/?p=2323

 文化関係者のアピール
 https://yamba-net.org/wp/?p=2326