現状レポート

現地の状況

(更新日:2011年8月1日)

湖面1号橋のB/Cについての検討結果(2010年2月4日)

湖面1号橋の費用対効果(B/C)についての計算を事業主体の群馬県が行っていることがわかりました。
以下の検討結果で明らかなように、B/Cの計算のもとになるデータには現実離れした数字が使われており、実際にはB/Cは1を大きく下回ります。

地元の方々の中に、湖面1号橋の建設を望む声があるのは無理からぬことです。
けれども、ダム湖ができない場合、湖面1号橋は水没予定地の利活用、観光業にとって大きなマイナスとなり、地質が悪い場所に立つ巨大な橋脚は、将来、地域にとって大きな負の遺産となる可能性があります。
湖面1号橋の巨額な工事費用を住民の方々への補償、雇用の場づくり、高齢化する地域の福祉などに回すことができれば、生活再建・地域振興に直結します。

(1)水源地域整備事業による拡幅分のB/C

 平成20年度に群馬県により、湖面1号橋(県道川原畑大戸線)のB/Cの計算が行われている。ただし、その対象は水源地域整備事業による湖面1号橋の拡幅分(事業費5.1億円)についてである。

群馬県によるB/Cの計算結果

便益(B) 現在価値 9.3億円
(走行時間短縮便益9.1億円+走行費用短縮便益0.13億円+交通事故減少便益0億円)
費用(C) 現在価値 5.5億円
(事業費4.5億円+修繕維持費0.95億円)
B/C=9.3億円/5.5億円=1.7

 便益のほとんどを占める走行時間短縮便益は、計画交通量を1900台/日とし、拡幅の整備により走行時間2分を1分へ、1分間短縮できるという前提で計算されている。

 湖面1号橋の距離は1.33kmであるから、1分で通過するためには時速80kmで走行しなければならない。しかし、付替県道の設計速度は時速40kmであるから、この条件設定は設計速度を無視したもので、現実離れしている。

 湖面1号橋の拡幅をしても、走行速度は設計速度の時速40kmのままであるから、拡幅による便益は微々たるもので、そのB/Cを正しく計算すれば、1を大きく下回り、水源地域整備事業による拡幅分の事業は中止すべきだという結論になる。

(2)湖面1号橋全体のB/C

 ダム事業による湖面1号橋建設工事は補償工事になっているので、B/Cの計算は行われていないようであるが、そのB/Cを計算すれば、次に述べるように1を大きく下回ることは確実である。

 〔注〕補償工事といっても、湖面1号橋は町道川原湯久森線(栄橋)の水没機能補償のためのものであるから、無理矢理膨らませた補償工事である。

 湖面1号橋がない場合、川原畑付近から打越代替地まで湖面2号橋を通っていくとすれば、距離は約5.5kmで、走行時間は平均時速50kmとして、6.6分であるから、湖面1号橋を使うと、走行時間は4.6分短縮される。(湖面1号橋の走行速度を設計速度の時速40kmとし、走行時間を2分とする。)

便益(B) 湖面1号橋全体の便益を(1)の数字から比例計算すれば、
9.3億円×短縮4.6分/短縮1分=42.8億円(現在価値)
(走行時間短縮便益が便益のほとんどを占めるので、走行短縮時間で比例計算)
費用(C) 湖面1号橋全体の事業費は52億円であるから、費用も(1)の数字から比例計算すると、
5.5億円×52億円/5.1億円=56.1億円(現在価値)
B/C=42.8億円/56.1億円=0.76

 このように、湖面1号橋全体についてB/Cを計算すれば、1を大きく下回り、中止が妥当という結果になることは必至である。

 しかも、この計算は湖面1号橋の交通量を1900台/日とした場合である。川原湯温泉の過去25年間の観光客入込数の最大が年間約28万人(一日平均約800人)であることを踏まえれば、実際の交通量は1900台/日の半分以下になると予想されるから、本当のB/Cは上記の値よりかなり小さい数字になる。