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マスコミ報道の誤り―IV.大渇水到来のために八ッ場ダムが必要だという話の誤り

マスコミ・行政の問題

マスコミ報道の誤り

(2009年9月17日)

IV.大渇水到来のために八ッ場ダムが必要だという話の誤り

大渇水到来の話は八ッ場ダムには直結せず

石原慎太郎東京都知事は「異常気象が深刻化しており、日本だって、いつ干ばつにさらされるか分からない」から八ッ場ダムを必要だと語っているが、これは八ッ場ダムについての知識を持たないことによる発言である。

八ッ場ダムはそれほど大きなダムではなく、夏期は洪水調節のため、水位を下げるので、利水容量は2500万m3しかない。一方、利根川水系にはすでに11基のダムがあって、それらの夏期利水容量は合計では4億4329万m3あるから、八ッ場ダムができても、約5%増えるだけである。

渇水が起きることがあるのはほとんど夏期であるから、夏期の利水容量が重要であるが、八ッ場ダムはその容量が小さいダムなのである。

大渇水が来るという話自体が現実性のない話であるが、そのことはさておき、八ッ場ダムが完成しても、利根川水系ダムの状況が現状とそれほど変わるわけではないから、都知事の発言は完全にピント外れである。

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