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事務局だより
事務局だより : 「科学者の会」、国交省の有識者会議に関して要請書と公開質問書提出
投稿者 : ゲスト 投稿日時: 2012-05-24 (1413 ヒット)

2012年5月24日

 昨日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が民主党の前原政調会長へ要請書を、国交省有識者会議へ公開質問書を提出しました。
 これらの文書が公開されましたので転載します。末尾に関連記事も転載します。

 2012年5月23日
 民主党政策調査会
  会長 前原誠司 様

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
      代表 今本博健、川村晃生

    「今後の治水対策のあり方」の是正を求める要請書

 前原政調会長が、2009年9月に国土交通大臣に就任された時に、全国のダム事業を見直す方針を示され、そのことに力を注がれたことを私たちは高く評価しております。
 その後、ダム見直しの手順と基準をつくるため、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長 中川博次京都大学名誉教授)を設置されました。
 ところが、この有識者会議が2010年9月にまとめた「中間とりまとめ」(ダム見直しの手順と基準)は、前原政調会長が国土交通大臣当時に意図されていたものとはかけ離れ、「ダムが有利」という検証結果を得るだけの内容になってしまいました。すなわち、国や都道府県等のダム事業者が従来通りの利水や治水の必要性を前提としてダム案の残事業費と代替案の全事業費を比較するだけの評価法に矮小化されてしまいました。
 2010年10月から事業者によるダム検証が開始され、検証の結果が次々と国土交通省に報告されてきていますが、懸念されていたとおり、事業者に継続の意思がある場合はすべて、ダムが有利、継続が妥当という検証結果になっています。
 もちろん、事業継続の是非の最終判断は国土交通大臣が行うのですが、その判断のために諮問する「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は真っ当な審議を行わず、ダム事業者による検証結果をそのまま追認する機関に堕しています。
 この有識者会議の設置目的は、その「趣旨」に書かれているように「『できるだけダムによらない治水』への政策転換を進めるとの考えに基づき、今後の治水理念を構築し、提言する」ことにありますが、その設置目的は忘れ去られようとしています。
 そのため、前原政調会長が企図されたダム見直しのシステムは今や逆に、全国のダム事業に推進のお墨付きを与えるシステムになっています。
このような状況はダム事業の推進を目論む国土交通省の河川官僚がつくりだしたものですが、このままでは全国で不要不急のダム事業に膨大な公費が浪費され、自然が不可逆的に壊されていきます。災害誘発の危険性もつくられていきます。
 何としても、この流れを変えなければなりません。

 つきましては、前原政調会長が国土交通大臣当時に企図されたダム見直しの理念に基づき、政府に対して次の改善を求めるよう、要請いたします。

1 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が設置目的に沿った機能を果たせるように委員の人選を再考し、有識者会議の審議のあり方を根本から見直すこと。さらに時代遅れの一般非公開の会議のあり方を改め、有識者会議を全面公開すること。

2 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が2010年9月につくったダム検証の手順と基準「中間とりまとめ」は、ダム事業推進の道具に化しているので、それを廃止し、有識者会議の設置目的「できるだけダムによらない治水への政策転換」を真に実現できる検証の手順と基準を新たに策定すること


「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
 呼びかけ人
 今本博健(京都大学名誉教授)(代表)
 川村晃生(慶応大学名誉教授)(代表)
 宇沢弘文(東京大学名誉教授)
 牛山積(早稲田大学名誉教授)
 大熊孝(新潟大学名誉教授)
 奥西一夫(京都大学名誉教授)
 関良基(拓殖大学准教授)(事務局)
 冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)
 西薗大実(群馬大学教授)
 原科幸彦(東京工業大学教授)
 湯浅欽史(元都立大学教授)
               賛同者 126人

 連絡先
 〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14 拓殖大学政経学部
 関良基 気付 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」

 ~~~
 2012年5月23日

 国土交通省「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」
 座長 中川博次様
 委員 宇野尚雄様
 委員 三本木健治様
 委員 鈴木雅一様
 委員 田中淳様
 委員 辻本哲郎様
 委員 道上正規様
 委員 森田朗様
 委員 山田正様


 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
  (代表 今本博健、川村晃生)

          有識者会議のあり方についての公開質問書

 私たち「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は今まで貴有識者会議の各委員に対して、昨年11月13日には「ダム検証のあり方を問う公開討論会」への出席を要請し、今年3月1日には「有識者会議の全面公開を求める公開質問書」を提出しました。ところが、いずれも委員のどなたからもご回答がありませんでした。
 各委員が科学者であるならば、科学者の良心として、私たちの公開討論会への出席要請および公開質問書に対して答えることが責務であるにもかかわらず、回答を拒否されたことは、同じ科学者として私たちは信じがたい気持ちです。
 あらためて有識者会議のあり方について公開質問書を提出しますので、真摯に回答されるよう、お願いいたします。


1 有識者会議の非公開について
1-1 4月26日の会議における国土交通省の強権的な対応
 4月26日の第22回有識者会議は、石木ダム及び安威川ダムの予定地から傍聴を求めてこられた地元の人たちを完全にシャットアウトして開かれました。 当日は国土交通省が100~150名の職員を動員して、廊下に人間バリケードを幾重にもつくって、会議室に行く通路を遮断するとともに、傍聴を求めた来庁者の動向を監視し続け、トイレまで同行しました。有識者会議に一般市民が近寄れないように、まさしく常軌を逸した強権的な措置のもとに会議が開かれました。このようなことまでして公開を拒否し続ける有識者会議とはいったい何なのか、私たちは心底からの憤りと悲しみを抱かざるを得ません。
 このような強権的な措置のもとに有識者会議が開かれたことをどのように受け止めているのか、各委員のお考えをお聞かせください。

1-2 忌憚のない意見交換を行うことが非公開の理由になるのか
 非公開にしなければならない理由が何かあるのでしょうか。衆議院の質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質180第113号 平成24年3月13日)には次のように記されています。
 「有識者会議は、忌憚のない意見交換を行うために原則として非公開で開催することとされている。なお、平成22年9月27日以降に開催された有識者会議については、座長が委員の意見を踏まえ、報道関係者に公開することとしたところである。」
 これを読むと、「忌憚のない意見交換を行うため」ということだけが非公開の理由であり、政府が設置した公の会議に通用する話ではありません。そして、その理由も途中から報道関係者には解消しているのですから、一般市民を締め出す理由になるはずがありません。
 公開されれば忌憚のない意見を述べられない委員は辞任すべきです。
 忌憚のない意見交換を行うことがなぜ非公開の理由になるのでしょうか。 このことについて各委員のお考えをお聞かせください。

1-3 石木ダム予定地の地権者が審議の行方を見守る権利
 流会となった2月22日の会議と、今回の会議には石木ダム予定地の地権者が長崎県から急きょ駆けつけて傍聴を求めました。石木ダムは事業者の長崎県が土地収用の事業認定を九州地方整備局に申請しており、有識者会議がダム推進の検証報告を追認して国土交通大臣がそれに沿った方針を決定すれば、九州地方整備局はそれを受けて事業認定を行い、反対地権者には強制収用がかけられることになります。だからこそ、地権者は故郷を奪われることにつながる有識者会議の審議の行方を見守りたいと、必死の思いで傍聴を求めたのです。ダム予定地の地権者はこれからの生活の根底に係る審議の行方を見守る権利があります。
 有識者会議はこの地権者の切実な思いをなぜ踏みにじったのでしょうか。このことについて各委員のお考えをお聞かせください。


2 有識者会議の設置目的と判断基準について
2-1 有識者会議の設置目的は何処へ
 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の設置目的は、その「趣旨」に書かれているように「『できるだけダムによらない治水』への政策転換を進めるとの考えに基づき、今後の治水理念を構築し、提言する」ことにあります。ところが、有識者会議は、今まで審議が終了した28ダム事業についてはいずれも、ダム事業者の検証結果をそのまま追認しており、設置目的に沿った審議がほとんど行われていないと考えざるをえません。28ダム事業のうち、20事業が継続で、残りの8事業は中止ですが、これは事業者が中止が妥当と判断したものであり、有識者会議自らの判断で中止に導いたものは一つもありません。このように有識者会議はダム事業者の検証報告をそのまま受け入れる追認機関になっています。
 「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるという有識者会議の設置目的はどこにいってしまったのでしょうか。このことについて各委員のお考えをお聞かせください。

2-2 有識者会議の役割は中間とりまとめに沿っているか否かのチェックだけなのか
 有識者会議の役割について毎回の会議で座長が次のように述べています。「当有識者会議は、国土交通省に対し、中間とりまとめで示した『共通的な考え方に沿って検討されたかどうか』について意見を述べることとしている。これらのことは当有識者会議の『中間とりまとめ』に明記している。・・・・当有識者会議としての役割はすでに果たしているものと考えている。」
 このように、ダムにたよらない方策を最大限に進めるという本来の設置目的は消え、有識者会議の役割を、中間とりまとめに沿った検討が行われているかどうかのチェックに限定していることは、国民に対する背信行為であると言わざるをえません。なぜなら、有識者会議によってダムによらない方策が進められることを期待している国民の願いを踏みにじるものであるからです。
 中間とりまとめに沿った検討がされているか否かのチェックは事務的な作業に過ぎず、それだけの審査ならば専門的な知見を必要としませんので、有識者会議で各ダムの検証報告を審議すること自体が無意味です。
 有識者会議の役割を中間とりまとめに沿っているか否かのチェックに限定してよいのでしょうか。このことについて各委員の見解を明らかにしてください。

2-3 中間とりまとめという判断基準もあいまいに
 しかも、驚くべきことに、石木ダムについて審議した第22回会議の様子を聞くと、上記のとおり、中間とりまとめの共通的な考え方が唯一の判断基準であるとしているにもかかわらず、その判断基準をもあいまいにしてしまいました。この会議では、或る委員が、「石木ダムの検証報告は、中間とりまとめが求めている『土地所有者等の協力の見通しはどうか』の実現性が明記されておらず、中間とりまとめの条件をみたしていない」と指摘したところ、座長は、「今までの全国のダム検証報告は共通の考え方が整ったものばかりではなかったと思う。」と述べ、この委員の問題提起を否定したと聞いています。座長がこのようなことを言ってしまったら、有識者会議の判断基準は何もないことになります。座長が毎回繰り返し述べてきた中間とりまとめという判断基準をもあいまいにするようでは、一体、有識者会議は何をもって、各ダムの検証報告の是非を判断してきたのでしょうか。
 有識者会議の各委員が各ダムの検証報告の是非を判断する基準をあらためて明らかにしてください。


3 ダム検証のあり方を問う意見交換会
 2-1で述べたように、有識者会議の趣旨に「『できるだけダムにたよらない治水』への政策転換を進めるとの考えに基づき」と書かれているように、ダムによらない方策を最大限に進めることがダム検証の本来の目的であったにもかかわらず、有識者会議の実態は、多くのダム事業にゴーサインを与えるものになっています。なぜ、このようなことになるのか、その理由を探るため、私たちは委員の皆様と、公開の場で胸襟を開いて冷静に意見交換を行うことを熱望しています。
 このような意見交換会に出席する意思をお持ちかどうか、各委員のお考えをお聞かせください。


 以上の7点に対するご回答をそれぞれの項目について6月6日(水)までに下記の連絡先へメールまたはFAXでお送りくださるよう、お願いいたします。
 貴有識者会議の各委員が科学者としての良心に基づき、本公開質問書に対し、誠意ある対応をされることを期待いたします。



 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
 呼びかけ人
 今本博健(京都大学名誉教授)(代表)
 川村晃生(慶応大学名誉教授)(代表)
 宇沢弘文(東京大学名誉教授)
 牛山積(早稲田大学名誉教授)
 大熊孝(新潟大学名誉教授)
 奥西一夫(京都大学名誉教授)
 関良基(拓殖大学准教授)(事務局)
 冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)
 西薗大実(群馬大学教授)
 原科幸彦(東京工業大学教授)
 湯浅欽史(元都立大学教授)

               賛同者 126人

 連絡先
 連絡先
 〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14 拓殖大学政経学部
 関良基 気付 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」

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◆2012年5月24日 上毛新聞20面

 -有識者会議の委員 人選見直しを要望 八ッ場ダム反対の研究者ー

 八ッ場ダム(長野原町)の建設再開を批判する研究者らでつくる「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は23日、国土交通省の有識者会議が十分な検討をしないまま各地のダム建設継続を追認しているとして、民主党の前原誠司政調会長に委員の人選見直しなどを求める要請書を提出した。
 要請書は、前原氏が国交相時代に設置した有識者会議が、ダムの必要性を検証するという本来の目的を果たさずに「建設推進のお墨付きを与えるシステムになっている」と批判。できるだけダムに頼らない治水を実現するため、事業を厳しくチェックする新基準を策定することや、委員の見直し、会議の全面公開を求めている。
 同会は有識者会議の各委員にも、会議を公開しない理由などをただす公開質問状を提出した。


◆2012年5月24日 長崎新聞
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/05/24091922.shtml

 -治水対策是正を民主に要請 石木ダム反対「科学者の会」ー


 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に反対する「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(東京)は23日、民主党政策調査会に治水対策の是正を求める要請書を提出した。

 同会は今本博健京都大名誉教授(河川工学)ら11人が呼び掛け人となり、全国の学者126人が賛同。国のダム検証を疑問視して活動している。

 要請書では、同事業の継続を認めた国の有識者会議について「まっとうな審議を行わず、ダム事業者による検証結果をそのまま追認する機関となっている」と指摘。委員の再選考や新たな検証手順の策定などを求めている。

 また、有識者会議に対しても会議の役割や設置目的など計7点を問う質問書を提出した。

 同事業に反対する市民グループ「石木川まもり隊」の松本美智恵代表は「国主体でダム事業を検証するという本来の目的が達成されていない」と指摘。

 同隊などは、有識者会議の検証結果や同事業の問題点を考える緊急報告会を31日午後6時半から、佐世保市戸尾町のさせぼ市民活動交流プラザで開催する。参加無料。問い合わせは宮野さん(電0956・31・2782)。


◆2012年5月24日 朝日新聞長崎版
http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000001205240002

 ◎石木ダムめぐり質問状

 県と佐世保市が川棚町に計画中の石木ダムの再検証をめぐり、国の有識者会議が事業を継続すべきだとする県の方針を了承したことに対して、

 ダム建設の見直しを求める「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(共同代表=今本博健・京大名誉教授ら)は23日、有識者会議に公開質問状を提出した。

 質問は7項目。4月26日に開かれた会議で地元地権者の傍聴を認めず非公開とした理由や、了承を決めた判断基準について見解をただしている。

 また同日、民主党の前原誠司・政調会長に対し、有識者会議の委員の人選を再考し、公開のあり方を見直すよう求める要請書を提出した。


◆2012年5月24日 読売新聞長崎版 

 -有識者会議改善 前原氏に求めるー

 石木ダム反対団体

 国の方針で再検証の対象となっている石木ダム(川棚町)の建設問題で、事業継続に反対する専門家らでつくる「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は23日、民主党の前原政調会長に対し、国土交通省0詔附機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の公開や検証方法の見直しなどを求める要請書を提出した。

 要請書では、「ダム事業継続の是非を協議するはずの有識者会議が、事業者がまとめた検証報告を追認するだけになっている」と指摘。前原政調会長が国交相だった時に設けた再検証システムが「逆にダム事業の推進にお墨付きを与えている」として、政府に改善を求めるよう訴えている。

 「科学者の会は、有識者会議にも、会合を非公開にする理由やダム事業の是非を評価する際の判断基準など7項目を問う公開質問書を提出。6月6日までに文書での回答を求めた。

 科学者の会は「有識者会議は、第三者が自立して再検証するという役割を果たしていない。(前原政調会長は)設置した張本人として責任を果たすべきだ」としている。


◆2012年5月25日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581205250001

 -有識者会議見直し 科学者の会が要請ー

 八ツ場ダムの再検証に関連し、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(共同代表=今本博健・京大名誉教授、川村晃生・慶大名誉教授)は23日、民主党の前原誠司政調会長に、国土交通相の諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長=中川博次・京大名誉教授)の見直しを求める要請書を出した。

 「委員の人選再考と会議の全面公開」「ダムによらない治水への政策転換を実現できる手順と基準の策定」の2項目を求めた。

 有識者会議の委員9人にも、非公開の理由など7項目の公開質問書を送った。

 有識者会議は、建設再開が妥当とする国交省関東地方整備局の検討結果を了承。建設再開の流れをつくった。