2013年4月18日

 大型連休を前に、八ッ場ダムのPR館「やんば館」が現在地から間もなく開業する「道の駅」へ移転すると、今朝の上毛新聞が報じています。

 「やんば館」は現在は、吾妻川に沿って走る国道の脇に建っています。「やんば館」の展示は八ッ場ダム事業をPRすることが目的ですので、ダム事業のマイナス面には触れず、ダムの必要性や環境への配慮など、事実を歪曲した展示が多く、「水没予定地に建てられたやんば館そのものが壮大なムダだ」と言われてきました。これに対して、国交省現地事務所は、いずれは建物をそのままずり上げて、ダム湖畔に移転すると説明してきましたが、建物はずり上げず、規模を縮小して「道の駅」内に移転することになったようです。
 
 今年1月、東京新聞は、この「やんば館」に掲げられた八ッ場ダムの必要性を訴える展示物に問題があることを大きく報じました。記事で取り上げられた展示物は、どうなるのでしょうか?

 ◆2013年1月21日 東京新聞 こちら特報部の記事はこちらでご覧ください。
 八ッ場ダムニュース:八ッ場ダムPR施設「やんば館」の過剰宣伝

 吾妻川沿いの国道は、名勝・吾妻渓谷とその上流の水没予定地を貫くメインロードです。四季折々の景観の美しさは抜群ですが、ダム事業により、標高の高い位置に付け替え国道が造られ、交通量は激減しました。現在の「やんば館」の正面には、2009年の政権交代当時、十字架状だった湖面2号橋(不動大橋)が聳え、吾妻川沿いには、久森(くもり)たんぼが広がっています。「やんば館」の下流側には、群馬県の埋蔵文化財調査事業団の現地事務所があります。ここは、かつて長野原第一小学校があったところでした。

 
 かつての長野原第一小学校の写真
 http://www8.wind.ne.jp/kumori/

 群馬県民は新しもの好きと言われ、ゴールデンウイークに合わせて開業する「道の駅」はしばらく賑わうことでしょう。
 忘れ去られた国道に立ち寄ってみることをおススメします。

◆2013年4月18日 上毛新聞より転載

 -長野原「やんば館」が26日閉鎖 ダムPR 新天地で 近隣道の駅に機能移転ー

 長野原町林にある八ッ場ダム広報センター「やんば館」が27日、八ッ場バイパス沿いに開業する道の駅「八ッ場ふるさと館」内に機能を移転する。バイパスの開通により、同館の前を通る国道145号の交通量が大幅に減ったことや、道の駅の利用者増につなげるのが主な理由だ。2009年の民主党政権によるダム建設の中止表明で全国の注目を集め、年間10万人を超える来館者が押し寄せた現在の建物は26日で閉鎖される。
 移転先は、道の駅内の情報発信コーナー。スペースが限られているため、展示資料は一部のみとなるが、これまで同様に職員が常駐して対応に当たる。
 やんば館は、ダム建設により恩恵を受ける下流都県の人たちに、地元の苦労や歴史、ダムの必要性を理解してもらうため、国土交通省(当時は建設省)八ッ場ダム工事事務所が1999年4月30日に開所した。
 来館者は年間2万人程度だったが、09年の政権交代で、当時の前原誠司国交相がダム建設中止を表明すると急増。10年度は13万5千人が訪れた。その後も5~7万人台で推移しており、累計来館者数は60万人を超えている。
 水没予定地の生活再建事業として新設される道の駅内への移転は、こうした知名度を生かし、同駅に人を呼び込む狙いもある。
 やんば館がある国道145号は吾妻渓谷沿いを通り、川原湯温泉を訪れる人や草津方面へのアクセス道として多くの観光客が利用してきた。だが、付け替え国道145号(八ッ場バイパス)が11年12月に全線開通すると、車の流れが激変。同事務所によると、現在はバイパスと現国道の交通量は9対1の割合という。
 同事務所は「広報機関なので、より多くの人に寄ってもらえる環境は大切。これだけの来館者がいるのは道の駅にとっても大きく、互いにメリットがある」としている。