八ッ場ダム事業の問題点

(更新日:2013年5月1日)
 八ッ場ダム事業は計画当初から多くの矛盾を抱えていましたが、問題の解決を先送りにしてきたため、時が経つにつれ、問題がより一層深刻化しています。
 これらの問題は、大なり小なり他のダムでも見られるものですが、ダム予定地の住民など、直接ダム事業に関わりのあった人々以外には、ほとんど具体的な情報が伝えられてこなかったのが実状です。
 八ッ場ダム事業が抱える様々な問題から主要なものを選び、各ページで解説しています。

ダム計画の迷走

 八ッ場ダムは20世紀の負の遺産です。21世紀に入ってから八ッ場ダム事業は計画変更を繰り返しており、今も迷走を続けています。
 ここでは、事業費と工期、そして八ッ場ダム事業の前提となっている吾妻川の中和事業を取り上げます。

過大な財政負担  事業費の増額  工期の延長  死の川だった吾妻川

八ッ場ダムの便益計算の欺瞞  洪水調節ルールの変更

ダム建設の目的

 八ッ場ダム建設の目的は、当初は「利水」(都市用水の供給)と治水(利根川の洪水調節)の二つでしたが、2008年のダム計画の変更により、新たに「発電」と「河川流量の維持」が加わりました。これらの目的について、国はその正当性を主張していますが、どの建設目的にも事実の歪曲があります。
 こうしたダム事業の実態を知れば、多くの国民は国が進める八ッ場ダム事業に疑問を抱かざるをえないでしょう。八ッ場ダムの建設目的のまやかしこそ、八ッ場ダムの問題の核心です。
 それぞれの目的の欺瞞性について、以下のページで解説しました。

首都圏の水あまり  期待できない治水効果

八ッ場ダムと発電  河川流量の維持

ダムによる損失と危険性

 八ッ場ダム事業では、1994年からダムの関連工事が始まりました。ダムの関連工事には、水没する道路や鉄道の付け替え、砂防工事など、様々な工事があり、八ッ場ダム事業ではダム事業費の9割以上の予算が関連工事で占められています。膨大な関連工事により、ダム予定地域は地形が改変されるほど破壊されてきました。
ダム事業が自然環境に与える打撃は決定的です。しかし、目に見える自然破壊に劣らぬほど深刻なのは、地域社会やそこに住む人々に対するダム事業の破壊力です。
 八ッ場ダムの予定地では、これらの破壊が過去から現在まで続けられてきましたが、ダムによる災害誘発の危険性、水没予定地の遺跡の破壊など、今後、さらに大きな犠牲がもたらされる可能性が危惧されています。
 これら八ッ場ダム事業が過去、現在にわたってダム予定地域にもたらしてきた災い、そしてこれから後に危惧される災いについて、以下のページで解説しています。

自然環境の破壊  水没する歴史遺産  地域の破壊  もろい地質