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八ッ場ダム本体関連工事に関する質問主意書と政府答弁

2013年6月11日

さる5月15日、今年度予算が成立して八ッ場ダムは本体関連工事約18億円を含む約98億円の予算がつきました。
そして5月17日、国交省関東地方整備局は八ッ場ダム本体関連工事の入札公告を行いました。
「本体関連工事」とは「本体工事」の前段となる工事とされ、国交省関東地方整備局のホームページに掲載されている記者発表資料によれば、「作業ヤード造成」「骨材プラントヤード造成」「工事用道路」となっています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000078561.pdf

「作業ヤード造成」は2009年、民主党政権が発足する前に行われた入札公告では「本体工事」に含まれていたものです。政権交代直前の2009年8月、国交省事務次官により延期された入札が「本体関連工事」という形で4年ぶりに復活することとなりましたが、なぜ同じ工事が「本体工事」とされず、「本体関連工事」となっているのでしょう。
実際に5月17日に行われた入札公告は、入札情報サービスによれば「骨材プラントヤード造成工事」、「盛土造成地線改良工事(工事用道路工事等)」、「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事」という工事名です。

http://www.i-ppi.jp/Search/Web/Koji/Kokoku/Search.aspx

前の二つは記者発表資料の工事名と同じですが、問題の「作業ヤード造成」は「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事」となっており、明らかに記者発表資料の工事名と違います。
入札公告には、工事場所「群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑地先」とあり、掘削工 約66,000㎥、落石防止網工 約3,500㎥という工事概算数量も示されています。
本体関連工事と言いながら、なし崩しで本体工事が行われるのではないか、という疑問を抱かざるをえません。

大河原雅子参議院議員(民主党)はこの問題を究明するため、5月28日に「八ッ場ダム本体関連工事に関する質問主意書」を提出しました。政府答弁書が6月7日に出され、参議院のホームページに掲載されています。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/183/meisai/m183107.htm

政府答弁書を見ると、上記の問題については、次のように答弁しています。

「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」は、八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な作業ヤードを造成するために、同ダムの本体工事予定箇所の左岸側の上部において、掘削工事を行うものである。
なお、記者発表においては、事業概要に記載されている同ダムの本体工事の準備に必要な関連工事のうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事の契約手続を開始する旨を公表したものであり、入札公告における工事名そのものを公表したものではない。」

しかし、「作業ヤードを造成するために、本体工事予定箇所の左岸側の上部において、掘削工事を行うから、入札公告には作業ヤードとは書かなかった」という話が通用するのか疑問です。作業ヤードを造成するのに約66,000㎥の掘削工というのは、いかにも掘削量が多いですし、答弁書では、その下を今も走っているJR吾妻線や国道への落石を防止する防護柵などの対策を講じるとも説明しており、かなり大規模な工事が行われることは間違いありません。

以下に、質問主意書と政府答弁書を項目ごとに整理して並べてみました。

八ッ場ダム本体関連工事に関する質問主意書と答弁書(参議院)  提出者 大河原雅子参議院議員
質問主意書 平成二十五年五月二十八日
答弁書   平成二十五年六月七日

国土交通省関東地方整備局は本年五月十七日、八ッ場ダム建設事業について平成二十五年度予算に計上された本体工事の準備に必要な関連工事(本体関連工事)の契約手続きを開始した。この本体関連工事に関して不明な点があるので、以下質問する。真摯に答えられたい。

一 八ッ場ダムの本体関連工事の契約手続きの内容
【質問】
関東地方整備局が五月十六日に発表した記者発表資料によれば、五月十七日に行う契約手続きは、①骨材プラントヤード造成(掘削工及び盛土工、約九ヶ月、二から三億円未満)、②工事用道路(道路改良、約九ヶ月、二から三億円未満)、③作業ヤード造成(掘削工、約十五ヶ月、二から三億円未満)となっているが、相違ないか。
【答弁】
平成二十五年五月十六日に国土交通省関東地方整備局(以下「関東地方整備局」という。)が行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事の契約手続の開始に係る記者発表(以下「記者発表」という。)において、同月十七日から契約手続を開始する工事として示したものは、関東地方整備局のホームページにおいて公表している「平成二十五年度主要事業の概要」(以下「事業概要」という。)の十四ページに「平成二十五年度予定」の工事等として記載されているもののうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事であり、これらの個々の工事の概要、工期及び規模について、工事ごとに示すと、次のとおりである。
作業ヤード造成に関する工事掘削工約十五か月二億円以上三億円未満
骨材プラントヤード造成に関する工事掘削工及び盛土工約九か月二億円以上三億円未満
工事用道路に関する工事道路改良約九か月二億円以上三億円未満

二 その他の本体関連工事
【質問】
五月十七日に契約手続きを行った三つの本体関連工事の工費を合わせると、六から九億円未満である。一方、平成二十五年度の八ッ場ダム事業予算約九十八億円のうち、本体関連工事は約十八億円となっている。したがって、本体関連工事としては前記の三つの工事以外にまだ九から十二億円の予算が残されている。この残り九から十二億円の本体関連工事の具体的な内容とその各工事の実施予定時期を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十五年五月に国土交通省水管理・国土保全局が公表した「平成二十五年度水管理・国土保全局関係予算配分概要」の三ページに記載されている「本体工事の準備に必要な関連工事を進めるための予算」を充てることとした工事等については、四についてで述べるとおり、同月十七日に関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所長(以下「事務所長」という。)が三件の工事について入札の公告を行ったほか、同月二十三日に事務所長が八件の業務について手続開始の公示を行ったところであり、これら八件の業務名、業務内容及び履行期限は、それぞれ次のとおりである。
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地盤性状検討業務(電子入札対象案件) ボーリングコア観察等 平成二十六年三月下旬
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その一)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十六年三月二十四日
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十五年十二月二十日
H二十五八ッ場ダム本体修正設計業務(電子入札対象案件) 既往の実施設計の修正設計等 平成二十六年三月下旬
H二十五八ッ場ダム水理模型実験検討業務八ッ場ダムの模型実験等 平成二十六年三月二十日
H二十五八ッ場ダム申請書作成業務(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体関連工事に伴う群馬県等関係機関への申請書の作成等 平成二十六年三月三十一日
八ッ場ダム選択取水設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 選択取水設備の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
八ッ場ダム洪水吐設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 非常用洪水吐の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
また、これら十一件の工事等のほか、事業概要の十四ページに記載されている「仮締切」等を行うこととしているが、それらの具体的な内容及び実施予定時期については、現時点で未定である。

三 本体工事の契約手続きまでの工程
【質問】新聞報道によれば、平成二十六年度には本体工事に着手する予定であるという。来年度に本体工事の契約手続きを開始するまでにどのような工事が行われていくのか、その具体的な工程を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、八ッ場ダム建設事業の今後の工程については、現在、精査しているところである。

四 八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に入札公告を行った工事の内容
【質問】
入札情報サービスで八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に入札公告を行った工事の内容を見ると、①骨材プラントヤード造成工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区において基盤造成工事を行うもの)、②盛土造成地線改良工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区において工事用道路工事等を行うもの)、③八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う掘削工事のうち、川原畑地区において掘削工事を行うもの)の三件であるが、相違ないか。

【答弁】
平成二十五年五月十七日に事務所長が入札の公告を行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事は三件であり、これらの個々の工事名及び工事内容は、それぞれ次のとおりである。
骨材プラントヤード造成工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における基盤造成工事
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う掘削工事のうち、川原畑地区における掘削工事
盛土造成地線改良工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における工事用道路工事等

五 関東地方整備局の五月十六日記者発表資料と五月十七日の入札公告の内容の齟齬、及び本体工事を早くも進める理由
【質問】
関東地方整備局が五月十六日に発表した記者発表資料と八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に行った入札公告を対照すると、①骨材プラントヤード造成工事、②盛土造成地線改良工事は同じ内容であるが、③は前者が作業ヤード造成であるのに対して、後者は八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事であり、工事内容が明らかに異なっている。しかも、後者の③は本体関連工事ではなく、本体工事そのものである。記者発表資料では本体関連工事としておきながら、実際の入札公告では本体工事を早くも進めることになっている。
このように、なぜ本体工事を公にすることなく、早くも進めようとしているのか、その理由を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」は、八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な作業ヤードを造成するために、同ダムの本体工事予定箇所の左岸側の上部において、掘削工事を行うものである。
なお、記者発表においては、事業概要に記載されている同ダムの本体工事の準備に必要な関連工事のうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事の契約手続を開始する旨を公表したものであり、入札公告における工事名そのものを公表したものではない。

六 八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行う場所
【質問】
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事の入札公告を見ると、工事概算数量として、「掘削工約六万六千立方メートル、法面整形工約三千五百平方メートル、 落石防止網工約三千五百平方メートル、仮設工一式」と記されている。
これを見ると、工事概算数量は明らかに本体左岸上部掘削工事を意味している。この本体左岸上部掘削工事を実施する場所を具体的に緯度経度で示されたい。また、本体工事のため、左岸で掘削工事を行う範囲の緯度経度も示されたい。
さらに、掘削工約六万六千立方メートルは面積、深度をどのように想定した数字であるのかを明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の「本体左岸上部掘削工事を実施する場所」及び「本体工事のため、左岸で掘削工事を行う範囲」の具体的な緯度及び経度をお示しすることは困難であるが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の入札公告において示しているとおり、工事場所は群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑地先である。また、御指摘の「掘削工約六万六千立方メートル」は、測量図面から、測点ごとの断面積と測点間の距離を用いて算出したものである。

七 八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行うことによる現鉄道と旧国道への影響
【質問】
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行う場所は現鉄道JR吾妻線と旧国道が通過している。落石防止網工が行われるとしても、現在、現鉄道JR吾妻線と旧国道は利用されているのであるから、落石の危険性を心配せざるをえない。このことに関して政府の見解を示されたい。
また、落石防止網工は具体的にどこからどこまでの場所に設けられるのかを明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の施工に当たっては、一般国道百四十五号及び東日本旅客鉄道株式会社吾妻線への落石等を防止する防護柵の設置等の適切な安全対策を講ずることとしており、その具体的な設置場所等については、落札者等と調整の上、決めていくものと考えている。

八ッ場ダム本体関連工事に関する質問主意書と答弁書(参議院)  提出者 大河原雅子参議院議員
質問主意書 平成二十五年五月二十八日
答弁書   平成二十五年六月七日

国土交通省関東地方整備局は本年五月十七日、八ッ場ダム建設事業について平成二十五年度予算に計上された本体工事の準備に必要な関連工事(本体関連工事)の契約手続きを開始した。この本体関連工事に関して不明な点があるので、以下質問する。真摯に答えられたい。

一 八ッ場ダムの本体関連工事の契約手続きの内容
【質問】
関東地方整備局が五月十六日に発表した記者発表資料によれば、五月十七日に行う契約手続きは、①骨材プラントヤード造成(掘削工及び盛土工、約九ヶ月、二から三億円未満)、②工事用道路(道路改良、約九ヶ月、二から三億円未満)、③作業ヤード造成(掘削工、約十五ヶ月、二から三億円未満)となっているが、相違ないか。
【答弁】
平成二十五年五月十六日に国土交通省関東地方整備局(以下「関東地方整備局」という。)が行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事の契約手続の開始に係る記者発表(以下「記者発表」という。)において、同月十七日から契約手続を開始する工事として示したものは、関東地方整備局のホームページにおいて公表している「平成二十五年度主要事業の概要」(以下「事業概要」という。)の十四ページに「平成二十五年度予定」の工事等として記載されているもののうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事であり、これらの個々の工事の概要、工期及び規模について、工事ごとに示すと、次のとおりである。
作業ヤード造成に関する工事掘削工約十五か月二億円以上三億円未満
骨材プラントヤード造成に関する工事掘削工及び盛土工約九か月二億円以上三億円未満
工事用道路に関する工事道路改良約九か月二億円以上三億円未満

二 その他の本体関連工事
【質問】
五月十七日に契約手続きを行った三つの本体関連工事の工費を合わせると、六から九億円未満である。一方、平成二十五年度の八ッ場ダム事業予算約九十八億円のうち、本体関連工事は約十八億円となっている。したがって、本体関連工事としては前記の三つの工事以外にまだ九から十二億円の予算が残されている。この残り九から十二億円の本体関連工事の具体的な内容とその各工事の実施予定時期を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十五年五月に国土交通省水管理・国土保全局が公表した「平成二十五年度水管理・国土保全局関係予算配分概要」の三ページに記載されている「本体工事の準備に必要な関連工事を進めるための予算」を充てることとした工事等については、四についてで述べるとおり、同月十七日に関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所長(以下「事務所長」という。)が三件の工事について入札の公告を行ったほか、同月二十三日に事務所長が八件の業務について手続開始の公示を行ったところであり、これら八件の業務名、業務内容及び履行期限は、それぞれ次のとおりである。
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地盤性状検討業務(電子入札対象案件) ボーリングコア観察等 平成二十六年三月下旬
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その一)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十六年三月二十四日
H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十五年十二月二十日
H二十五八ッ場ダム本体修正設計業務(電子入札対象案件) 既往の実施設計の修正設計等 平成二十六年三月下旬
H二十五八ッ場ダム水理模型実験検討業務八ッ場ダムの模型実験等 平成二十六年三月二十日
H二十五八ッ場ダム申請書作成業務(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体関連工事に伴う群馬県等関係機関への申請書の作成等 平成二十六年三月三十一日
八ッ場ダム選択取水設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 選択取水設備の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
八ッ場ダム洪水吐設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 非常用洪水吐の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
また、これら十一件の工事等のほか、事業概要の十四ページに記載されている「仮締切」等を行うこととしているが、それらの具体的な内容及び実施予定時期については、現時点で未定である。

三 本体工事の契約手続きまでの工程
【質問】新聞報道によれば、平成二十六年度には本体工事に着手する予定であるという。来年度に本体工事の契約手続きを開始するまでにどのような工事が行われていくのか、その具体的な工程を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、八ッ場ダム建設事業の今後の工程については、現在、精査しているところである。

四 八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に入札公告を行った工事の内容
【質問】
入札情報サービスで八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に入札公告を行った工事の内容を見ると、①骨材プラントヤード造成工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区において基盤造成工事を行うもの)、②盛土造成地線改良工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区において工事用道路工事等を行うもの)、③八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(八ッ場ダム本体建設工事に伴う掘削工事のうち、川原畑地区において掘削工事を行うもの)の三件であるが、相違ないか。

【答弁】
平成二十五年五月十七日に事務所長が入札の公告を行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事は三件であり、これらの個々の工事名及び工事内容は、それぞれ次のとおりである。
骨材プラントヤード造成工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における基盤造成工事
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う掘削工事のうち、川原畑地区における掘削工事
盛土造成地線改良工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における工事用道路工事等

五 関東地方整備局の五月十六日記者発表資料と五月十七日の入札公告の内容の齟齬、及び本体工事を早くも進める理由
【質問】
関東地方整備局が五月十六日に発表した記者発表資料と八ッ場ダム工事事務所が五月十七日に行った入札公告を対照すると、①骨材プラントヤード造成工事、②盛土造成地線改良工事は同じ内容であるが、③は前者が作業ヤード造成であるのに対して、後者は八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事であり、工事内容が明らかに異なっている。しかも、後者の③は本体関連工事ではなく、本体工事そのものである。記者発表資料では本体関連工事としておきながら、実際の入札公告では本体工事を早くも進めることになっている。
このように、なぜ本体工事を公にすることなく、早くも進めようとしているのか、その理由を明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」は、八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な作業ヤードを造成するために、同ダムの本体工事予定箇所の左岸側の上部において、掘削工事を行うものである。
なお、記者発表においては、事業概要に記載されている同ダムの本体工事の準備に必要な関連工事のうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事の契約手続を開始する旨を公表したものであり、入札公告における工事名そのものを公表したものではない。

六 八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行う場所
【質問】
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事の入札公告を見ると、工事概算数量として、「掘削工約六万六千立方メートル、法面整形工約三千五百平方メートル、 落石防止網工約三千五百平方メートル、仮設工一式」と記されている。
これを見ると、工事概算数量は明らかに本体左岸上部掘削工事を意味している。この本体左岸上部掘削工事を実施する場所を具体的に緯度経度で示されたい。また、本体工事のため、左岸で掘削工事を行う範囲の緯度経度も示されたい。
さらに、掘削工約六万六千立方メートルは面積、深度をどのように想定した数字であるのかを明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の「本体左岸上部掘削工事を実施する場所」及び「本体工事のため、左岸で掘削工事を行う範囲」の具体的な緯度及び経度をお示しすることは困難であるが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の入札公告において示しているとおり、工事場所は群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑地先である。また、御指摘の「掘削工約六万六千立方メートル」は、測量図面から、測点ごとの断面積と測点間の距離を用いて算出したものである。

七 八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行うことによる現鉄道と旧国道への影響
【質問】
八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事を行う場所は現鉄道JR吾妻線と旧国道が通過している。落石防止網工が行われるとしても、現在、現鉄道JR吾妻線と旧国道は利用されているのであるから、落石の危険性を心配せざるをえない。このことに関して政府の見解を示されたい。
また、落石防止網工は具体的にどこからどこまでの場所に設けられるのかを明らかにされたい。

【答弁】
御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の施工に当たっては、一般国道百四十五号及び東日本旅客鉄道株式会社吾妻線への落石等を防止する防護柵の設置等の適切な安全対策を講ずることとしており、その具体的な設置場所等については、落札者等と調整の上、決めていくものと考えている。